第3章 Windows 10のUI/UX - メニューとスクリーンを融合したスタートメニュー その3

Windows 10のスタートメニューはデスクトップ解像度や使い勝手に応じてサイズを変更できるようになった。具体的にはスタートメニューの端にマウスカーソルを重ね、ポインターの形状が変わったらいずれかの方向にドラッグする。筆者の環境で確認したところ縦方向は最小390ピクセルから940ピクセルまで、1ピクセル単位で変更できた。

縦方向を最小化した状態。1,024×600ピクセル環境でも使用できそうだ

縦方向を最大まで広げた状態。多くのタイルをピン留めする場合は便利そうだ

横方向は650/1078/1506ピクセルの3段階を切り替える仕組みだ。両方向とも1,920×1,080ピクセルの解像度で測定したが、横方向はタイルの表示単位で切り替わると理解してほしい。

横方向を最小化した状態。タイルをピン留めしているため、これ以上は縮まらない

横方向を最大まで広げた状態。より高いデスクトップ解像度なら、さらに広げられそうだ

ここでプレビュー版でも試した、"すべてのタイルをピン留めから外せば、シンプルなスタートメニュー"をテストしてみよう。答えは下図で示したように可能だった。こうなってしまうと各アプリケーションの起動が不便になるが、そこは別のランチャーソフトや後述する検索機能で補えば、この状態も"あり"なのではないだろうか。

すべてのタイルを外して横方法を最小化してみた。古いスタートメニューに少し近づいた(かもしれない)

ご覧のとおりスタートメニューはユーザーアイコンから、<アカウント設定の変更><ロック><サインアウト>を呼び出せる。また複数のユーザーアカウントを登録している場合は、ユーザー切り替えもここから実行可能だ。<電源>ボタンからは<スリープ><シャットダウン><再起動>を実行できる。「Powercfg.exe」コマンドを用いて休止状態を有効にしてみたが、電源プランの詳細設定から選択可能ながらもメニューには加わらなかった。

ユーザーアイコンのメニューからは、サインアウトやユーザーの切り替えなどのアクションが実行可能だ

<電源>ボタンのメニューからは、PCの再起動やスリープなどを実行できる

気になるのは[Win]+[X]キーやスタートボタンの右クリックで現れるクイックアクセスメニューが健在な点である。ご承知のとおりクイックアクセスメニューはWindows 8におけるデスクトップの操作性が低下したことから加わった機能である。筆者も2ストロークでコマンドプロンプトやコントロールパネルを起動できるためWindows 8.x時代は多用していたが、Windows 10でも必要なのだろうか。この点について少し考察してみよう。

[Win]+[X]キーで呼び出すクイックアクセスメニューも健在だった

まず多くのキーボード派にとって問題となるのが、XAMLベースで再構築したスタートメニューは"アクセスキーに類するものが存在しない"点である。スタートメニューを開いた状態で任意のキーを押すと、その結果は検索ボックスにそのまま渡るため、キーボードのみで任意の機能を呼び出すことは難しい。

実のところスタートメニューを開いてから[Tab]キーや矢印キーでフォーカスを切り替え、[Enter]キーを押せば機能の呼び出しやアプリケーションの実行は、従来のスタートメニューと同じく可能である。このことを踏まえればクイックアクセスメニューの存在価値はWindows 10でも揺るがないだろう。

だが、Windows 10は常に変化するOSのため、いつクイックアクセスメニューがなくなるか一抹の不安が残る。このアクセスキーはWindows Formsのコントロールを利用していることから、今後は過去の機能として追いやられる可能性は皆無ではないからだ。

確かにXAMLベースのスタートメニューは見栄えがよいものの、キーボード派には使い勝手がよくない。後方互換性を大事にするMicrosoftだからこそ、Windows 10でもクイックアクセスメニューを残したのだと推察するが、新しいスタートメニューの恩恵を受けるのはマウス&タッチ操作派のみであることは間違いない。