第4章 Windows 10のアプリケーション - すべてを取り込もうとするWindowsストア

残念ながらWindows 8.xにおけるWindowsストアは成功したと言えない。同時期のWindowsストアは、Windowsストアアプリの有償・無償ダウンロードを行う配信サービスだが、先行するiOSの「App Store(2008年7月開始)」やAndroid「Google Play(2008年10月)」の後塵を拝した。遅れること4年後の2012年2月からプレビューが始まったWindowsストアだが、Windowsストアアプリの状況も相まって、使用するユーザーは多くない。

だが、App StoreやGoogle Playの反響から配信サービスがアプリケーション流通の主軸に位置することは明らかである。そのため、Windows 10のユニバーサルWindowsアプリでもWindowsストアが中心であることに変わりはない。

前項で述べたようにソフトウェア開発環境の準備は終えている。では、窓口となるWindowsストア側の強化ポイントは何かと言えば、ラインナップの拡充だ。前述したように"One Windows"ビジョンからWindows 10やWindows 10 Mobile、Xbox One向けユニバーサルWindowsアプリを1つのストアから配信可能になる。これは、WindowsストアにWindows Phoneアプリ+ゲームストアと、Xbox Gamesストアを合体させた形だ。Microsoftは以前からこの仕組みを指して"One Store"と読んでいる。

Windowsプラットフォームすべてのアプリケーションを1つのストアから配信する"One Store"

Windowsストアで扱うアプリケーションは、既存のWindowsストアアプリやユニバーサルWindowsアプリに加えて、.NET Framework/Win32アプリケーションの配信をサポート。さらに繰り返しになるが、WebアプリやAndroidアプリ、iOSアプリを移植したユニバーサルWindowsアプリも加わる予定だ。詳しくは後述するが、さらに映画やテレビといった映像コンテンツも加わる。

Windowsストアのイメージ図。なお、「Westminster」や「Astoria」は各プロジェクト名を指す

ここまではコンシューマー系の話題だったが、Microsoftはビジネスユーザー向けに「Business Store」を新設する予定だ。そもそもWindows 8.xの時点でもWindowsアプリを社内で配布するサイドローディング機能を備えていたが、こちらは「Company Portal」に改称し、先のBusiness Storeと同じくLOB(基幹業務)クライアントなどの配布や販売などに用いられる。

Windows 10から加わった「business Store」。ボリュームライセンスなど企業向けのアプリケーション販売などに用いられる

Windows 10の配信システムは、既存のWindowsストアとBusinessストア、Company Portalの3つに分かれる

さて、ユニバーサルWindowsアプリ「Windowsストア」は、他のアプリケーションと同じくデザインを刷新しながら、「アプリ」「ゲーム」といったカテゴリーに加えて「Grooveミュージック」「映画とテレビ」が加わった。こちらはWindows 8.xのXboxミュージックやXboxビデオと同じ内容である。

Windows 10の「ストア」。カテゴリーを整理して以前よりは使いやすくなっている

<ミュージック>タブを開くと、Microsoftアカウントに紐付けしたクレジットカードなどで楽曲を購入できる

<映画とテレビ>タブを開くと、Windows 8.xの「ビデオ」と同じ動画コンテンツの購入・レンタルが可能になる

ちなみにWindowsストアが配信するアプリケーションの更新は自動的に行われるが、これまでとルック&フィールを変更して、個別に更新を実行することも可能にしている。また、更新時はアプリケーションの数を示したアイコンが現れるように、劇的な変化はないがユーザビリティの向上は確認できた。

「ストア」によるユニバーサルWindowsアプリの更新状態。以前と比べて直感的だ

後は魅力的なユニバーサルWindowsアプリの登場に期待する他ないが、こればかりはソフトウェア開発者や企業次第である。我々エンドユーザーとしては、気に入ったアプリケーションに金銭やフィードバックといった対価を払い、開発を応援するしか術はない。