ネットワークロケーションが有効的
Windows 7におけるホームネットワーク機能の多くは、ユーザーが簡単かつ容易に使えるように、既存機能の改良や、新規機能の導入が行なわれている。新たに搭載されたホームグループや、VAN(View Available Network: 使用可能なネットワークの表示)、Windows Media Player 12に搭載されたリモートメディアストリーミング機能などがそれにあたり、スタンドアローン環境など考えられない、コンピュータの置かれた状況を逆手に取って、積極的なネットワークの活用を提示しているのだろう。本章ではWindows 7のネットワーク機能と題して、新搭載もしくは改良されたネットワーク機能を紐解いていく。なお、Internet Explorerを始めとするネットワークアプリケーションに関しては第7章をご覧頂きたい。
Windows Vistaと同じくWindows 7でも、ネットワーク関連設定を行なうのは「ネットワークと共有センター」である。コンピュータに接続されているネットワークデバイス(アダプター)の管理や、アクティブネットワークの管理などを行なう。レイアウト的な変更点は多いものの、ドラスティックに変更を加えた箇所はほぼ皆無である。共有の詳細設定に並ぶ設定項目も、さほど変化はなく、Windows 7から導入されたホームグループに関する設定がある程度。複雑なネットワーク環境では設定で手こずるかも知れないが、一般的な有線LANデバイスが1~2アイテム、無線LANデバイスが1アイテムといった場合、特に難しい操作を必要とせず、簡単にネットワーク接続環境を謳歌できるはずだ(図295~298)。
図295: 「ネットワークと共有センター」は通知領域のネットワークアイコンを右クリックし、表示されたメニューから<ネットワークと共有センターを開く>を選択するか、コントロールパネルから「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」と選択する |
引き続きWindows 7でも導入されているのが、ネットワークロケーション(場所)。家庭用LANを前提としたホームネットワーク、社内LANを対象とした社内ネットワーク、ホットスポット経由でインターネット接続を行なうパブリックネットワークの3種類。特に前者2つはWindows Vistaでも曖昧な扱いだったが、Windows 7から導入されたホームネットワークの存在が大きい。同機能を使用できるのは、ホームネットワークに属するネットワークロケーションでのみで、社内ネットワークの場合、ホームグループの作成はもちろん参加することも不可能である。このようにネットワークロケーションの役割が明確化されたのは、小さいながらも改良ポイントに数えていいだろう(図299~300)。