30代になると仕事内容や職場環境に慣れてくる人も多いでしょう。しかし、仕事や職場に慣れてきたからこそ人間関係の問題だったり、仕事が合わないと感じたり、仕事内容と給与額が見合っていないなど不満も見えてくることもあります。
ただし、ここで勢いにまかせて仕事を辞めてしまうと、そのあとの転職先が決まらずブランクだけが伸びてしまう可能性もあります。仕事を辞めるとしても適切なタイミングを計ることが大切です。
本記事では、まず30代で仕事を辞めたいと思う理由を紹介し、その後、転職するか・しないかの判断基準から、30代の転職事情、会社に残ると決めた人の気持ちの切り替え方法について解説します。
仕事を辞めたいと考えた時、どちらの選択をするのが正解ということはありません。この記事の内容を参考の一つにし、自分に合ったベストな選択をしてください。
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30代で仕事を辞めたいと思う6つの理由
厚生労働省が発表した「令和3年上半期雇用動向調査結果」によると20代から50代までの離職率は以下のようになります。
年代 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
20代 | 20代前半(20~24歳) | 15.5% | 17.2% |
20代後半(25~29歳) | 9.8% | 10.5% | |
30代 | 30代前半(30~34歳) | 6.3% | 8.7% |
30代後半(35~39歳) | 4.9% | 7.7% | |
40代 | 40代前半(40~44歳) | 4.0% | 5.7% |
40代後半(45~49歳) | 3.6% | 5.8% | |
50代 | 50代前半(50~54歳) | 2.9% | 5.8% |
50代後半(55~59歳) | 4.3% | 5.4% |
30代の転職は20代に次いで、多いことが分かります。つまり30代で仕事を辞めたいと考えることは珍しいことではありません。
30代で仕事を辞めたいと考えるきっかけは、主に以下の6つがあげられます。
- 昇給・昇格の低さ
- 仕事への熱意の低下
- 体力的な問題
- 職場の人間関係
- 家庭と仕事の両立のハードさ
- やりたいことが別にある
それでは、30代が感じる仕事を辞めたい理由について1つずつ紹介していきます。
先に辞めるか・辞めないかの判断基準が知りたい方は「辞める?残る?後悔しない3つの判断基準」から読み進めてください。
昇給・昇格率の低さ
30代になると、会社の中でもベテラン・中堅として扱われ責任が増えていく人も多いのではないでしょうか?通常、昇給や昇格は仕事の責任に比例して行われていくため、30代にもなれば新人の時よりも昇給・昇格しているのが一般的です。
しかし、それが叶わない会社も存在します。
例えば、後輩が入社し通常業務に加え、後輩の育成や仕事の割り振り業務が増えたり、後輩がミスをすれば指導不足を注意される立場になったにもかかわらず、役職だけ見れば同じ一般社員であり給与もあまり差がないという場合があります。
そうなると、結果的に責任だけが重くのしかかり、一方でモチベーションは下がっていくため、仕事を辞めたいと考える人が出てくるようです。
中小企業庁が発表した「2020年版中小企業白書」によれば、平均的な賃上げ料は1.9~2.1%となっています。現在の年収が300万円で昇給率が2.0%だとすると、以下のように昇給していく計算です。
年次 | 月収 | 年収 | 年間昇給額 |
---|---|---|---|
現在 | 250,000円 | 3,000,000円 | – |
1年後 | 255,000円 | 3,060,000円 | 60,000円 |
2年後 | 260,100円 | 3,121,200円 | 61,200円 |
3年後 | 265,302円 | 3,183,624円 | 62,424円 |
この表を見てわかるように定期的に昇給していくと年収300万円の場合、3年後には年収が318万を越えていることが分かります。
あくまで平均的な昇給率での計算のため、企業の所属する業界や仕事のハードさによって変わるため一概には言えるわけではありませんが、現職場で適切な昇給が行われているか同業界や同程度の仕事の企業を参考に確認してみると良いかもしれません。
仕事への熱意の低下
仕事への熱意が低下してしまうことも、仕事を辞めたくなる原因の一つになります。
20代の頃は、新入社員として右も左も分からず、先輩社員から注意されながらも一生懸命に仕事を覚えてきたという人も多いのではないでしょうか?しかし、30代になり一通りの仕事にも慣れると新しく覚えることもほとんどなくなり、ルーティンで1年を過ごし気が付いたら年末がきているという場合もあります。
なんでもそつなくこなせるようになった反面、繰り返されるルーティンに仕事への情熱が薄れてきてしまう人も少なくありません。そのため、20代の頃のように新しいことをしたいという気持ちが大きくなり「仕事を辞めたい」という思いに繋がるようです。
体力的な問題
体力の変化により仕事を辞めたいと考える人もいるようです。人の体力は、常に同じではなく年齢や心身の状況によっても変化していくため、現状の体力と仕事内容が自分に合わなくなってしまう場合があります。
会社内で職種を変更できたり業務内容を調整できたりすれば、仕事を辞める必要はありませんが、会社によってはそれが難しい場合もあります。自身の体力に合わない仕事量を続けると、業務の効率が下がり、悪くすると心身に支障をきたす可能性も考えられるでしょう。
職場の人間関係
仕事内容や給与に不満がなくても仕事を辞めたくなることはあります。その大きな原因の1つとしてあげられるのが、職場の人間関係です。
性格が合わない人がいたり、ハラスメントを受けたり、飲み会が多く職場のコミュニケーションにになじめなかったりなど人間関係が上手くいかない理由は様々です。
多くの仕事場では毎日、同じ人と顔を合わせ仕事をするため、良い人間関係を築けないと日々ストレスが溜まっていきます。そうなるとせっかくやりがいのある立場になっても、仕事がしづらく結果も出しにくくなるために退職を考えてしまうようです。
家庭と仕事の両立のハードさ
家庭と仕事の両立はとてもハードで、家庭のことをしながら仕事をこなすのは、簡単なことではありません。そのため、体力的にも精神面的にもきつくなり仕事を辞めて家庭のことに集中したいという人もいます。
特に、子育ても加わると時間にゆとりがなくなってしまうという人も少なくないでしょう。また、30代の親は定年を迎えた世代が多く介護が必要になってくる場合もあります。介護への対応は想像以上に大変で、働きながらでは対応できず退職をする人も多いようです。
このように、30代における生活環境(ライフスタイル)の変化が、会社を辞めたいという気持ちに繋がると考えられます。
内閣府の発表した「令和3年版高齢社会白書」によると、平成28年10月から1年間で介護を理由にした離職者数は99.1千人います。その中でも女性の離職率は全体の75.8%を占めています。
やりたいことが別にある
仕事以外にやりたいことや挑戦したいことがあるなど、ポジティブな理由で仕事を辞めたいと考える人もいます。現在は、副業を認めている企業も増えてきています。
しかし、本格的にやりたい、専念したいとなると仕事を辞める必要が出てくるでしょう。ただ、やりたいことだけで生活が回るとは限らないため、夢や希望だけを頼りに仕事を辞めるのは注意が必要です。

仕事を辞めたいと感じている時は、「やりがい」「環境」「報酬」の3つ項目について考えてみると良いです。
3つとも満足している状態を作ることは難しいですが、うち2つが満足ではあれば、転職意向は低い(または転職すべきではない)。2つが欠如すると転職意向が高い(または転職を検討すべき)状態になると考えています。
辞める?残る?後悔しない3つの判断基準
ここまで「仕事を辞めたい」と思う主な理由を紹介してきました。しかし、実際に自分のことになると辞めるべきか会社に残るべきか悩むところだと思います。
このとき、ただ漠然と考えるだけでは判断を誤る可能性があります。きちんとした判断基準をもち決断することが大切です。ここでは、選択を後悔しないための判断基準を紹介していきます。
- なりたい自分の姿が実現できそうか
- 5年後に自分が活躍している姿を想像できるか
- 笑顔で過ごしている自分が思い浮かぶか
1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.なりたい自分の姿が実現できそうか
まず考えてほしいのは、仕事を続けることで「将来こうなりたい」という理想の自分になれるかということです。
例えば、将来小説家になりたい人がいたとします。実現するには執筆するための時間が必要です。しかし、現状は毎日残業で帰宅後は倒れるように就寝、休日は体を休めることで終わってしまいます。そうなると「小説家」という理想の自分にはなれないので、何かしらの対策が必要ということが分かります。
ただしこの際、選択肢は「仕事を辞める」だけではありません。仕事を辞めずに時間をつくる方法や、作品を作り出す方法をアナログからデジタルにし効率化するなど、幅広く選択肢を考えることが大切です。
自分自身がひとりの人間として、どうなりたいか想像してみましょう。
- 一般社員から役職者になりたい
- あたたかい家庭を持ちたい
- 社長になりたい
- いろいろな職種に挑戦してみたい
- 仕事とプライベートのバランスを取って、穏やかな時間も作りたい
具体的になりたい姿を想像し、その自分になるためには今のまま仕事を続けていいのか、別の道を探した方がいいのか様々な選択肢を考えてみましょう。
2.5年後に活躍している姿を想像できるか
次に判断基準にしてほしいのは、5年後の自分の姿です。
5年後というのは、会社を辞めたとしても、続けたとしてもある程度の時間が過ぎ、落ち着いている時期になります。このタイミングの姿を考えることで、よりリアルな将来の自分を想像することが可能です。
例えば、役職に就き活躍したいと考えている人の5年後を想像してみましょう。5年あれば役職に就くのは無理な目標ではありません。しかし、現状を見回してみると上の役職が詰まっていて、さらに彼らの退職はまだ先の話…となると現職場では5年後に役職に就き活躍するイメージは難しくなります。
そうなれば、現職場は自分に合わない職場ということになるので「役職付き入社」のチャンスがありそうな求人を探してみたほうが良い可能性が出てくるでしょう。
理想だけでなく、職場の現状や自分のスキルを考えながら、リアルな5年後をイメージしてより近づける道を探すことが大切です。
3.笑顔で過ごしている自分が思い浮かぶか
判断基準の中でも特に大切にしてほしいのが、笑顔で過ごせる自分が思い浮かぶか、ということです。
笑顔で仕事している自分が想像できないのであれば、たとえなりたい自分に近づけたり自分が活躍できたりしそうな仕事だったとしても、その仕事は考え直した方が良いでしょう。
もちろん仕事は楽しいことばかりではありません。しかし、ずっと我慢して働くのは精神的によくありません。最悪の場合、心を病んでしまう可能性もあります。反対に笑顔で過ごす自分を想像できるのであれば、仕事が少し大変であっても満足している部分が大きいということです。
笑顔の自分を想像できない時は、理由を考えてみましょう。職場の人間関係や仕事への重圧、体力的な問題、様々な理由が考えられます。もしかしたら仕事とは関係のないところに理由を見つけるかもしれません。
以上が「仕事を辞めるべきかどうか」の判断基準となります。続いて、これらを深く考えないまま勢いで辞めるとどんなリスクがあるのか見ていきましょう。






転職はあくまで手段ですので、自身の価値を高めるための努力をした上で次の環境を見極めることが大事です。
また次の会社で何を成し遂げたいかを明確にした上で決断しないと、同じような悩みを抱え、転職を繰り返し、ジョブホッパーになりかねないので注意する必要があります。
転職を考えている場合、今の会社を辞めることで不満や希望が解決できるという確信を持てるかという点が1つの判断基準となります。
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仕事を勢いで辞めて失敗した事例
仕事を辞めたいと感じる時は、何かしらの問題が起きた場合が多いです。
- 上司に嫌味を言われた
- トラブルの責任をなすりつけられた
- プライベートで事件が起きた
トラブルが発生すると、平常心でいるのが難しくなりがちです。しかし、ここで勢いに任せて退職してしまうと後悔する可能性が高くなります。前項で紹介した3つの判断基準を無視して、突き進んだ結果、失敗してしまった事例をいくつか紹介していきます。
- 転職先にも同じように合わない人がいた
- 次の転職先が見つからない
- 事業を始めたものの、うまくいかない
- 結婚を機に退職したら離婚することになった
- 役職ありだったのに、転職後は平社員になった
詳しく見ていきましょう。
転職先にも同じように合わない人がいた
上司や同僚と馬が合わないという理由で辞めたら、転職先にも同じように合わない人がいたという失敗です。これは、勢いで辞めた人が陥りやすい失敗ではないでしょうか。
どの職場でも自分とそりが合わない人が1人や2人はいる可能性が高いです。まずは冷静になって自分や合わないと感じる人を分析することが大切です。
- どこが「合わない」と感じているのか
- その溝は埋めることができないのか
- 埋められないとすれば、どのような業界へいけば遭遇しないのか
また、自分の中だけでなく身近な人に相談し第三者の意見を聞いて気持ちを整理するのも良いでしょう。自分に合わない人がいるたびに、仕事を辞めるのは大変です。
次の転職先が見つからない
その場の勢いで仕事を辞めるということは、次の転職先が決まっていないということになります。転職先は、必ずしもすぐに見つかるとは限りません。
次の仕事がないということは収入がないので、貯蓄などを切り崩して生活を送ることになるでしょう。収入がないと貯蓄が一方的に減っていきます。そうすると、貯蓄に余裕があっても不安な気持ちが大きくなり、内定が出たからと本心では希望していない企業に就職してしまう可能性があります。
その結果、自分に合わないから仕事を辞めたのにまた、自分に合わない仕事をすることになってしまうのです。場合によっては、現職よりも条件が悪い仕事に転職してしまう可能性もあります。
勢いに任せて退職する前に、
- どのくらいの金額で生活できるのか
- いまある貯蓄で乗り越えられそうなのか
- 自分の入りたい会社はどのようなところなのか
といったことは考えておきましょう。できるなら、転職先を見つけてから辞めるのが安心です。
事業を始めたもののうまくいかない
仕事を辞めて事業を始めたがうまくいかない、というケースは珍しくありません。うまくいかない理由は様々です。その1つとしてあげられるのが「会社を辞めるために事業を始めた」というケースになります。
例えば、仕事を辞めてイラストを売って生活しようと考えている人の場合を見てみましょう。
- 事業を始めないと辞めるきっかけがない
- できることは何かあるか。イラストが描けるかもしれないと考える
- 事業を始めてみる
- なかなか売り上げは伸びないが、退職しているので収入はない
- イラストもやりたくて始めたわけではないので、精神的にも苦しくなる
会社を辞めるために事業を始める人は、やりたいことではなくできることを仕事にするため、事業が息詰まると精神的に苦しくなり、続けることが辛くなってしまいます。これでは、仕事を辞めても本末転倒です。仕事を辞めたいと思っている人は「なぜ辞めたいのか」を深く掘り下げて考えましょう。
また、事業は失敗すると挽回が大変なため、いきなり仕事を辞めて始めるのではなくまずは仕事と並列してやってみてみるとがおすすめです。
結婚を機に退職したら離婚することになった
結婚を機に退社をしたら、離婚し再就職が必要になったケースです。
「結婚したら退社して家庭に入りたい」と考える人もいると思いますが、勢いで仕事を辞めるのは後悔する可能性があります。夫婦が行き違いで離婚をする可能性や、離婚をしなくても結婚相手が働けなくなったり給与が下がったりする可能性も考えることが大切です。
また一度、仕事を辞めると「ブランクあり」と認識されてしまうことがあるため、再就職しづらくなる場合があります。仕事を辞めずにキャリアを積み重ねた人と比べると、給与や待遇、役職にも差がでてくることもあるようです。
結婚を機に退職するという選択自体が悪いわけではなく、今後のライフプランや自分の可能性をしっかり検討したうえで選択することが大切になります。
役職ありだったのに転職後は平社員になった
転職後、役職などの待遇が変わることは珍しいことではありません。異業種・異職種への転職ならなおさらで、たとえ現職で課長だったとしても、転職先では一般社員になることもあり得ます。
転職し役職がなくなり一般社員になれば、責任が軽くなり今までよりやりがいを感じられなかったり、給与額が減ったりする可能性もあります。
勢いで辞める前に、その役職を手放してまで転職が必要か転職後はどのくらいの仕事に就職できるのか、今一度考えてみましょう。






まだ日本では転職に保守的な考えを持っている企業が多く、在籍期間や転職理由を重視されますので、本当の転職すべき時期なのか、転職すべき理由なのかをしっかり考える必要があります。
30代の転職事情を徹底解説
ここまで、自分が転職するかどうか、おおよそ判断できた人は多いと思います。しかし、30代の転職で以下のような話を聞いたことはないでしょうか。
- 30代の転職は不利である
- 30代での転職は長期戦になる
- 30代で未経験の職種への転職は厳しい
結論から言うと未経験の職種への転職は厳しい部分もあるでしょう。しかし、30代だからといって転職自体が不利になることはなく短期決着も可能です。
30代を求める求人は、一般的に経験者・即戦力を求めている企業が多いです。そのため、未経験での応募となると企業側と希望が合わず不採用になってしまう可能性が高くなります。ただし、未経験の職種への転職が絶対にできないということではないので、やりたい職種であれば根気強く応募を続けていきましょう。
実際の30代転職者の意見について
リクナビNEXTが2005年に実施したアンケートによると、30代で転職をした回答者のうち50.4%の人は「不利だと感じなかった」と回答しています。過半数の30代は転職の際に不利だったと感じていないのです。
また、同じく上記アンケートによると、30代で転職活動を始めた人の6割が3か月以内に転職を決めています。この結果から、30代転職は長期戦になるとは限らないことが分かります。
ただ、年齢に関係なく勢いだけで転職活動をすると希望の結果が得られにくい場合があるので、事前準備をきちんとしてから始めることが大切です。
参考:30代前半の転職って、有利? 不利?|リクナビNEXT
マネジメントが求められる30代後半は要注意
注意したいのが、30代後半の転職です。30代の転職は不利にならないとはいえ、30代後半になるとマネジメントできる人材、つまり管理職のできる人材を求められるケースが多くなっていきます。
そのため、前職で一定以上の成果を上げている人材は採用されなかったり、未経験への転職が厳しくなったりして、転職先が限られてくる可能性があります。
具体的なキャリアプランがあれば別になりますが、そうでない場合はより慎重に転職を検討したほうが良いでしょう。
30代後半で転職に成功する人の共通点
転職先の幅が狭くなるといわれる30代後半も転職に成功している人は多くいます。成功している人の共通点は以下の3点です。
- 事前準備をしっかりしている
- 空き時間を有効に使っている
- 自分の考えをきちんと伝えられる
事前準備をしっかりしている
30代後半からの転職は高いスキルを求められる場合があります。そのため、職務経歴や自分の持つスキルをしっかりとまとめておきましょう。
また、志望動機なども同じ事を話すのではなく、会社ごとに求める人材や会社の理念に合わせて準備し、意欲を見てもらえるようにすることが大切です。
空き時間を有効に使っている
転職に成功している人は、空き時間を有効に使って転職活動を進めています。現在はスマホが使えれば情報収集などはどこでも可能です。通勤時間中や休み時間など少しの空き時間を有効に使い工夫しましょう。
自分の考えをきちんと伝えられる
企業に少しでも自分をアピールするには、自分の考えをきちんと伝えることが大切です。
相手に自分のことを伝えるには、相手のことを知る必要もあります。そのため、まずは応募企業への知識を蓄えることから始めましょう。応募企業のことを知ったうえで、自分自身の思いや考えをきちんと整理することで、転職時の面接でも自分の考えを伝えられるようになります。






転職先の企業が、あなたの何に価値を感じているかをしっかり把握することが大切です。
在籍企業のブランド力やそこでのノウハウ、卒業した大学、勤続継続年数、専門的な知識や経験、業務に向き合う姿勢や忍耐力など様々です。
自身が思う価値と、会社が評価する価値は必ずしも一致していなので、第三者の意見も取り入れながら、分析していきましょう。
30代におすすめの転職活動の方法
30代は、自身の状況に合わせて転職活動のスタイルを変えるとよいでしょう。
忙しい人や転職活動の経験が少ない人は転職エージェントがおすすめ
転職活動をしたくても忙しくて時間が取れない人や、初めての転職で進め方が分からない人は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントなら、キャリアアドバイザーとの面談で希望を伝えておくだけで、条件に合った求人を紹介してもらえます。企業との面接の日程調整や採用条件の交渉も任せることができます。
登録してすぐに転職を始めなければいけないわけではないので、まずは無料のキャリアカウンセリングを受けてみるのも良いでしょう。
30代向けのおすすめな転職エージェントについて知りたい人はこちらの記事をご覧ください。


転職のプロがエージェントの選び方とおすすめのエージェントについて解説したこちらの記事もおすすめです。


自分で企業を選べる人は転職サイトがおすすめ
一方、応募したい企業が決まっている人や、自分の中で企業を選ぶ軸が定まっている人は、自分で求人を探して応募する転職サイトの利用がおすすめです。
転職エージェントと異なり、キャリアアドバイザーとの面談も基本的に実施しないので、自分のペースで転職活動を進められます。
30代向けのおすすめな転職サイトを知りたい人にはこちらの記事がおすすめです。


こちらの記事では転職の専門家がおすすめする転職サイト15選を紹介しています。


会社に残る場合に気持ちを切り替える方法
ここまで転職について詳しく紹介しましたが、会社に残るという選択肢もあります。退職せずに頑張ることを決めた人も立派な決断だと思います。
一度は退職を考えた会社に残ろうと決めたということは、何か辞めないでおこうと思った理由があったのでしょう。
- 給与は不満だけど人間関係は良好
- 一部の社員は苦手だが、それ以上に味方がいる
- やりたいことの実現は在職していてもできると気がついた
今後は、思いとどまるきっかけを大切にしていくとよいでしょう。ちょっとしたトラブルで辞めたいという気持ちが再熱しないよう、定期的にストレス発散することも大切です。ストレス発散は、体を動かしたり静かに読書したり、自分に合ったものを探してみてください。
自分を取り巻く状況は常に変化していくので、一度仕事を辞めないと決断しても変わることはあります。そのためまた、辞めたい気持ちが大きくなる時が来るかもしれません。そんな時は再度転職を検討してみましょう。






会社に残る選択をされるという場合は、転職先に比べてキャリアとして有利な点が見出せていると思いますので、自身のキャリアプランをより明確にして業務に取り組むこと、そして今後のキャリアを上長とも話をして納得した状態で働くことが大切です。
おすすめの厳選転職エージェント5選
ここでは、監修者がおすすめする転職エージェントを厳選して紹介していきます。転職エージェントを最大限活用する為には、以下のポイントがカギを握っています。
- 自分の希望に合ったスタイルの転職エージェントか
- その業界・企業に強みを持っているか
転職エージェントの利用先は、1つでなければいけないという決まりはありません。筆者としては、厳選した3~4社に申し込むことをおすすめしています。
もちろん、やり取りが追い付かないほど申し込むのはよくありません。しかし複数に申し込むことで「この人が一番信頼できる」と比較して選ぶことが可能です。
転職サイト | 求人数 | 利用者数など | おすすめ層 | サービス |
リクルートエージェント | 公開15万6,560件/非公開23万8,007件(2022年1月時点) | 転職支援実績約40万名以上 |
| エージェント |
ビズリーチ | 69,000件以上(2022年1月時点) | 累計導入企業数:約17,100社(2021年7月) |
| 応募・スカウト・エージェント |
dodaエージェント | 公開約120,000件/非公開約40,000件(2022年1月時点) | 転職支援実績約40万名 |
| エージェント |
パソナキャリア | 38,961件(2022年1月時点の公開求人) | 転職実績46万人 |
| エージェント |
JACリクルートメント | 12,280件(2022年1月時点の公開求人) | 転職実績43万人 |
| エージェント |
リクルートエージェント
※画像出典:リクルートエージェント公式HP
・手厚い転職サポートをしてほしい人
・無料でサービスを利用したい人
・幅広い業種から転職先を探したい人
リクルートエージェントの特徴
リクルートエージェントの特徴は、転職支援の手厚さです。各業界に精通したキャリアアドバイザーが希望やスキルに合った求人を厳選して紹介してくれます。また、転職時の提出書類の添削から面接対策などのサポートも充実しています。
リクルートエージェントは、募集企業からの紹介手数料で事業を運営しているため、転職者は全て無料でサービスが利用が可能です。
ビズリーチ
※画像出典:ビズリーチ公式HP
・管理職や専門職の経験がある人
・転職で高額な年収を獲得したいと考えている人
・大手企業や外資系企業の転職を希望している人
ビズリーチの特徴
ビズリーチの特徴は、優良企業や一流のヘッドハンターから直接スカウトが届くハイクラス人材を対象とした転職サイトサービスです。年収1,000万円以上の求人が3分の1以上を占め、経営幹部や管理職などプロフェッショナル人材向けの高額年収求人を多数掲載しています。
基本的には無料で利用が可能です。無料では「プラチナスカウト」のみ閲覧・返信ができ、有料プランになると、全てのスカウトの閲覧・返信、求人の閲覧・応募ができます。
dodaエージェントサービス
※画像出典:dodaエージェントサービス公式HP
・幅広い職種・業界を紹介してほしい人
・転職イベントやセミナーに参加したい人
・LINEなどで気軽にアドバイザーに相談したい人
dodaエージェントサービスの特徴
dodaエージェントサービスの特徴は、転職イベントやセミナーが開催されていることです。「転職したいけどどうやって転職先を決めればいいの?」「転職時の面接を成功させるポイントは?」「転職先の企業の雰囲気を知りたい」など様々な不安や疑問を解決できるイベントやセミナーがオンラインで開催されています。
また、転職をサポートしてくれるキャリアアドバイザーは、強みや条件に合う求人紹介から履歴書・経歴書の書き方、面接のアドバイスなど転職先が決まるまでフォローしてくれます。電話・メールに加えLINEでやり取りをすることもでき、気軽に相談することが可能です。
パソナキャリア
※画像出典:パソナキャリア公式HP
・質が良く幅広い求人情報が欲しい人
・女性ならではの転職サポートのサービスを受けたい人
パソナキャリアの特徴
パソナキャリアは、質の良い求人情報が多いことが特徴です。パソナキャリアを運営する株式会社パソナは、人材派遣事業を行っていたため様々な企業へのパイプがあり厳選した求人を提供できます。
また、女性へのサポートが手厚いです。女性活躍推進コンサルティングチームがあり、女性ならではの要望に沿って転職をサポートしてくれます。
JACリクルートメント
※画像出典:JACリクルートメント公式HP
・海外進出企業や外資系企業に転職を考えている人
・現職が管理職クラス以上の人
JACリクルートメントの特徴
JACリクルートメントは、30代から50代をメインターゲットにした管理職クラス、海外進出企業、外資系企業などハイクラスの転職サポートに特化した転職サービスです。
また、企業と転職者の双方に対し1人のコンサルタントがサポートを行う「両面型」を採用しており、企業と転職者のニーズを深く理解した上で紹介してくれます。
まとめ
ここまで、30代が仕事を辞めたいと感じやすい理由と、そう感じたときにどうすべきか解説してきました。
30代の離職率は32%と20代に次いで多く、「昇給・昇格への不満」「仕事への熱意が低くなる」「体力的な問題」など、30代ならではの悩みが退職を考えるきっかけとなりやすいことが分かりました。
そのようなとき、勢いに任せて退職すると後悔することになりやすいため、以下の3つの判断基準で今の職場に居続けるべきかを考えてみましょう。
- なりたい自分の姿が実現できそうか
- 5年後に自分が活躍している姿を想像できるか
- 笑顔で過ごしている自分が思い浮かぶか
冒頭でも述べましたが、仕事を辞めたいと感じた際に、「辞める」「とどまる」どちらが正解ということはありません。本記事で解説したように、まずは辞めたいと感じた理由を整理して、自分に合ったベストな選択をしてください。