第5章 Windows 10のテクノロジー - 見送られた? ストレージ使用量の削減

Windows insider Programに参加してきた方であれば、以前発表された"ストレージ使用量の削減"が気になるのではないだろうか。Microsoftが2015年3月に公式ブログで発言した内容によれば、システムファイルを圧縮し、リカバリーイメージの再構築などを踏まえて、最大45パーセント(6.6Gバイト)の容量削減を目指すとしていた。

ブログに掲載した64ビット版Windows 10を例にした改善例。緑色の部分が削減対象となる

だが、Windows 10で「ディスククリーンアップ」を起動しても、それらしい機能は見当たらない。先のブログでは「OSの応答性に悪影響を与えないため、圧縮機能を使用するか否かはデバイスの性能評価で判断する」と述べている。使用しているPCの問題なのか、他のPCでも検証してみたが動作は同じだった。

「ディスククリーンアップ」をシステム権限で実行しても、システムファイルを圧縮するような項目は見当たらなかった

そこで「ディスククリーンアップ」が参照する、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\VolumeCachesの内容を確認してみた。Windows 8.1と比較したところ、新たに加わったエントリーは「Device Driver Packages」キーと「Windows Error Reporting Temp Files」キー、逆に「Memory Dump Files」キーは削除されている。クラスIDや展開可能な文字列値「Description」の内容を確認した限り、公式ブログで説明したようなロジックは組み込まれていない。

ディスククリーンアップが参照するVolumeCachesキーの内容を精査したが、該当するエントリーは存在しなかった

筆者が検証し切れなかった可能性も拭い切れないが、結果だけ見れば"予定されていた機能だが、最終的に搭載は見送られた"ということだろう。これ自体は決して珍しいことではない。Windows 95の開発コード名だったChicagoも、当初はタスクバーに機能ボタンを並べるデザインを試していたが、最終的に実装は見送られた。Windows Vistaの開発コード名Longhornも、データベースと連動するWinFSの実装を試みたが、開発難航の末に中止。Windows VistaはそれまでのNTFSを採用した。

開発中のLonghorn Build 4051。2003年頃のものだ

Windows 10プレビュー版では大々的にアピールしながらも、GA版で見送られた機能はロック画面にリコメンド機能を加える「Windowsスポットライト」など、改めて見ると少なくない。MicrosoftはWindows 10をサービス基盤と位置付け、今後のアップデートで対応するといった方針に切り替わっているため、今後の更新プログラムで、システムファイルを対象にした圧縮機能が加わる可能性もあるだろう。

あくまでも個人的意見だが、DOS時代から現在に至るまでパフォーマンスや応答性を必要とする環境に、圧縮機能を加えてよい結果が出たケースを筆者はあまり知らない。特にWindows 10は低スペックなタブレットでも動作するように設計していることを踏まえると、システムファイルの圧縮機能は重要とまでは言えず、今後は新たな形で我々の前に姿を現しそうだ。