第3章 Windows 10のUI/UX - トースト通知履歴を参照するアクションセンター
Windows 8.xは通知機能として「トースト通知」を実装した。ユーザーに対する一時的なメッセージを発信するための機能だが、過去を振り返ればテキストボックスなどの「バルーン」や通知領域の「バルーンヒント」と手を変え品を変えて、ユーザーに各情報を通知してきたことを思い出す。
だが、トースト通知は一定時間が経つ消えてしまい、再び参照する術もないため、低い評価を与えられてきた。この反省からトースト通知の内容をさかのぼる「アクションセンター」を搭載したのである。
当初Microsoftは、"Windows Phone 8.xの通知センター機能を取り込んだ"と説明していたように、プレビュー版のビルド9926はアクションセンターの下部にWi-FiやVPN、Bluetoothといったネットワーク機能オン/オフに加えて、ディスプレイの回転や明るさなどを制御するタイルを加えていた。
そこからビルドを重ねるごとに完成度を高め、現在のアクションセンターに至っている。なお、アクションセンターはディスプレイの右端からスワイプで現れるが、[Win]+[A]キーで呼び出し可能だ。
アクションセンターの機能を紹介する前に、もう1つ過去を振り返りたい。そもそもWindowsがアクションセンターという呼称を用いるようになったのは、Windows 7以降である。そのWindows 7/8.xのアクションセンターも元をたどれば、Windows XPおよびWindows Vistaの「セキュリティセンター」である。
当時のマルウェア攻撃に苦慮したMicrosoftは、当初の予定を変更してWindows XP Service Pack 2のセキュリティ強化を試みた。その際に加わったのがセキュリティセンターである。Windows Vistaではウイルスをのぞく、スパイウェアやマルウェアを対象に駆除を行うWindows Defenderを用意し、OSの保護環境を強化した。
そしてWindows 7はOSのメンテナンス機能を加えてアクションセンターに改称。Windows 8.xも踏襲しているが、Windows 10は通知機能を核とするアクションセンターを加えたため、コントロールパネルの"アクションセンター"は「セキュリティとメンテナンス」に変更している。機能的にはWindows 8.x以前のアクションセンターとほぼ同等だ。
さて、Windows 10のアクションセンターに話を戻そう。使用期間が短いため、どのような内容が通知範囲となるかすべて確認し切れていないが、メールの着信や更新プログラムの適用、バックアップの実行などが通知履歴として残されていた。また、初期のプレビュービルドで発生していたタブレットモードへの切り替え通知は含まれない。ここで各タイルの機能も紹介しよう。ただし、お使いのハードウェア構成によって現れるタイルは異なる。
タイル表示部分の開閉状態だが、プレビュー版はサインアウト時にリセットしていた。だが、今回確認したところ再サインイン後は開閉状態後も維持し、使い勝手は向上している。正直デスクトップPCでこれらのタイルを変更する場面は決して多くない。しかし、外出先のタブレットでは有益な機能となりそうだ。
なお、アクションセンターに関する設定は「システム\通知と操作」で実行する。「クイックアクション」は表示領域を折りたたんだ状態で表示するタイルを選択し、「通知」は文字どおりトースト通知に関する動作の有無を制御。そして「次のアプリからの通知を表示する」にはアプリケーション名とスイッチが並んでいる。
これらを踏まえると、一定のルールに沿ったアプリケーションはトースト通知を発するようだ。また、アプリケーション名の下には「オン: バナー, サウンド」と並んでいる。アプリケーション名をクリックすると、設定は別画面に切り替わり、バナーの表示や効果音の有無を選択できる。このあたりは既存のスマートフォン系OSやWindows Phoneのよいところを取り込んだのだろう。
ただ、Windows 10のアクションセンターおよびトースト通知には、通知内から直接応答する機能を備えている。例えば何らかのユニバーサルWindowsアプリ経由でメッセージが送られてきた際、その内容はアクションセンターに現れ、ユーザーは直接返信できるとMicrosoftは説明した。このような場面にも使えることを踏まえると、アクションセンターの可能性はユニバーサルWindowsアプリの充実度とアイディア次第で広がりそうだ。









