第4章 Windows 10のアプリケーション - 新たなユニバーサルWindowsアプリ~Grooveミュージック/映画とテレビ

さて、ここからは前章で紹介し切れなかったユニバーサルWindowsアプリをいくつか取り上げていこう。「Grooveミュージック」と「映画とテレビ」は文字どおり楽曲や映像を楽しむためのアプリケーションだ。まず前者はローカルストレージやOneDriveに保存した楽曲をリストアップし、再生するというWindows 8.xの同名アプリケーションと同じである。

「Grooveミュージック」の基本機能はWindows 8.xの同名Windowsストアアプリと同じだが……

当初は機能的な制限も多く、微妙な評価を下さざるを得なかったGrooveミュージックだが、2015年7月の公式ブログで、急遽アップデートに関するアナウンスを行い、それまでローカルストレージの楽曲のみ再生可能だったのが、OneDriveとの統合機能や、iTunesで購入した楽曲(MP3のみ)の再生も可能になると言う。さらに同じMicrosoftアカウントでサインインしたWindowsデバイスやXbox、Webでも再生可能。近い将来にiPhoneやAndroidデバイスでも再生可能になるそうだ。

英語版「Groove Music」のウェルカム画面。日本語版では同様の演出を確認できなかった

もっともOneDriveはバックグラウンドで常にファイルを同期するため、Grooveミュージックから見ればオンライン・オフラインファイルの違いはない。筆者が確認した限りではOneDriveからのストリーミング再生が行われている形跡もないため、OneDriveのサポート自体は目新しい機能とは言えないだろう。一方の"iTunesで購入した楽曲"はMP3形式に限ると公式ブログでも述べているように、DRM保護したファイル(m4a形式)は認識しなかった。

また、当初サポートは見送られるのかと思っていたXbox MusicはGrooveミュージックに改称した時点で参照可能になった。以前、英語環境のWindows 10 Insider Previewで同アプリケーションを起動したところウェルカム画面もまったく異なり、その雰囲気の違いに驚かされたことを思い出す。

iTunesで購入した楽曲(m4a形式ファイル)をOneDriveフォルダーに置いてみたが、Grooveミュージックは検出したしなかった

<ストアで音楽を取得>ボタンをクリックすると、Windowsストアの<ミュージック>タブが開く

そもそも音楽関係機能は日米で異なる。Microsoftは以前から9.99ドル/月のサブスクリプションで多くの楽曲を聴けるXbox Music Passサービスを22カ国で展開しているが、そこに日本は含まれない。こうした定額制ストリーミング配信は日本国内で展開するのが難しいのかと言えば、Apple MusicやAWA、LINE MUISCなど定額制音楽配信サービスは拡大中である。残念ながら音楽サービス面でもAppleやGoogleといった他の企業の後塵を拝する結果になっているのが現状だ。

Grooveミュージックの設定画面。現時点で設定項目はあまり多くない

正直なところWindows 10のGrooveミュージックは"楽曲を鳴らすだけ、ただそれだけ"である。もちろんアルバムアートや楽曲情報の取得機能も備えているが、Windows Media Playerが備えていた機能のため評価しがたい。また、当初筆者はWindows Media Playerの開発は終了させ、Windows 10への搭載は見送ると予測していたが、GrooveミュージックがCDのリッピング機能などを備えていないためか、そのまま残されている。また、Windows 10はApple losslessやFLACに対応しているため、Grooveミュージックでも再生可能。Windows Media Playerはリッピング時の設定項目を拡張している。

Windows 10でもWindows Media Playerは顕在。ただしバージョンは11と基本性能は変わらない

CDリッピング時の形式としてALAC(Apple lossless)やFLACが加わった

一方の映画とテレビは、Windows 8.xの「ビデオ」をユニバーサルWindowsアプリ化したものだ。こちらは<ストアで映画とテレビを取得>をクリックすると同じように「ストア」が起動し、同名のタブで映像コンテンツの購入やレンタルが可能になる。

「映画とテレビ」を起動した状態。ミュージックと同じくローカルストレージの動画ファイルを列挙する

<ストアで映画とテレビを取得>をクリックすると「ストア」の同名タブが開く

そういう意味では目新しさはないが、MKV(Matroska Video File)に対応したのは大きな変更点だ。MKVは映像や音声、字幕といったデータを1ファイルにまとめるコンテナ形式の1つであるため、コーデックの構成はWindows 8.xと比べて大きな違いは確認できない。レジストリ上ではvideo/x-matroskaとしてコンテンツタイプを定義していたが、Windows 10を本格的に使うユーザーは、これまでと同じく好みのメディアプレーヤーをインストールするのが確実のようだ。