第2章 Windows 10のインストール&アップグレード - 古いPCでWindows 10は使えるか

MicrosoftがWindows 10のシステム要件を初めて明らかにしたのは、前述したWinHEC 2015である。この時点ではUEFI(Unified Extensible Firmware Interface) 2.3.1や800×600ピクセル以上の解像度と説明していたが、後に解像度は1,024×600ピクセル以上(WSVGA: 約16体10のワイドSVGA)に変更した。

2015年3月時点の最小システム要件。ディスプレイ解像度は後に変更している

こちらが2015年6月時点の最小システム要件。基本的にWindows 7やWindows 8.1と大差はない

WSVGAと言えばネットブックなどが採用した規格だが、"Windows 7時代のPCがそのまま使えるか"と問われれば疑問が残る。例えばCPU(プロセッサ)。Microsoftは64ビット版をインストールする場合、「プロセッサがCMPXCHG16b、PrefetchW、LAHF/SAHFをサポートしている必要がある」と説明している。これはWindows 8.1のシステム要件と基本的に同じだ。

これらのCPU命令は主にHyper-Vを実行する際に用いるが、Windows 10インストール時に「システム要件を満たしていない」というメッセージが現れることを踏まえると、事前に確認しておく必要がある。こちらはSysinternalsのCoreinfoを使えばよい。

「Coreinfo」を展開し、コマンドラインから「coreinfo | findstr "CMPXCHG"」と実行。アスタリスク(*)が付けば、お使いのPCはCMPXCHG16bをサポートしている

同様にコマンドラインから「coreinfo | findstr "LAHF"」と実行。こちらもLAHF/SAHFのサポートを確認できた

同じくコマンドラインから「coreinfo | findstr "PREFETCH"」と実行すれば、PrefetchWのサポート状態を確認できる

上図のようにCoreinfoでプロセッサ情報を表示させれば、お使いのPCが64ビット版Windows 10をインストールできるPCか確認できる。もっともMicrosoftが提示したシステム要件はあくまでも"最小"であり、Windows 10のインストールを保証する最低限のハードウェア構成だ。

長年Windowsを使ってきた方なら、"最小システム要件の2倍以上は必要"であることを肌感覚で身に付けておられるだろう。64ビット版Windows 8.1が快適に動作するデスクトップPCであればWindows 10も問題なく使えるが、Windows 7のリリースは2009年10月であることを踏まえると、当時のPCをお使いの場合Windows 10へのアップグレードは注意しなければならない。

ただし最新のPCでも、Windows 10が備えるすべての機能を使えるわけではないことを頭に入れておこう。例えばCortanaの使用要件としてMicrosoftは「高品位マイクロフォンアレイや対応するデバイスドライバ」を挙げている。もちろんWindows 10アップグレード登場時点で日本語版CortanaはWindows Insider Program参加者にも公開されていない。そのため、ノートPC内蔵のWebカメラ用マイクで十分なのか否かは判断するのは難しいだろう。

生体認証でサインインするWindows Helloも、「Windows生体認証フレームワークをサポートする特殊な赤外線照射カメラや指紋リーダー」が必要だ。加えて赤外線照射カメラは"顔認識または虹彩(こうさい)検出用"と定義付けられ、Microsoftは2015年3月の時点でIntel RealSense 3D Camera(F200)などをサポートすると公式ブログで述べていたが、2015年6月時点ではIntel RealSense DCM(Depth Camera Manager)のバージョンアップ待ちとなっている。

なお、Intelは2015年7月17日に同社のRealSense 3Dを搭載するPCとして、Acer Aspire V 17 Nitroなどの10機種がWindows Helloに対応していると発表した。今後は同デバイスを内蔵するノートPCなども増えていくのではないだろうか。なお、デスクトップPCの場合、執筆時点では「Intel RealSense Developer Kit」を購入することで虹彩(こうさい)認証が利用可能になる。

Windows Helloの生体認証カメラとして期待が集まる「Intel RealSense 3D Camera」。「Intel RealSense Developer Kit」を購入すればデスクトップPCなどでも虹彩(こうさい)認証を試せるという