第7章 Windows 8の機能とソフトウェア - Windows 8でも現役の「コントロールパネル」

先ほどは「PC設定」について述べたが、Windows 8でもコントロールパネルは健在である。いや、それ以上に重要性は以前と変わらず、さまざまな場面で利用することが多くなるだろう。すべての項目を説明すると、それだけで一冊の書籍を執筆できるほどの量になってしまうので、Windows 8から新たに加わった、もしくは変更点の多いアイテムだけピックアップしよう(図459~460)。

図459 Windows 8のコントロールパネル。カテゴリ形式で表示

図460 表示形式を「小さいアイコン」に変更した状態。この状態から出ないと呼び出せない機能もある

「Windows 8への機能の追加」は、第1章で述べたアドオンを追加するための機能。Windows 8なら「Windows 8 Pro Pack」、Windows 8 Proなら「Windows 8 Media Center Pack」を追加購入する際にライセンスとなるプロダクトキーを入力し、Windows 8自身のエディションを変更するというものだ。

Windows 7におけるWindows Anytime Upgradeと捉えるとわかりやすいだろう。ただ、Windows 8はエディションを再整理し、シンプルな構成になっていることと、前述のアドオンがさほど魅力的でないことを踏まえると、最初から「Windows 8 Pro」を選択した場合、使う機会は皆無になるかもしれない(図461)。

図461 プロダクトキーでWindows 8のエディションを変更する「Windows 8への機能の追加」

「位置情報の設定」は、Windows 7における「位置センサーとその他のセンター」を置き換えたアイテムだ。コンピューターが備えるGPS機能を、Windowsストアアプリやデスクトップアプリによる使用の有無を選択できる。GPS機能を備えるコンピューターの場合は表示内容が異なるかもしれないが、Windows 7時代のようにデバイスは列挙されていない。

試しにLocation APIを使用可能にする仮想デバイスの「Geosense for Windows」をインストールしてみたが、変化を確認することはできなかった。また、Microsoft Visual Studio 2012 Expressをインストールすると追加される「Microsoft Visual Studio Location Simulator Sensor」がある状態でも変化しないことを踏まえると、「位置情報の設定」はGPSデバイスの管理は行わないようだ(図462~463)。

図462 GPSデバイスによる位置情報取得機能の有無を制御する「位置情報の設定」

図463 仮想GPSである「Geosense for Windows」や「Microsoft Visual Studio Location Simulator Sensor」を加えた状態でも「位置情報の設定」に変化は生じなかった

Windows 7までは「地域と言語」と一緒になっていた機能は、Windows 8で「言語」と「地域」に分類されている。まずは前者の「言語」は文字どおりWindows 8で使用する表示言語や入力方式を選択するというものだ。なお、今回他国の言語も追加してみたが、執筆時点では入力方式は変更できるものの、表示言語に用いる言語パックのダウンロードはできなかった。

Microsoftの公式ブログにある説明では、「Switch languages on the fly (Language Packs)」のマークがすべてのエディションに付いているものの、「言語パックを利用できません」というメッセージが現れる。TechNetで配布されている「Windows 8 Language Pack」を用いて言語パックを追加した場合、表示言語の切り替えは可能だった(図464~465)。

図464 表示言語や入力方式を変更する「言語」

図465 執筆時点では表示言語パックの追加はできなかった(Windows 8 Pro使用時)

以前のWindows OSと同じく複数のIMEをインストールすることは可能だが、執筆時点でMicrosoft DesignスタイルをサポートするIMEは、MS-IME 2012以外存在しないため、同IMEを削除することはできない。また、日本語環境でWindows 8を使用する場合、異なるアプリケーションを使用する際に、IMEの状態が引き継がれてしまう問題が発生する。詳しくは第8章で述べるが、こちらは詳細設定の<アプリウィンドウごとに異なる入力方式を設定する>を有効にすることで回避可能だった(図466~467)。

図466 複数のIMEを導入できるが、現時点でMS-IME 2012は削除できない

図467 詳細設定から設定を変更することで、IMEの状態が異なるアプリケーションに引き継がれる問題は回避できる

後者の「地域」は言語設定が独立したことにより、<キーボードと言語>タブがなくなり、それ以外の設定項目が残された状態だ。古いダイアログ形式が用いられていることからもわかるように、内容は従来どおり。特筆するようなものはなかった(図468)。

図468 「地域」は<キーボードと言語>タブが削除された以外は従来と同じだ

特定の機能を持つアイテムは他の節で述べるため、この程度の紹介になってしまったが、Windows 8をデスクトップベースで使用する場合、コントロールパネルを参照する機会は多い。活用術に関しては以前のWindows OSと同じ内容となるため、あらためて述べるまでもないだろう。