第3章 Windows 10のUI/UX - 作業効率を向上させる仮想デスクトップ その1
筆者が最初に仮想デスクトップをWindows 10に搭載すると言う"噂"を聞いたのは、2014年中頃だった。改めて述べるまでもなく仮想的なデスクトップを用意し、作業内容に応じてデスクトップを切り替える「仮想デスクトップ」は決して目新しいものではない。Microsoftが今さらアピールするのもおかしな話だと一笑に付していたが、ふたを開ければ本当に実装したのである。
そもそもMicrosoftのWindows開発チームは、Windows XP時代に「Virtual Desktop Manager」という仮想デスクトップツールをPowerToys XP editionsの1つとしてリリースしていた。だが、続くWindows VistaやWindows 7に同ツールや同等機能を実装せず、Windows 8.xに至っている。あくまでも筆者の想像だが、Unix系OSのデスクトップ環境や、OS Xの「Mission Control(Expose+Dashboard+Spaces)」に影響されたと思われる。
さて、Windows 10のデスクトップ環境を一言で評価すると、"仮想デスクトップは便利だが作り込みが甘い"というのが筆者の感想である。その理由は後回しにして、まずは機能の概要から説明しよう。タスクバーの<タスクビュー>ボタンを押すか[Win]+[Tab]キーを押すと仮想デスクトップの切り替え画面に切り替わる。ここで<新しいデスクトップ>ボタンを押すか、[Win]+[Ctrl]+[D]キーを押せば新たな仮想デスクトップが加わる仕組みだ。なお、各ショートカットキーは下記にまとめたので参考にしてほしい。
アプリケーションを起動した状態で仮想デスクトップの切り替え画面に入ると、各アプリケーションのサムネイル(縮小画面)が画面中央に並ぶ。このサムネイル部分を右クリックすると、コンテキストメニューには<移動><閉じる>と2つの項目が並び、前者からは別の仮想デスクトップが移動先として選択できる。また、ドラッグ&ドロップで別の仮想デスクトップに移動することも可能だ。なお、仮想デスクトップの切り替えは[Win]+[Ctrl]+[←(→)]キーで直感的に切り替えられる。
ここで気付くのが操作の非連続性だ。例えばマウスやタッチ操作であれば、筆者の提言は間違っているだろう。だが、キーボードショートカットで仮想デスクトップの切り替え画面に入った際、アプリケーションを別の仮想デスクトップに移動させる手段がないのである。実際には矢印キーや[Tab]キーが使用可能だが、筆者が確認した限りで望む様な手順は見つからなかった。
確かに仮想デスクトップという概念も決して簡単ではなく、PC/タブレット初心者に対して複雑な操作性を提供するのはリスクがある。しかし、フォーカスがあたるウィンドウを[Win]+[Shift]+[←(→)]キーなどで移動できてもよかったのではないだろうか。この点を持って筆者は"作り込みが甘い"という先の感想につながるのだ。
あくまでもWindows 10の仮想デスクトップは異なるデスクトップではなく、アプリケーションの表示領域を拡大したものと捉えるべきだ。例えば仮想デスクトップ1はWordやExcelなどの作業用、デスクトップ2はMicrosoft Edgeなどを用いた情報収集というように、作業内容に合わせて使い分けるのがベストだろう。



