第3章 Windows 10のUI/UX - ファイル操作の要となるエクスプローラー その1

Windows 10でもファイル操作には、長年使い続けてきたエクスプローラーを使用する。その変更点は後々述べるとして、皆が最初に気付くアイコンに注目したい。Windows 10 Insider Previewを使ってきた方ならご承知のとおり、アイコンデザインは複雑な経過を経てきた。まずは下図をご覧頂きたい。

Windows 8.1/以前のドライブアイコンなどを並べた状態。やや立体的なデザインだがドロップシャドウは加わっていない

こちらはユーザーフォルダーを並べた状態。よく見るとショートカットファイルを示すオーバーレイアイコンのデザインはWindows 8.1とWindows 10で異なる

こちらはWindows 8.1とWindows 10 ビルド10122以前、そしてWindows 10のドライブアイコンおよびユーザーアイコンを並べたものだ。ご覧のとおりプレビュー版時代はカートゥーンとでも言うべきか、極めてシンプルなアイコンデザインを用いている。そもそも昨今のUIトレンドはフラットデザインと言われてきた。それまで立体感を持たせた現実世界的なスキューモーフィズム・デザインからフラットデザインに移行してきた。

Windows 8.xは旧来のデスクトップとタブレットで快適になるモダンUIを両立させたが、プレビュー版のアイコンデザインを見てきた限り、Windows 10はさらにフラットデザインを推し進める予定だったと推測する。だが、評判は決して芳(かんば)しくなかった。多くのフィードバックを受けたことについてAul氏は、「以前のデザインはフラットすぎて豊かさに欠けていた」と反省の弁を述べ、ビルド10130から現在のアイコンデザインに置き換わっている。

しかし、上図を見直してほしい。Windows 10のアイコンはWindows 8.1のそれから立体感を取り除いた程度である。確かにスキューモーフィズム・デザインとモダンUIは相反するものだが、この程度の変更なら古いアイコンの方がクオリティも高かったのではないだろうか。

もっとも単に立体感をなくしたにとどまらず、4K解像度や8K解像度をサポートする可能性は今なお高い。検証するためのハードウェア環境を取りそろえられないため推測の域を超えないが、ファイルのリソース情報を調べるツールで確認したところ、768×768ピクセルのアイコンリソースを含んでいることは確認できた。また、WinHEC 2015でもWindows 10の解像度として4K/8K解像度について言及し、2015年7月1日から法人受注予約を受け付けたSurface Hubの存在を踏まえると、高DPI環境への準備は十分だろう。

WinHEC 2015のスライドより。Windows 10がサポートする解像度に「8K」が並んでいる

4K解像度を持つSurface HUB。OSはもちろんWindows 10を搭載している

それではエクスプローラーをご覧頂こう。アイコンの次に気付くのはウィンドウフレームの配色ではないだろうか。2つのウィンドウを重ねてみると、ウィンドウフレームの周りに影が落ちるため、ウィンドウの重なり具合は感覚的に確認できる。だが、Windows 8.xまであったような、"アクティブウィンドウのタイトルバーに配色する"仕組みは取り除かれた。

Windows 10のエクスプローラー。「お気に入り」の代わりに「クイックアクセス」が加わったこと以外、大きな差はない

ウィンドウを重ねた状態。ウィンドウフレームの周りの効果でウィンドウの重なりは分かるものの……

これはデスクトップ環境を主とするユーザーにとって、残念ながら改悪と言わざるを得ない。例えば「パーソナル設定\色」でアクセントカラーを特定色に変更すれば、アクティブウィンドウにのみ、ウィンドウフレームの着色を確認できたが、直感的に分かるとは言えないだろう。試しにウィンドウフレームのボーダーサイズを変更するため、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\WindowMetricsキーの文字列値「PaddedBorderWidth」を編集してみたが、結果は変わらず。同エントリーを参照していないようだ。複数のウィンドウを開いて作業するユーザーは、この点に対して注意が必要となるだろう。

「パーソナル設定\色」で任意のアクセントカラーを選択。この時点でアクティブウィンドウのボーダーフレームに着色する

ウィンドウを重ねた状態。確かにアクティブウィンドウだけ着色する仕組みだが、"ひと目で分かる"とは言えない