フォルダ参照を軽減する「ライブラリ」

UIを前提とする場合、Windows OSの特徴を大きく表わすのがエクスプローラの存在である。Windows 95から導入されたマイドキュメントフォルダは、ユーザーが作成したデータを格納するための特殊フォルダだが、Microsoftの調査結果によると「\Data1」など独自フォルダを作成するユーザーが多く、マイドキュメントフォルダを使用するユーザーは約半数だと言う。もちろんユーザーが固定フォルダに縛られる必要はないが、Windows 7では、よりマイドキュメントの活用方法を高めるため、「ライブラリ」という概念を搭載した。

同機能は複数のフォルダを仮想フォルダとして束ねるもので、例えばドキュメントライブラリには、ユーザーフォルダのマイドキュメントフォルダと、パブリックのドキュメントフォルダが登録されており、ドキュメントライブラリからは、各フォルダに格納されているファイルを参照できるというもの(図22~23)。

図22: Windows 7のライブラリ機能。ドキュメントや画像、音楽、動画と使用頻度の高いカテゴリーが初期ライブラリとして登録されている

図23: プロパティダイアログから特定のフォルダをライブラリに登録することも可能だ

複数のフォルダをライブラリに登録している場合、単独のローカルフォルダを開くよりも若干は遅くなるものの、その差は微々たるもの。なぜパフォーマンスダウンが発生しないのかと言えば、Windows 7自体が、Windows Search 4.0と同等のエンジンを搭載し、ライブラリに追加されたフォルダを自動的にインデックス対象に加えることで、先の問題を回避しているからだ。詳しくは後述するが、ライブラリの導入により、これまで煩雑だったファイル管理はより便利になることは間違いないだろう。