DLNA 1.5に対応したWindows 7とWMP12

Windows 7には新たにWindows Media Player(以下、WMP)12が搭載されている。Windows OSの標準メディアプレーヤーとしてバージョンアップを重ねてきたが、最新版ではネットワーク共有機能が大幅に強化された。そのため、後述するアプリケーションの章ではなく、本章で紹介する。

さて、本項で扱うWindows 7の新機能はDLNAのサポートとリモートメディアストリーミング機能。まず前者だが、DLNA(Digital Living Network Alliance)は、家庭内LANなどでメディアコンテンツを交換するための技術である。Windows Vista以前も、サードパーティ製アプリケーションとDLNA対応デバイスを用いることで、コンピュータ上のメディアファイルをリビングのTVで視聴することが可能だったため、DLNAプレーヤーなどを購入し、動画ファイルや音楽ファイルといったメディアコンテンツを楽しんでいる方も少なくないだろう。

Windows 7では、2006年に制定された拡張ガイドライン(バージョン1.5)をサポートし、サードパーティ製アプリケーションを要せず、DLNAサーバの役割を担うことが可能にしている。WMP11でも部分的なサポートは行なわれていたため、目新しく感じないかも知れないが、注目すべきはサポートするDLNAの種類。サーバ的役割を持つDMS(Digital Media Server)はもちろん、再生クライアントとなるDMP(Digital Media Player)、コンテンツの選択や再生などのUIを持たないデバイスに用いられるDMR(Digital Media Renderer)や、DMC(Digital Media Controller)の役割を担っているのだ。これらのDLNA機能を用いて、一方のWindows 7マシンがDMS、他所にあるWindows 7マシンがDMPとなってプッシュ再生を行ない、一方がDMCとなって他方のDMPを制御することが可能になる。Windows 7のDLNAサポートにより、搭載された2つの機能を実際に試してみよう。