大きく機能を拡充した「電卓」

興味深いのは「電卓」である。Windows 7の開発チームが、これほど力を入れたのが不思議なほど、機能面の拡充が行なわれた。ボタン配列やフォントサイズの大きさなど見た目もさることながら、これまであった通常の電卓と関数電卓に加えて、プログラマ電卓、統計電卓と4つのモードが搭載されている。特にプログラマ電卓は、2/8/10/16進数をサポートし、計算桁の下にある表示領域には2進数の早見表が用意されているため、筆者のようにBits-Bytes変換に指を折って数えるようなタイプには、実にありがたい(図525~527)。

図525: 普通の電卓と関数電卓は従来の「電卓」にも用意されていたモードだ

図526: 新しいプログラマ電卓。2進数と16進数の切り替えは結構便利である

図527: 新しい統計電卓では、計算対象のデータを入力して統計計算を実行できる。値の平方平均や平方和の計算も可能

また、新たに用意されたワークシート機能は、各フォームに数値を入力し、目的の計算方法に応じて数値を導き出すというもの。Microsoft Excelで計算した方が確実だが、ちょっとした計算を行なう際には、この新機能でも十分だろう。このほかにも分→秒、キロメートル→マイルといった単位を変換する機能や、2つの日付間隔を計算する日付計算機能も備わっている。ただし対応するのは西暦のみで、日本独自の和暦はサポートされていない。さすがにワールドワイドベースのアプリケーションなので、この点は致し方ないだろう(図528~530)。

図528: 新たに加わったワークシート機能。燃費やリース、住宅ローンの支払いが可能だ

図529: こちらは単位変換。各ドロップダウンリストから変換元と変換先を選択し、単位変換を行なう

図530: こちらは日付計算。経験者ならわかるが日付の計算は結構面倒なので、結構便利に使えるはずだ

もう1つのチェックポイントが履歴機能。<表示>メニューにある<履歴>をクリックすることで、計算桁上部に履歴領域が追加表示され、履歴の編集やコピー機能もサポートされている。従来なら複数の計算はMicrosoft Excelを用いた方が便利だったが、履歴機能により簡単な計算も確実に行なえるだろう。このように地味な機能ばかりだが、電卓としての使い勝手は大幅に向上している(図531)。

図531: <表示>メニュー→<履歴>を選択することで有効になる履歴機能。電卓を終了しても履歴機能は有効のままとなる