Windows Virtual PCの新機能であるUSB機能もチェックしてみよう。前バージョンであるVirtual PC 2007では未サポートだったUSBデバイスを新たにサポートし、Windows Vista以降のOSに対応しなくなったプリンタやスキャナをWindows XP Modeで活用できる機能だ。特に難しい操作を必要とせず、メニューからゲストOSに接続するUSBデバイスを選択するだけ。今回は検証しきれなかったが、Windows 7用デバイスドライバが用意されていないUSBデバイスでも、Windows XP Modeで利用することができると言う。筆者の環境では、Windows 7 64ビット版で動作しないプリンタを、Windows XP Mode上での動作を確認した。これなら前述のような古いUSBデバイスを再活用することも可能だろう。

なお、USBメニューに並ぶ共有USBデバイスとは、ホストOS側でドライブとして認識しているため、前述したRDP(Remote Desktop Protocol)のドライブ共有機能を経由してゲストOSとドライブ共有されており、ゲストOSに改めて接続する必要がないデバイスを指す。USBメモリなどが共有USBデバイスと見なされ、その他のUSBデバイスの場合、図590のようなダイアログは表示されない(図589~594)。

図589: Windows Virtual PCの<USB>メニューから接続するUSBデバイスをクリックする

図590: 共有USBデバイスの場合、確認をうながすダイアログが表示されるので、<はい>ボタンをクリックする

図591: ホストOS側ではUSBデバイスの切り離しと、USB仮想化スタブドライバが組み込みが行なわれる

図592: 続いてゲストOS側でUSBデバイスの認識、およびデバイスドライバの導入が自動的に行なわれる。標準デバイスドライバが用意されていない場合、ゲストOS用のデバイスドライバが必要だ

図593: 今回はUSBメモリため、Windows XP Modeではそのまま認識し、マイコンピュータにアイコンが表示された

図594: USBデバイスをゲストOSから取り外すときは、Windows Virtual PCの<USB>メニューから切断するUSBデバイスをクリック。これでUSB接続はホストOS側に戻る

また、仮想アプリケーションモードではWindows Virtual PCのウィンドウフレームが表示されないため、USBデバイスを呼び出す項目はジャンプリストに用意される。「USBデバイスの管理」ダイアログから接続するUSBデバイスを選択すれば、仮想アプリケーションがインストールされているゲストOS全体で認識が行なわれ、各仮想アプリケーションで使用可能になる。そのため、USBデバイスによっては事前に仮想マシンモードでデバイスドライバのインストールが必要になる場合もあるだろう(図595~596)。

図595: 仮想アプリケーションを起動しているときは、タスクボタンのジャンプリストにある<USBデバイスの管理>をクリック

図596: 「USBデバイスの管理」ダイアログが起動し、一覧に並ぶUSBデバイスを選択してから<接続>ボタンをクリックすれば、仮想アプリケーション上でもUSBデバイスが使用可能になる