第3章 Windows 10のUI/UX - タスクバーに加わった検索ボックス

Windows 7のデスクトップと比較してWindows 10が大きく異なるのは、検索ボックスの存在だ。本来であれば音声パーソナルアシスタントのCortanaを呼び出すための存在だが、2015年7月29日の時点で同機能提供するのは、米英の英語 / 簡体字中国語 / ドイツ語 / フランス語 / イタリア語 / スペイン語の7カ国語。日本語はInsider Previewで数カ月内にテストが始まる予定だ。

Windows 10で日本語を選択している場合、Cortanaは使用できない

表示言語を英語に切り替えるとCortanaが動作する。早く正式版になってほしいものだ

Cortanaは音声検索以外にも、ユニバーサルWindowsアプリ「地図」と連動する地図情報の管理、TODOリストなど文字どおりユーザーをアシスタントする機能も備わっているが、表示言語として日本語を選択している場合、これらも使用できない。使えない機能を紹介してもしかたないので今回は見送り、日本語がサポートされたタイミングで改めて別記事を寄稿する予定だ。

コンテンツはアプリケーションと連動し、シームレスな操作が可能になる

ビルド10240リリース直後はBingニュースが表示されていた

KB3074686をインストールしたあたりから、図のようにニュースの類は表示されなくなった

さて、「7月29日」時点の検索ボックスは文字どおり、ローカルおよびインターネットの検索機能が中心となる。ご承知のとおりMicrosoftは以前から、ローカルとインターネットの垣根をなくす試みを行ってきたが、そのポリシーはWindows 10でも顕在だ。検索ボックスに任意のキーワードを入力すると、ローカルのアプリケーションや設定項目、ファイルなどを検索結果として示している。これらの仕組みはWindows 8.1と同等と考えてよさそうだ。

キーワードを入力すると、アプリケーションや設定、ファイルといった検索結果を示す

この表示エリアは固定されているため、多数の検索結果を一度に表示することはできない。そのため、「自分のコンテンツ」「ウェブ」という2つの項目を用意している。後者は検索キーワードをBingに渡し、Microsoft Edgeで検索するというもの。前者は表示エリアを拡大し、ローカルやOneDrive上のユニバーサルWindowsアプリ / 設定 / ファイル類の検索を実行する。

「ウェブ」をクリックした状態。Microsoft EdgeでWeb検索を実行する

「自分のコンテンツ」をクリックした状態。ローカルやOneDriveの検索結果を大きく表示する

一見すると表示結果が狭く分かりにくいという印象を持ってしまうだろう。筆者も当初は同じである。だが、各カテゴリーの横に「すべて表示」というリンクを押すと、そのカテゴリー内でマッチした検索結果だけを絞り込んで表示できるため、想像以上に不便ではない。また、「分類」や「表示」で検索結果の絞り込み表示も選べるため、複雑なキーワードであれば、検索結果が多すぎて困るという場面は多くなかった。

「~件をすべて表示」をクリックすることで、そのカテゴリーに類する検索結果だけ表示できる

「表示」のドロップダウンリストからカテゴリーを選択して、検索結果を変更することも可能だ

他方で気になるのがユーザビリティ(使用性)である。以前のようにファイルサーバ上のファイルを検索する際に、Windows 10の検索ボックスが使いやすいとは言えない。話は少々脱線するが、Microsoftはそれまで単独リリースしていたデスクトップ検索アプリケーション「Windowsデスクトップサーチ」を、Windows Searchという名称でWindows Vistaに実装した。事前にインデックスを作成して全文検索を可能する機能である。

しかし、その検索範囲はローカルに制限され、Linuxや*BSDをOSとしているNAS(Network Access Server)上のファイルは対象外。オフラインファイル機能を利用する手もあるが、同じだけディスク容量を消費するため、NASにファイルを置く意味がない。MicrosoftはWindows Desktop Search: Add-in for Files on Microsoft Networksというツールをリリースしたが、対象OSはWindows Vistaまで。加えて64ビット版は存在しない。

そのような背景からWindowsの全文検索を効率的に使用するには、Windows Serverが必要だった。この点に関して筆者は長らく不便に感じ、現在はWindows Serverで構築したファイルサーバに仕事関係の資料をすべて保存している。

冒頭から述べているWindows 10の検索機能も同様のインデックス情報を用いて検索を行っているものの、タスクバーの検索ボックスが対象としているのは前述のとおりローカルディスクおよびOneDriveのみ。検索対象にLAN上の共有フォルダーを加える術は今のところ見つかっていないのである。

この回避策だが、以前と変わらずエクスプローラーの検索ボックスを使うだけだ。あらかじめ検索対象となるフォルダーを開いて検索するだけでよい。サーバ側で作成したインデックス情報を参照し、従来どおり全文検索が行える。

Windows Server 2012 R2上で事前にインデックスを作成した状態から検索を実行。ご覧のとおり全文検索も行える

ちなみに検索機能に対してWindowsは、[Win]+[F]キーや[F3]キーといったショートカットキーを割り当ててきたが、Windows 10は動作が異なる。まず前者はチャームの廃止により同じショートカットキーは使用不可能。後者はアクティブな状態によって動作が異なり、エクスプローラーがアクティブな状態ではそちらの検索ボックスに、デスクトップを一度クリックした後はタスクバーの検索ボックスにフォーカスが移動する仕組みだ。そのため検索ボックスは[Win]+[S]キーで呼び出すのが正解のようである。なお、Cortanaを呼び出す[Win]+[C]キーは前述の理由で使用できない。