第6章 Windows 8のネットワークとセキュリティ - セキュリティレベルを高める「PIN」「ピクチャパスワード」

前述のとおりWindows 8は、ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの二種類を用意した。前者は従来と同じく特定のWindows 8に対するアカウントだが、後者は設定の同期が可能になり、各コンピューターで同一の環境を使用できる。ここで問題となるのがパスワード設定。本人だけが知る任意の文字列や数字を組み合わせたものを使用すると、文字列や数字に誕生日など意味を持つものを使用することが多いため、セキュリティレベルは低下してしまう。その一方で使い捨て可能なワンタイムパスワードという選択肢もあるが、OSのアカウントに対して用いるのは煩雑である。

そのため、高いセキュリティレベルを求められる場所で使用するコンピューターには、本人所有のスマートカード認証や、事前に指紋を登録する生体認証が用いられてきた。いずれもセキュリティ対策としては一定の効果を得ることが可能だが、気軽に使用できないという問題が発生する。そこで、セキュリティレベルは高くないものの、使い勝手のよいテキスト形式のパスワードを改良すると同時に、PIN、ピクチャパスワードという二つのセキュリティシステムを追加した。

まずはテキスト形式のパスワードから。Windows 8へサインインする際、あらかじめ設定したパスワードをテキス