第3章 Windows 8のUI/UX - リボンUIを備えたエクスプローラー その1
MicrosoftがリボンUIを採用したのは、Microsoft Office 2007が最初である。Windows OSのアプリケーションは、メニューバーに並ぶ項目やツールバーに並ぶボタンで直接的な機能の呼び出しを行ってきたが、多機能化することでメニュー項目やボタンの数が増え、UIデザイン的に限界に達していた。そこで導入されたのがリボンUIである(図163)。
リボンUIにはタブと呼ばれる作業内容ごとに、機能(ボタン)をカテゴライズしている。ユーザーは現在の作業に見合うタブを開き、目的のボタンをクリックするという従来よりも少ない手順で機能を実現することが可能だ。このように説明すると素晴らしいUIに感じられるかもしれないが、いくつかの問題を抱えているのはMicrosoft Office 2007や同2010を使ってきたユーザーならご承知のとおり。
旧製品のUIに慣れたユーザーには、目的の機能がどこに配置されているか見つけられず、アイコンのカスタマイズもXMLなど一定以上の知識が求められるため、エンドユーザーレベルでは不可能と言い切っていいだろう。もちろんこのデメリットは慣れの問題なので、Windows 8におけるデメリットとは直結しないはずだ。
しかし、リボンUIは従来のツールバーにおける五行分に