第4章 Windows 10のアプリケーション - 新たなユニバーサルWindowsアプリ~メール/カレンダー

いまやメールやスケジュール管理はWebサービスで行う方が大半だと思うが、あくまでもローカルアプリケーションで管理したいと考える方も少なくない。しかし、Windows 8.xの「メール」と「カレンダー」は全画面表示かつ、必要最小限の機能にとどめていたため、それほど使いやすいという印象は持てなかった。それに比べるとWindows 10の両アプリケーションは日常使用に耐えうる内容に仕上がっている。

まず共通して言えるのは3ペイン構成のデザインだ。前節で紹介した「ミュージック」などと同じハンバーガーボタンもしくはメニューを使うスタイルだ。先ほどはUI面まで語れなかったが、このユニバーサルWindowsアプリに共通したUIデザインは実に分かりやすい。狭いデスクトップ領域ではそれなりに、広いデスクトップ領域なら視認性を高められるからだ。

ハンバーガーメニューを展開した2ペイン状態。メールの差出人や内容の要約が並ぶ

ウィンドウサイズを広げると3ペインに切り替わり、メールの内容も同じように閲覧できる

さて、肝心のメール新たなタッチ操作としてスワイプによるアクションを実行できる。送受信したメールを左方向にスワイプすると削除、右方向にスワイプするとフラグの付与が可能になる仕組みだ。なお、マウス操作時はドラッグ&ドロップになるため、その際は右クリック時に現れるコンテキストメニューからアクションを選択する。このあたりの機能はスマートフォンのメールアプリケーションを参考にしたのだろう。

マウス操作時は右クリックでメールに対するアクション(削除など)を実行する

タッチ操作時はメールを左右にスワイプすることでアクションを実行できる

メール作成に関してはWordライクな機能を備え、文字の加工はもちろん表や画像の挿入文章校正も可能になった。Microsoft OfficeのOutlookを使っていた方には使いやすいだろう。ただし、これらはすべてHTMLメールとなり、テキスト形式メールを選択するオプションは用意していない。この点は賛否が分かれるところだが、セキュリティの脆弱性などからHTMLメールを無効にする相手には意図した内容がすべて伝わらない点に留意すべきだ。

<書式>タブでは文字の加工やインデント、箇条書きなどを指定できる

<挿入>タブでは画像や表、ファイルなどを挿入できる。なお、表を追加した場合は<表>タブが加わり、セル設定などが可能になる

<オプション>タブではフラグ設定や校正機能を利用できる

「メール」に限らず「カレンダー」にも共通する機能として注目したいのが、サポートアカウントの充実だ。従来のOutlook.comやExchange(Office 365)、POP3/IMAP4に加えて、GoogleやiCloudアカウントをサポートしている。ご存じのとおりGoogleアカウントやiCloudアカウントはメールやカレンダー、TODOなどをアカウント内で管理しているが、それらの情報もメールおよびカレンダーで使用可能だ。

「メール」「カレンダー」がサポートするアカウント一覧。GoogleやiCloudアカウントのサポートに喜ぶユーザーは少なくないはずだ

筆者は普段Googleアカウントのカレンダーで自身や家人のスケジュールを共有管理しているが、同アカウントを有効にしたところ共有しているカレンダーの一部しか取り込ず、Googleアカウントを再登録しても結果は同じである。さらにiCloudアカウントを追加したところ、同期オプションでメールのみ選択できなかった。筆者の設定やアカウント側の問題、もしくはアプリケーション側の実装が追いついていないのか分からないが、技術的問題であれば今後解決するだろう。

Gmailなど各アカウントに有効にした状態の「カレンダー」。複数のカレンダーを表示した状態

iCloudアカウントを追加したが、メールの同期のみ有効にできなかった

ただ、残念なのはカレンダーに目を見張る機能がないという点だ。基本的な機能はWindows 8.xの同アプリケーションと変わらないため、トースト通知などによる予定報告は便利だが、アプリケーションを起動してスケジュール管理を行う機会はスマートフォンにかなわないだろう。このあたりはWindows 10 Mobile搭載デバイスの登場を待って判断したい。