第4章 Windows 10のアプリケーション - 新たなユニバーサルWindowsアプリ~天気/マップ

何かの新聞記事で読んだのだが、スマートフォン用アプリケーションの使用頻度でランキング上位に入るのが天気予報だと言う。かく言う筆者もWindows 8.1ではスタート画面に「天気」のタイルサイズを「大」に変更し、外出日はライブタイルの内容を事前に確認している(アプリケーション自体はあまり起動しないのだが……)。

その天気予報アプリケーションだが、Windows 10が備えるユニバーサルWindowsアプリはデザインを刷新し、ひと目で見た際の情報量を大きく増やした。初回起動時は地域設定を行うは従来どおりだが、アプリケーションが起動すると当日や1週間の天気予報に加えて、24時間の温度変化や日の出日の入りなど各情報が示される。

「天気」を起動した状態。当日の天気を背景画像として表示する機能は引き継ぎ、多くの情報をひとまとめにしている

以前はスクロールさせなければ参照できなかった「過去の気象データ」もハンバーガーメニューに並べ、多くのユーザーが不要に感じていた「スキーリゾート」は廃止。そして新たに、天候に関する記事を閲覧する「ニュース」が加わっている。記事を眺めると日本国内の台風状況記事をピックアップするのは理解できるが、米国のヨセミテ公園や蛾の異常発生でサッカーの試合時間が変更するといった、首をかしげるような記事も取り上げていた。なお、プレビュー版で確認していた気象レーダーのオーバーレイ表示などを行う<地図>タブは含まれていない。

天候に関する報道記事を読める「ニュース」。各地の天候や台風など各種記事をピックアップしている

「天気」の設定には、固定地域やGPS/Wi-Fiなどを用いた現在位置の天候を取得する設定項目が用意されている

また、Windowsストアアプリ版は"お気に入り"で管理していた地域設定は、Windows 10が位置情報の利用を一歩推し進めたことで、設定ページ<常に現在地を検出する>という項目が加わっている。執筆時点ではモバイルデバイスにWindows 10をインストールしていないため、動作や利便性を語ることは難しいが、地下の喫茶店など外界と遮断した環境で今の天候を知る際は便利に使えそうだ。

Windowsストアアプリの「天気」におけるライブタイル。今にして思えば文字情報が多い

ユニバーサルWindowsアプリの「天気」におけるライブタイル。当日を含めた5日間の天気予報をアイコンで示し、視認性が高まっている

さて、ユニバーサルWindowsアプリは、現在開発中のWindows 10 Mobileと共通のアプリケーションとなり、スマートフォンにおける地図アプリケーションは重要な存在のため、Windows 10にも「マップ」が用意されている。しかし、その完成度は先行するGoogleマップはおろか、当初は奇妙な情報が多くて苦笑されたAppleマップにも劣るのが現状だ。

まずは下記に示した図をご覧頂きたい。一方はアプリケーションをそのまま起動した状態。もう一方は地図を傾けて回転させた状態だ。ご覧のとおり道路や施設、行政区画の名称も一緒に傾いてしまっている。これは名称情報がテキストではなく、ビットマップデータとして一緒に処理しているからだろう。このような問題は他の地図系アプリケーションで目にすることは少ない。

ユニバーサルWindowsアプリ「マップ」を起動した状態。これだけ見ると通常の地図アプリケーションに見える

地図を傾けて回転させると各施設名称も追従するため、地図として使い物にならない

この問題は以前のプレビュー版でも問題視されていたが、今の今まで改善される気配はなかった。なお、日本の地図に対する問題なのかと思いきや、やはり想像どおり。米国サンフランシスコに移動してみると、前述した問題は何も発生しない。さらにWindows 10には地図データをオフライン環境でも利用可能にする「オフラインマップ」という機能を備えている。こちらはWindows Phone 8.1の機能をそのまま組み込んだものだが、執筆時点で日本の地図データを用意していない。

カリフォルニアのサンノゼを表示させてみると、道路名や施設名は水平を基準に表示している

Windows 10のオフラインマップ機能に、日本の地図データは含まれていない

Microsoftと日本の地図データを提供するゼンリンが、どのような契約を行っているか知る由もないものの、少なくとも2015年7月29日の時点で使い物になると思わない方がいいだろう。あくまでも個人的感想だが、MicrosoftはWindows 10の開発に人員を割き、OS上で動作するアプリケーションのブラッシュアップを後回し、もしくはローカライズ作業を軽視している印象を拭い切れない。

2014年に発表した3Dオブジェクトが使用可能になったものの、日本の建造物は含まれていない