ウィザード形式で選択できる互換性設定

前述したトラブルシューティング機能と連動するのが、プログラムの互換性である。Windows 7が下位互換を重要視して開発されたOSであることは、これまでのWindows OSを見ているユーザーなら百も承知のはず。そのためWindows XP以降は実行ファイルのプロパティダイアログに<互換性>タブを設け、アプリケーションが取得するOSバージョン情報の変更や、視覚的な制限を設けることで互換性を維持してきた(図432)。

図432: Windows 7にも<互換性>タブは用意されいるため、手動による互換設定は可能である

しかし、<デスクトップコンポジションを無効にする>といった技術的な単語が突然登場し、初心者にはわかりにくい項目が存在するのも事実(次ページのコラム参照)。そこで用意されたのがトラブルシューティングツールの1つ「プログラムの互換性」である。同ツールは単独機能も可能だが、実行ファイルのコンテキストメニューに用意された<互換性のトラブルシューティング>を呼び出す方がスマートだ(図433)。

図433: 問題が発生しているアプリケーションの実行ファイルを右クリックし、メニューから<互換性のトラブルシューティング>をクリックする

互換性テストの推奨設定は、Windows互換モードをWindows XP Service Pack 2とし、ディスプレイ設定などは標準でプログラムの実行結果を確認。<問題のトラブルシューティング>をクリックすると、<プログラムが開くが、正しく表示されない>など具体的な問題を選択することで、必要な互換設定を施し、プログラムの実行結果を確認する。互換性を維持するための項目や機能などは、Windows Vistaと変わらないが、それでも、互換性機能を使用する上でのハードルが低くなったのは歓迎すべきだろう(図434~439)。

図434: トラブルシューティングのオプションを選択する。通常は<推奨設定を使用する>をクリック

図435: Windows互換モードをWindows XP Service Pack 2とし、ディスプレイ設定などは標準設定が施される。<プログラムの開始>ボタンをクリックすると、推奨設定でプログラムが動作するか確認できる

図436: 先のダイアログで<次へ>ボタンをクリックすると、互換設定の保存をうながされる。問題なく動作したら<はい~>をクリックする

図437: 図434の画面で<問題のトラブルシューティング>をクリックすると、具体的な問題の選択をうながされる。該当している項目をクリックしてチェックを入れてから、<次へ>ボタンをクリック

図438: 先の画面で<プログラムが開くが、正しく表示されない>を選ぶと、画面表示に関する問題解決方法の選択をうながされる。該当するものをクリックしてチェックを入れたら、<次へ>ボタンをクリック

図439: 今回の例ではディスプレイ設定が「Aeroを無効にする」となった