TCPコネクションの制限が緩和

あまり知られていない改善点の1つが、アウトバウンド(外向け)ハーフオープンコネクション制限数の撤廃。そもそもハーフオープンコネクションとは不完全なコネクションを意味し、クライアントからサーバにSYNパケットを送信→サーバはSYN/ACKパケットを返信→クライアントがACKパケットを送信して接続が確立する、というのが通常の流れだが、最後のクライアントが返信しなければならないACKパケットの未送信状態をハーフオープンコネクションと呼ぶ。

脆弱性の多かった古いWindows OSでは、ウイルスの拡散被害を抑制するため、10セクションに制限していたが、MicrosoftのTechNet Libraryにもあるように、Windows Vista Service Pack 2やWindows Server 2008 Service Pack 2で、これらの制限が廃止された。この仕様変更から得られるユーザーメリットは少ないが、今後主流になると言われているWebアプリケーションを見据えた仕様変更なのだろう。

その影響を受けているのか断言できないが、共有セッションを張れるユーザー数も、10ユーザーから20ユーザーに拡充された。こちらは後述するホームグループが共有セッションを張る際に、オーバーフローしないための拡充と推測される(図301)。

図301: Windows Vista Service Pack 1とWindows 7の「詳細な共有」ダイアログ。「同時に共有できるユーザー数」が、10から20に増えている