第4章 Windows 8のWindowsストアアプリ - 重要な地位を占める「SkyDrive」と「Xboxゲーム」
ローカルストレージが故障する可能性があるように、オンラインストレージに絶対的な保証があるわけではない。だが、今後オンラインストレージが有用な保存領域になるのは誰しも疑うことのない事実である。それだけにMicrosoftが運営するオンラインストレージサービス「SkyDrive」の存在は重要だ。
Windows 8でも「フォト」など、同サービスと連動するWindowsストアアプリが多く、専用クライアントを用意するのは自然の流れだろう。ちょうど執筆時にWeb版のSkyDriveのデザインや機能が刷新されたが、見比べると同社がMicrosoft Designスタイルを前面に推し出していることがわかる(図280~281)。
あくまでもWindowsストアアプリのSkyDriveは、同サービスにアクセスするためのクライアントであり、SkyDriveアプリで配布している各OS向けソフトウェアと異なり、同期機脳などは備えていない。SkyDrive上の画像を閲覧することも可能だが、それなら「フォト」を使用した方が簡単だ。各ドキュメントファイルはWindowsストアアプリ版Internet Explorer 10上のOffice Web Appsで編集できるのは従来どおり(図282~283)。
一つ残る疑問はWindowsストアアプリのSkyDriveが、SkyDrive for Windowsのように更新されるのかという点。Windows Essential 2012に含まれるSkyDrive for Windowsのバージョン番号は「16.4.6010.0727」と、7月27日にビルドされたことがわかるが、Windowsストアアプリ版SkyDriveのバージョン番号は「16.3.4204.712」と番号だけ見ても古いことがわかる。
SkyDrive周辺はWindows OSと異なりWindows Liveのように随時更新されるため、Web版が刷新されたように、Metro版アプリケーションがある日更新される可能性は高いだろう。SkyDriveがシームレスに使用されることを踏まえるとWindowsストアアプリ版を使う機会はさほど多くない。現時点では存在感が乏しいだけに、今後の機能拡張を期待したい(図284~285)。
その一方で"Windows OSと言えばソリティア(マインスイーパー)"と言われるほど、付属ゲームの愛好者は多い。筆者の周りでも"あくまでも暇つぶし"と称しながら、延々とマインスイーパーもしくはソリティアをプレイする人々を見てきた。そもそもマインスイーパーやソリティアは、Windows 3.0用の拡張パックとして販売された「Microsoft Entertainment Pack」に含まれていたが、Windows 3.1からは標準搭載されている(図286~287)。
その流れはWindows 3.1がリリースされた1992年からWindows 7リリースの2009年まで変わらず、OS標準ゲームとして愛されてきた。しかし、Windows 8のスタート画面を見ても存在しないため、不思議もしくは不満に感じていた方も少なくないだろう。その答えはWindowsストアにあった。「Microsoft」で検索すると「Microsoft Minesweeper」「Microsoft Solitaire Collection」といくつかのゲームが無償でダウンロードできるのである(図288~289)。
Microsoft Minesweeperを起動すると従来のように、初級・中級・上級だけでなくアドベンチャーなどいくつかのモードが用意されていた。また、遊び方の解説も用意され、始めてマインスイーパーをプレイするユーザーにはありがたい。Microsoft Solitaire Collectionも同様に、従来のソリティアに相当するKlondikeやSpiderといったゲームモードを用意。Windows OSのバージョンアップを妨げる理由として付属ゲームが影響することはないものの、マインスイーパーもしくはソリティア愛好者は安心してWindows 8へアップデートしてほしい(図290~293)。
なお、これらのゲームは同社が運営するするオンラインコミュニティ「Xbox LIVE」と統合されている。Windowsストアアプリの「ゲーム」を起動し、ポイントや実績解除を友人と競うことが可能だ。Windows 8の機能から脱線するので詳細は割愛するが、Xbox 360でゲームを楽しんでいる方は、アカウントを連動させると面白いだろう(図294)。