次に図48と同じくWindows 7のライセンス条項の確認を経てから、インストールオプションの選択をうながされるが、もちろん選択するのは「アップグレード」。同項目をクリックすると互換性チェックが行なわれ、Windows 7にアップグレード時に発生する問題が列挙される。筆者が試した例では下記のようなメッセージが表示された。
- オフラインファイルが一時的に使用できない
- Windowsメールが廃止された
- Webフィルタが廃止された
- 活動記録レポート機能が廃止された
- Windows Vista Ultimate Extrasは提供されない
上記内容はアップグレードインストール完了のデスクトップに作成されたファイルで確認できるので、ここで細かく確認する必要はない。<次へ>ボタンをクリックすると、図57から図73で紹介したWindows 7の新規インストールとほぼ同じ行程で、アップグレードインストールが行なわれる。各画面は煩雑になるので割愛しているが、気になる方は該当画面および解説をご覧頂きたい(図91~92)。
ただし、新規インストールとアップグレードインストールの相違点として、いくつか気になるところがあったので、その点だけ紹介する。まず1回目の再起動後は、ブートメニューが起動し、Windows 7のアップグレードインストールを続けるか、Windows Vistaを起動するか選択することが可能だ。もっとも自動起動までのカウントダウンも数秒ほどしかないので、そのままアップグレードインストールを行なうのであれば、特に気にする必要はない。
2回目と3回目の再起動に表示されるブートメニューは最後の選択。ここで「Windowsセットアップロールバック」を選択すれば、Windows 7のアップグレードインストールをキャンセルし、Windows Vistaに戻すことが可能だが、システムファイルの書き戻しを行なうため、100%以前と同じ状態に戻すことは難しい。そのため、Windows 7のアップグレードインストール中に中止せざるを得ない場合は、1回目の時点でキャンセルすることをお薦めする(図93~94)。
また、アップグレードインストール完了後のセットアップは、プロダクトキーの入力から始まり、ユーザー名およびパスワードの設定はスキップされる。これは、コンピュータ名を含む各アカウント情報はWindows Vistaから継承されるからだろう。アップグレードインストールが完了すると、新規インストールとは異なりログオン画面が表示され、Windows Vistaで使っていたアカウントをそのまま使用でき、デスクトップには、Windows Vistaで使用していたデスクトップガジェットが並び、前述した互換性チェックにより生成されたHTMLファイルが用意されている。内容は最初の互換性チェックで表示されたものと同じなので、内容を確認し不要であれば削除してもよい(図95~96)。