Windows 7のアップグレードインストールで注意しなければならないのが、一部のフォルダがそのまま残されている点。Microsoftはアップグレードインストール時にデータ移行は行なわれるものの、万が一データ消失してしまったときのために「Windows.old」フォルダを残し、以前の状態を残していると述べている。しかし、筆者が試した限り、Windows 7のホストドライブには、「$INPLACE.~TR」「$WINDOWS.~Q」と2つのフォルダのみで、「Windows.old」フォルダは生成されなかった。これらは、ユーザーファイルや設定の転送時に使用する一時フォルダであり、Windows 7のインストーラーが不要と判断したファイルが、そのまま残されている。前者は主にアプリケーションなどが生成する設定情報やタスク情報などが残され、後者はユーザーおよびアプリケーションが作成したファイルが残されている。Windows 7の動作に問題のないファイルは、そのままユーザーフォルダに移動されているが、それに含まれないファイルが残されている可能性があるのだ。筆者が確認した限りでは、概ねWindows 7に移行されていたが、場合によっては重要なデータが残されている可能性を拭いきれないので、念のため確認して欲しい(図97~98)。
ユーザーの個人用ファイルがなくなっていないか確認したら、各フォルダを削除する。直接フォルダを削除してもいいが、ここではディスククリーンアップを使用した方がスマートだろう。ただし、通常の操作では前述のフォルダが削除対象に含まれないため、同ツールに用意されている<システムファイルのクリーンアップ>ボタンをクリックして、システムファイルを削除対象に加えなければならない(図99~101)。
同ボタンをクリックすると、ディスククリーンアップが再起動し、一覧に<Windowsのアップグレードにより破棄されたファイル>が加わるので、チェックを入れて削除対象に加える。また、アップグレード時に作成されたログもファイルサイズが大きいため、後でトラブルシューティングを行なうためにログが必要な方以外は削除対象に加えるといいだろう。後は画面の指示に従って進めれば、前述の2フォルダが削除される。これでWindows 7のアップグレードインストールは完了だ(図102~105)。