第3章 Windows 10のUI/UX - 以前の機能を踏襲したマルチディスプレイ環境
前節で述べたようにWindows 10は仮想デスクトップ機能を搭載したが、マルチディスプレイ環境はどのような状態になるのだろうか。特にWindows 7やWindows 8.xで複数のディスプレイを組み合わせて使用しているユーザーには興味深い点だろう。答えを先に述べるが、Windows 8.1と大差はない。同OSはタスクバーをマルチディスプレイ環境に再対応させ、同様の設定項目を「画面の解像度」ダイアログから、「設定」の「システム\ディスプレイ」に移行させている。
「タスクバーとナビゲーションのプロパティ」ダイアログはWindows 8.xと変わらず、マルチディスプレイ環境を検出すると「複数のディスプレイ」セクションが加わるのはWindows 8.1と同じだ。
ただし、個人的には背景画像の扱いが気になる。同機能を検証したところ、すべてのディスプレイに画像をまたがるように表示する「スパン」モードは残っているが、各ディスプレイへ個別の背景画像を表示する機能が見当たらない。ちょうど前節は仮想デスクトップ機能を取り上げたが、そちらも各仮想デスクトップで背景画像を切り替える機能は存在しなかった。
察するに「設定」に機能を追加し切れなかったのだろう。そうであれば今後のアップデートで改善を期待できるが、その答えはMicrosoftの開発陣しか知り得ないため、これ以上推論を述べるのはやめておこう。
ちなみに前節で紹介した仮想デスクトップだが、マルチディスプレイ環境で表示する仮想デスクトップを変更すると、すべてのディスプレイが同じように"デスクトップ1"、"デスクトップ2"と切り替わり、特定のディスプレイだけ固定するといった機能は用意されていない。既にマルチディスプレイ環境を構築している場合、仮想デスクトップから受ける恩恵は多くなさそうだ。
なお、Windows 8.1からMiracastによるワイヤレスディスプレイの表示をサポートしているが、Windows 10は使用条件としてWDDM 1.3ベースのディスプレイドライバと、Wi-Fi Directに対応するWi-Fiアダプターが必要と説明している。
例えば新しいユニバーサルWindowsアプリ「映画とビデオ」も外部ディスプレイへの出力をサポートしているが、MicrosoftはOSレベルでの接続を"System Level Connections"、アプリケーションレベルの接続を"Application Level Connections"と切り分けている。Build 2015のスライドによれば、「開発者はWindows 10のAPIを利用して、レシーバーに合わせた体験を提供できる」と言う。
機能自体は目新しいものではないが、Windows 10では改善を加えてより良い出力環境を実現している。さらにユニバーサルWindowsアプリからの出力をサポートすることで、より簡単に映画などのコンテンツを手軽に楽しめるようになった。
これまでMiracast技術を用いた外部ディスプレイへの出力は、プレゼンテーションなどビジネス色の強い機能だったが、Windows 10はユーザー体験を変える機能として提供する。既にMiracastやBluetooth、DLNAなどによる外部出力環境を整えている方はWindows 10に移行するための大きなアドバンテージとなりそうだ。







