第4章 Windows 10のアプリケーション - 新標準WebブラウザーとなるMicrosoft Edge その1

Microsoftが満を持してリリースする新Webブラウザー「Microsoft Edge」。Internet Explorerのファーストリリースが1995年8月だから、約20年ぶりの刷新となる。Internet ExplorerのHTMLレンダリングエンジンであるTridentを捨て、新エンジンEdgeHTML(もしくはEdge)を搭載することで、Mozilla FirefoxやGoogle Chromeと同等以上のパフォーマンスを実現した。まずはその存在からリリースまでの流れを追いかけよう。

2014年末から2015年初頭にかけて、海外のニュースサイトではProject Spartan(開発コード名)の存在を取り上げていたが、その時点ではWindows 10に対応する新Webブラウザーという触れ込みだった。Microsoftがその存在を明らかにしたのは2015年1月21日に開催した「Windows 10: The Next Chapter」である。当初からユニバーサルWindowsアプリとして開発し、Windows 10およびWindows 10 Mobileでの動作を想定したプログラムだ。

「Windows 10: The Next Chapter」で発表した当時のProject Spartan(後のMicrosoft Edge)

拡張に次ぐ拡張で収拾が付かなくなったInternet Explorerとは対照的に、シンプルさとWebページに直接書き込めるWebノート機能、そしてCortanaとの連動を"売り"にしていた。我々がProject Spartanに触れることができたのは、2015年3月30日にリリースしたWindows 10 Technical Preview ビルド10049である。

Windows 10 Technical Preview ビルド10049上で動作するProject Spartan

Microsoftは新たな「EdgeHTML」と「MSHTML(Trident)」両者をWindows 10で使用可能にしている

Microsoftは、Project SpartanでレガシーなWebサイトにアクセスした場合、必要に応じてTrident、EdgeHTMLとHTMLレンダリングエンジンを切り替える"デュアルレンダリングエンジン"を搭載しているため、ユーザーが用途に応じてWebブラウザーを選択する必要はないと説明していたが、後に撤回した。ちなみにWindows 10にもInternet Explorerは残っている。これは後方互換性を維持するために残しているのだろう。その後ビルド10158で現在のMicrosoft Edgeに改称した。

Windows 10上で動作するInternet Explorer 11。バージョンはWindows 10のビルド番号に合わせているが、大きな変化は確認できない

F12開発者ツールで確認すると、既定のドキュメントモードはEdge(HTML)を選択している

さて、EdgeHTMLはどの程度の性能を備えるのだろうか。そんな疑問に答えるため、Octane 2.0JetStream 1.0.1を用いてJavaScriptのベンチマークを行った。機材はSurface Pro(Intel Core i5 4GB 128GB-SSD)を使用し、Octana 2.0は3回測定した結果の平均値を採用している。また、Internet Explorer 11は開発者ツールでドキュメントモードを「11」に変更し、比較対象のWebブラウザーとしてMozilla Firefox 38.0.5とGoogle Chrome 43.0.2357.130を使用した。

Octane 2.0のベンチマーク結果

JetStream 1.0.1のベンチマーク結果

結果はご覧のとおりMicrosoft Edgeが、Mozilla FirefoxやGoogle Chromeをわずかながらに上回る結果となった。JetStreamは途中でInternet Explorerがハングアップしたため計測不能としたが、Microsoft Edgeが主体となるのでご容赦頂きたい。いずれにせよ、"遅い"と言われることが多かったInternet Explorer(Trident)を捨て、Microsoft Edge(EdgeHTML)を選択したのは正しい判断と言えるだろう。