第4章 Windows 10のアプリケーション - 管理方法が大きく変化したアプリとストレージの関係

長年PCを使ってきた方ならご承知のとおり、データの保存先は悩みどころの1つだった。プロパティダイアログに<場所>タブを設け、ドキュメントなど一部のフォルダーを任意の場所にリダイレクトする機能を搭載したのはWindows 7からである。さらに同OSはライブラリ機能を備えることで、その自由度を高めていたのは記憶に新しい。

しかし、アプリケーションのインストール先変更は難しかった。「%ProgramData%」フォルダーや「%ProgramFiles%(%ProgramFiles(x86)%)」フォルダーに縛られているため、基本的にホストドライブ(=Cドライブ)に展開するのが常である。レジストリを編集することで回避できる部分もあるが、多くのユーザーにそれを求めるのは酷だろう。

加えて近年はSSDの普及により、HDDに比べてホストドライブの容量を気にする必要が増えてきた。いくら手動でアプリケーションを別ドライブに展開しても、「%APPDATA%」や「%LOCALAPPDATA%」といったユーザーファイルや設定ファイルなどを保存するフォルダーの移動も非常に手間がかかるため、こちらも現実的ではない。

これらの不満をまとめて改善する機能がWindows 10に加わった。それが「設定」の「システム\ストレージ」である。文字どおりデバイスに接続したストレージを管理するための設定項目として、現在の使用状況を棒グラフで示す仕組みを備えた。以前からドライブのプロパティダイアログにも使用状況を示す円グラフを用意していたが、こちらの方が直感的に思える。

「システム\ストレージ」の内容。使用中のストレージに対する使用状況が棒グラフで示される

こちらはドライブのプロパティダイアログ。Windows 8.x以前と比べて円グラフが小さくなった

また、各ドライブをクリックすると、その使用状況を色別に示すページに切り替わる仕組みだ。下図は別PCの「ストレージ使用量」だが、「システムと予約済み」が25Gバイトと大部分を占めていることから、「%SystemRoot%」フォルダーに代表する各フォルダーや、回復パーティションなどを含んでいると推測する。動作を検証したところ、各カテゴリーをクリックすると詳細ページに切り替わる仕組みだった。

ストレージの占有状態をカテゴリーごとに示す機能が加わった。デスクトップPCのUXとしては少々ものさみしいが、Windows 10 Mobileと共通であることを踏まえると致し方ないだろう

さらにクリックすると詳細な内訳が示される。「システムファイル」がどのフォルダーを参照しているか確認する術は用意していない

上図のとおり「システムと予約済み」には、「システムファイル」「仮想メモリ」「休止ファイル」「システムの復元」が含まれると言う。「アプリとゲーム」は「%ProgramFiles%」「%ProgramFiles(x86)%」フォルダーの合計値が約2.78Gバイトだったことから、それらのデータを含んでいると予想してクリックすると、内訳ではなく「システム\アプリと機能」が開いた。

「アプリとゲーム」をクリックすると開く「システム\アプリと機能」。このあたりの名称は今後統一されるのだろうか……

よいタイミングだから合わせて説明しよう。「アプリと機能」はWindows 8.x以前の「プログラムと機能」に相当し、アプリケーションのアンインストールなどを管理する箇所だ。こちらも棒グラフでストレージ占有量を示し、ユニバーサルWindowsアプリやデスクトップアプリに関わらず、アンインストールできる。検索ボックスを使えば表示内容を絞り込み、サイズや名前、インストール日時による並び替え、そしてストレージの切り替えが可能だ。

ここで最初の「システム\ストレージ」に戻ろう。「場所の保存」には、「新しいアプリの保存先」などカテゴリーごとに展開先となるストレージの選択が可能になっている。そのため、文章ファイルや音楽データだけではなく、新たにインストールするアプリケーションもリムーバブルドライブに逃がすことが可能だ。

インストール済みのアプリケーションを別のストレージに移動させるような設定項目は見当たらないため、残念ながらホストドライブの容量が足りなくなってから対応するのは難しそうだ。しかし、PCに詳しくないエンドユーザーでも簡単な操作でアプリケーションの展開先を変更できるのは長所に数えていいだろう。