第4章 Windows 10のアプリケーション - MSの新たな試み~モバイルコンパニオン/Microsoft Wi-Fi

MicrosoftがCortanaなどを各スマートフォンにも展開すると発表したのは2015年6月中旬だった。PCとスマートフォンを連携させて使用するためのユニバーサルWindowsアプリ「モバイルコンパニオン」を用意し、Windows Phoneデバイス、Androidデバイス、iPhone/iPadの連動を可能にしている。もっともCortanaは日本語に対応しておらず、執筆時点ではデータのコピーや同期、各スマートフォン用アプリケーションのナビゲーションにとどまる程度だ。

Windows 10の「電話コンパニオン」。各スマートフォン(のOS)をサポートしている

どのような機能を提供するのか、試しにWindows 10 PCに各スマートフォンデバイスを接続してみた。まず、Windows 10 Mobile Insider PreviewをインストールしたWindows Phoneデバイスを接続するとストレージ容量を棒グラフで示し、「設定」の「システム\ストレージ」と同じく、ストレージ内の使用状況まで確認できる。なお、上部に並ぶ各サービスのアイコンを押すと、各機能の説明が現れるにすぎなかった。

Windows Phoneデバイスは、空き容量の詳細やメディアデータのインポート、ファイル転送などが可能だった

Androidデバイス(Nexus 5)とiPhone 6を接続したところ、前者もストレージ容量を棒グラフで示すが詳細情報は現れない。後者も同様だがiPhoneは外部ストレージを備えていないため、全体的に簡素な印象を受ける。

Androidデバイスも空き容量の概要やデータのインポートを可能にしている

iPhoneも結果は同様。現時点では利便性を感じるほどではない

Microsoftは当初、「電話コンパニオンを利用することで、PCと連携するためのアプリケーションをインストールし、OneDriveを使った連携を手軽に行える」と説明していたが、実際に試したところメール経由でリンクを送信し、ユーザーはデバイスが対応するストアでダウンロードしなければならない。さらに同社は「スマートフォンで撮影した画像をOneDriveでアップロード」という説明も行っていたが、それに相当する設定項目や動作は確認できなかった。

アプリケーションのリンクをクリックするとメールアドレスの入力を求められ、各ストアのリンクが送られてくる

そもそもAndroidデバイスもiPhoneもPCに接続すればポータブルデバイスとして認識し、DCFに沿った形でエクスプローラーからメディアファイルを参照できるため、多くのユーザーは電話コンパニオンを使うメリットは皆無だろう。逆にこの構造を把握していないエントリーユーザーには、"便利な機能の1つ"に数えられるかもしれない。

「設定」の「プライバシー\他のデバイス」には、電話コンパニオンの使用をデバイスごとに選択できる

他方でMicrosoft Wi-Fiは執筆時点で公式発表していないサービスだが、アプリケーションを起動すると、"ホテル、空港、会議室などに設けられたWi-Fiスポットに接続する"機能であることが分かる。察するに公共Wi-Fiスポットに有料接続する「Skype WiFi」をリニューアルしたものと思われるが、話はそう簡単ではない。

「Microsoft Wi-Fi」を起動した状態。現時点では動作を検証できない

「Microsoft Wi-Fi」の公式サイトには「Coming Soon」の文字が浮かぶ

「設定」の「ネットワークとインターネット\Wi-Fi」に並ぶ<Wi-Fi設定を管理する>を開くと、「Wi-Fiセンサー」なる設定項目が現れる。説明を読む限りWi-Fiスポットを友人と共有し、互いが知るWi-Fiスポットに対してパスワードを入力せずに接続可能にする機能のようだ。なお、同様の仕組みはWindows 10 Mobileにも組み込まれる予定である。

「Wi-Fiセンサー」の設定項目。ユーザーが許可したWi-Fiスポットに対して共有設定を行う

上図の設定項目をご覧になれば分かるとおり、ユーザーが共有するWi-Fiスポットを取捨選択するため、セキュリティ的な問題は発生しない。ただし、共有したWi-Fiスポットはパスワードや位置情報と共にMicrosoftが管理する仕組みも含まれている。これは前述したMicrosoft Wi-Fiの利便性を向上させるために用意したのだろう。

海外旅行者が日本に訪れると「Wi-Fiスポットが少ない」と嘆くように、国内は契約が必要な形態が大半だ。政府も旅行者を対象とした無料Wi-Fiスポットの拡充を進めているが、Microsoft Wi-Fiは、この問題を大きく覆す存在になるかもしれない。