第1章 Windows 10は新たな時代を築けるか - Windows 10の無料化とクリーンインストール

多くの方がご承知のとおりWindows 10はWindows 7(Service Pack 1)、Windows 8.1(Update)、Windows Phone 8.1利用中のユーザーに対して、2015年7月29日から1年間に限り無償アップグレードを提供する。2015年1月21日に開催したプレスイベント「Windows 10: The Next Chapter」でMicrosoftが発表した内容だ。

2015年6月1日から始まった「Windows 10を入手する」プログラム

2015年6月1日から、Windows Update経由でKB3035583などをインストールしたWindows 7およびWindows 8.1環境では、「Windows 10を入手する(Get Windows 10)」が現れるようになった。こちらのプログラムは互換性チェックなどを経て、Windows 10へのアップグレード予約をうながすというものだが、冒頭で述べたようにMicrosoftはWindows 10を無償提供する。

その理由は前節で述べたとおりだが、気になるのは1年後となる2016年7月29日以降、我々はどのようにWindows 10を入手しなければならないのか、という点だ。あくまでもMicrosoftは「1年間に限った無償アップデート」と述べるにとどまり、2015年7月の時点で1年後のビジョンを明らかにしていない。

Microsoftが本気でWindows 10をプラットフォーム化もしくはサービス化するのであれば、完全無償化という選択肢もあり得るが、現実的には新規インストール用のパッケージを別途用意するのが妥当だろう。さらにその後はOffice 365のようなサブスクリプション制を選択する可能性も拭い切れない。

だが、これらの不安に関してOSG(Operating Systems Group)FundamentalsチームのエンジニアリングジェネラルマネージャーGabriel Aul氏は、Twitterで「年会費は必要ない」と噂を否定している

だが、これまで数万円を支払って購入してきたWindowsというソフトウェアが無償になった今、Microsoftがどのような方策を講じても、今回の無償化以上に驚くことはないだろう。

2015年1月にMicrosoftが開催したイベントのスライド。Windows 10への無償アップグレードをうたっている

他方で気になるのが、新規インストールが可能な否かという点だ。アップグレードインストールは過去の環境を引き継ぐため、Microsoftが意図しないトラブルを巻き起こす可能性があるのは、長年Windowsを使ってきたからご承知のとおり。そのため、多くのユーザーはクリーンインストールを可能にするためのISOイメージを欲するのだ。

だが、この質問に関してMicrosoftは2015年6月の時点で何も明らかにしていない。ただ、Aul氏は「何回でも再インストールできる」とTwitterで回答し、別の質問に「Windows 10にアップグレードした後は無償で再インストールできる」と答えた

これらのことから、Windows Vista以降で導入したSLP認証(BIOSのACPI SLICテーブル情報とWindowsマーカーを合致させる認証構造)とは異なるロジックを採用し、Windows 10の再アクティベーションを行うのだろう。その結果、Windows 10にもこちらで配布している「Windowsインストールメディア作成ツール(Mediacreationtool.exe)」のようなツールもしくは機能を用意すると筆者は推測する。

なお、執筆時点で日本マイクロソフトは明らかにしていないが、既に米AmazonはUSB/Disc版のパッケージの予約受付を開始し、伝聞レベルではDSP版(販売量販店がPCパーツなどを一緒に購入するDelivery Service Partner版)の発売も予定しているようだ。あくまでも無償化という観点から見れば、Windows Updateや手動アップデートによるWindows 7およびWindows 8.1からの更新、そして新規インストール用のパッケージ/DSP版の購入が可能になる。

既存環境からWindows 8.1用ISOファイルを作成し、USBメモリやDVD-Rに展開できる「Windowsインストールメディア作成ツール」