第1章 Windows 8への道 - Windows 8のラインナップ
Windows 8を評価すべきポイントの一つが、エディション構成の一新である。あらためて述べるまでもなく、Windows Vista以降はエディションが複雑化し、ユーザーの混乱を招く要因だった。しかも、このエディション構成はWindows 7にも引き継がれるだけでなく、新興市場向けのエディション名が入れ替わるなど、ますますわかりにくいものになっている。もっとも日本国内では、新興市場向けエディションを選択する場面やユーザーは限られるため、大きなトラブルに至ることはなかった。
このように膨れあがったエディション構成だが、Windows 8ではコンシューマーユーザー向けの「Windows 8」、ビジネス/中上級者向けの「Windows 8 Pro」の二つにまとめられた。この他にもボリュームライセンス契約者向けの企業向けエディションとなる「Windows 8 Enterprise」や、ARMプロセッサ採用のタブレット型コンピューター向けとして「Windows RT」も用意されているが、後者の2エディションは単独販売の予定は組まれていない。
つまり、一般的なユーザーが購入できるのは前者二つに絞られるため、通常はWindows 8、Windows 7 Professionalを使ってきたユーザーはWindows 8 Proを選択することになるだろう。なお、本稿では特定のエディションに対してエディション名を記するので、"Windows 8"はエディション名ではなくOSに対する呼称として読んでほしい