第4章 Windows 10のアプリケーション - 新標準WebブラウザーとなるMicrosoft Edge その2
一部のユーザーは、"なぜMicrosoftはInternet Explorerを捨てるのか"という疑問を覚えることだろう。Windows 10でもInternet Explorerをバージョンアップさせ、HTMLレンダリングエンジンとしてEdgeHTMLを実装する選択肢もあったはずだ。だが、その理由は極めてシンプル。Internet Explorerが旧態依然の存在だからである。
前節でも述べたように20年めを迎えるInternet Explorerだが、インターネット技術は"光陰矢の如く"進化している。それに対応するため、Internet Explorerはバージョンを重ねて互換性の維持など多くの手間を生み出す存在となった。我々は増改築を繰り返した建築物は耐震性など多様な問題を抱えるため、建て直した方が早いことを知っている。つまりInternet Explorerチームは、これ以上既存のレンダリングエンジンを拡張するより、再構築する方がスマートだという結論に至ったのだ。
それではMicrosoft Edgeの機能を確認しよう。最初に起動すると、検索ボックスとMSNから取得したコンテンツなどがページ内に並ぶ「スタートメニュー」が現れる。下図をご覧になると分かるように、アクセス頻度の高いWebサイトのタイルや、表示コンテンツのカスタマイズも可能だ。もう1つ注目してほしいのが、この時点ではアドレスバーが現れていない点だ。ページ中央にある検索ボックスがアドレスバーの代わりであり、任意のWebページを開くと、アドレスバーがウィンドウ上部に現れる仕組みだ。
新たに機能として注目すべきは、「リーディングリスト」と「Webノート」の2つ。前者はWindows 8.xも備えていた"後から読む"をWebブラウザー内で管理する機能だが、単独のWindowsストアアプリを併用し、デスクトップアプリ版Internet Explorerでは使い勝手が悪かった。だが、ユニバーサルWindowsアプリ化したMicrosoft Edgeは、シームレスにリーディングリストの追加・削除といった操作を行える。また、リーディングリストの内容は、お気に入りや履歴など各サイドバーをひとまとめにした「ハブ」や、スタートメニューから参照できるため、個人的にはお気に入り機能よりも使いやすい。
"後から読む"場面で併用したいのが、「読み取りビュー」である。スマートフォン用OSや他のWebブラウザーも搭載している、不要な装飾などを非表示にして、テキストや関連画像だけにする表示モードだ。Webサイト側として痛がゆい部分ではあるものの、ユーザーのメリットにつながることは事実である。ただ、HTMLの記述が悪いのか大見出しの前に画像を配置するスタイルらしく、読み取りビューモードでは必ずしもWebサイトが意図するレイアウトにならないことが多かった。
後者のWebノートは、Microsoftが当初からアピールしていたWebページ内にフリーハンドでメモやマーキングといった描き込みを可能するモードである。例えば気になる記事を見かけた際、そのままブックマークするとしよう。だが、再度同じ記事にアクセスしても、その時どの部分が自身の注目点だったのか思い出せないことがある。その点Webノートを使えば、その文章を蛍光ペンでマーキングし、ペンで囲むなどすれば、思い出すまでの無駄なタイムラグを消費しなくてよい。
Surface/Proシリーズのようにタッチ操作やペン入力を想定し、デスクトップPCのようにマウス操作時の使い勝手はよいとは言えないものの、コメントの追加機能を使えば、そのままテキスト入力できるため、2-in-1 PCやタブレット以外でも活用できるだろう。
描き込んだ内容はお気に入りやリーディングリスト、OneNoteのノートに保存可能。話は前後するが、2014年3月からOneNoteは無償化しているため、Windows 10にも標準でインストールされている。そのOneNoteへもワンステップで保存できるのは便利だが、気になるのはノートデータの肥大化だ。
必然的にWebページサムネイルもしくはクリップした部分が画像として貼り付けられるため、データは肥大化し、OneNoteも動作も鈍化してしまう。最近ではiOS用やAndroid用OneNoteも併用して、デバイスをまたいだデータ共有している方も少なくないが、データの肥大化は同期時間の増加にもつながるため芳(かんば)しくない。このあたりはユーザー側で不要なデータの整理といった操作が必要になりそうだ。なお、Webノートの共有はOneNote経由で行う。








