第7章 Windows 8の機能とソフトウェア - 設定の要となる「PC設定」 その2

Windows 8は以前のWindows VistaやWindows 7と同じく、インデックス機能を用いた検索機能を備えているが、「検索」はそれらの中からWindowsストアアプリに限定した検索に対する設定を行う項目である。通常は標準のWindowsストアアプリに対する検索の有無しか選択できないが、さまざまなWindowsストアアプリを追加することで検索対象の拡大が可能。筆者が確認した限りでは「Evernote」や「OneNote MX」「Fresh Paint」などが設定項目に加わっていた(図438)。

図438 検索実行時のWindowsストアアプリを取捨選択する「検索」

前述したとおり、Windows 8の優れた機能の一つが検索である。検索チャームに現れるテキストボックスに文字列を入力し、検索を実行するのは以前のスタートメニューにある検索ボックスを用いる手法と同じだが、「アプリ」「設定」「ファイル」といったカテゴリの切り替えだけでなく、Windowsストアアプリに対しても同様の操作で検索を実行できるのだ。共通共通したUXを由とするWindows 8を体現する機能と述べてもいいだろう(図439~440)。

図439 [Win]+[W]キーを押し、テキストボックスに文字列を入力することで設定項目を検索できる

図440 チャーム上のWindowsストアアプリをクリックすれば、そのままWindowsストアアプリに対する検索を同じ文字列で実行できる

次の「共有」は、文字どおり共有チャームの動作や列挙するWindowsストアアプリの選択を行う設定項目。執筆時点で共有チャームに対応しているのは「Personal」「SkyDrive」「メール」の三種類のため、その利便性を感じることは難しいだろう。例えばスキャナーから取り込んだデータを、そのまま電子メールに添付して送付するシチュエーションを想像してほしい。

本来であればスキャンデータは一度ファイルに保存されるが、送付した後は必要なくなる内容であれば、そのまま共有するアクションを選択できた方がスマートだ。共有チャームは、このようなシチュエーションで使用するのであろう。あくまでも一例だが、Microsoftが意図する"共有というエクスペリエンス"が理解できるはずだ(図441~442)。

図441 共有チャームの動作や使用するWindowsストアアプリを設定する「共有」

図442 「共有」で設定した内容が共有チャームに列挙される

「全般」はいくつかの項目が用意されている。「タイムゾーン」はともかく注目したいのは「アプリの切り替え」だ。「アプリを切り替えて使う」をオフにすると、[Win]+[Tab]キーで呼び出す同機能が使用できなくなるのだ。タブレット型コンピューター使用時の誤操作を避けるために用意された機能と思われるが、[Alt]+[Tab]によるタスク切り替え機能は残されているので、デスクトップベースでWindows 8を使用するユーザーにも有益な機能になるかもしれない(図443~444)。

図443 各種設定を行う「全般」

図444 「アプリを切り替えて使う」をオフにすると、この機能が使用できなくなる

「言語設定」はデスクトップ上からの操作のため後回し。「空き容量」に注目してみよう。<アプリのサイズを表示する>ボタンをクリックすると、ディスク容量を消費しているWindowsストアアプリを確認できる。画面の例では「トラブル」が122メガバイトとなっているが、この数値はキャッシュが含まれるらしく、別環境のWindows 8マシンでは130メガバイトだった。いずれにせよ、デスクトップアプリと異なり消費量がわかりにくいWindowsストアアプリなので、今後は本機能を使用する場面が増えるだろう(図445)。

図445 <アプリのサイズを表示する>ボタンをクリックすると、Windowsストアアプリが消費しているディスク容量を確認できる

「PCをリフレッシュする」などは個別に紹介しているので、「プライバシー」を確認する。Windowsストアアプリが利用する範囲設定を行う項目だが、執筆時点で用意されていたのは、"WindowsストアアプリによるGPS情報の利用"、"同アプリによるアカウント名と画像の利用"、そして"同アプリが使用するWebコンテンツのURL情報の利用"の三つ。これらの使用理由は「プライバシーに関する声明」をクリックすると現れるWebページで確認可能だが、執筆時点ではWindows 8 Release Previewを前提にしているため、評価は避けておこう。実際にWindows 8をお使いの場合は、同操作を行ってプライバシーポリシーを確認してほしい(図446~447)。

図446 「プライバシー」では、Windowsストアアプリによる個人情報の利用に関する設定が可能

図447 「プライバシーに関する設定」をクリックすると、Web上に用意された「プライバシーに関する声明」を確認できる

「デバイス」はコンピューターに接続、もしくはLAN上に並んでいるプリンターやメディアデバイスが列挙される。大半は自動的に登録され、ポップアップからはインストール日時や接続ネットワーク名などの確認が可能。また、デバイスの削除も簡単に行える。試しにBluetoothデバイスのペアリングを行ってみたが、デバイスドライバーは、Microsoftが用意したサーバーから自動的にダウンロードされるため、特に難しい操作を必要とせず接続が完了した。

あくまでもタブレット型コンピューター向けの設定らしく、簡易的な操作にとどまっているため、正直目新しさも便利さも感じない。一般的なコンピューターでは使用する場面はないだろう。なお、従量制課金接続の設定項目も用意されているが、こちらは第6章で説明しているので割愛する(図448~452)。

図448 デバイスの追加や削除を行う「デバイス」。従量制課金接続の設定項目も用意されている

図449 ポップアップからデバイスの詳細を確認できる

図450 <+>ボタンをクリックするとデバイスの追加が可能。画面ではBluetoothデバイスを認識している

図451 デバイスをクリックするとデバイスドライバーのインストールが始まる

図452 不要なデバイスは<ー>ボタンをクリックすれば削除可能だ