転職活動をしていると「転職軸を決めることが大切」ということをよく耳にします。この記事にたどり着いた人のなかには「転職軸ってそもそも何?」「転職軸をどのように決めたらいいかわからない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
転職軸(転職の軸、転職活動の軸)とは、転職するときに譲れない条件のことです。転職軸を曖昧にしたまま転職先を決めてしまうと、せっかく転職できたとしても「思っていたような職場ではなかった」などと後悔する恐れが出てきます。
本記事では、転職軸とは何か、転職軸となる条件、転職軸を見つけるための自己分析の方法などについて詳しく紹介します。これから転職活動を始める人はもちろん、転職活動中で転職先を決めるのにいつも迷ってしまうという人などもぜひ参考にしてください。
「今の自分の年収は適正なのか?」「他社だったらいくらもらえるのか?」と気になりませんか?無料で簡単に自分の市場価値を知るならビズリーチに登録するのがおすすめ。
スキマ時間に登録しておくだけで、企業からスカウトを受け取れます。スカウトのあった企業の規模や年収で、自分の市場価値を見極められるでしょう。
▼ビズリーチの強みはこちら!
・会員登録するだけでスカウトが届く
・好待遇な求人が豊富
・転職後の平均年収は840〜960万円
口コミでも「思ってなかったような好待遇のスカウトが来た」「転職活動の視野が広がった」との声が多いため、興味がある人は一度登録して、どんなオファーが来るか見てみましょう。
公式サイト:https://www.bizreach.jp/
転職軸とは?
はじめに、転職軸の意味や、初めて就職したときに決めた就活軸との違いについて紹介します。転職軸とはどのようなものであるかを確認してください。
転職をするときに譲れない条件
転職軸(転職の軸、転職活動の軸)とは、転職をするときに譲れない条件のことです。
例えば「残業を減らして家族と接する時間を確保したい」「これまでの経験を活かしてキャリアアップをしたい」「より高度なスキルを身につけてスペシャリストになりたい」「新しい職種に挑戦したい」など、人によってさまざまです。
就活軸よりも具体的
転職軸という言葉を見聞きして、初めて就職したときに決めた就活軸を思い出した人もいるかもしれません。就活軸(就活の軸、就職活動の軸)とは、就職をするときに譲れない条件をいいます。
就活軸は業務経験がないなかで決めるため、どうしても抽象的なものになりがちです。一方、転職軸は業務経験を積んでいるため、「毎週土・日は必ず休みたい」「○○分野の研究開発職になりたい」など、より具体的なものになる傾向があります。
転職軸が必要な理由・転職軸を決めるメリットとは?
転職活動では、なぜ転職軸を決めることが大切なのでしょうか?この章では、転職軸が必要な理由、言い換えれば転職軸を決めるメリットを紹介します。
転職軸を決めると、効率的に就職活動が進められるようになり、書類選考や面接をパスできる可能性が高まります。詳しくみていきましょう。
会社選びの基準になる
転職軸を決めておくと、自分に合う会社と合わない会社を見極められるようになります。自分に合う会社だけにエントリーをすればいいので、効率的に就職活動が進められるようにもなります。
逆に転職軸を決めていないと、自分に合わない会社に内定承諾の返事をしてしまうかもしれません。そうなると入社後にミスマッチを感じ、また転職をしなくてはならない状況に陥ってしまう恐れが出てきます。
会社を辞めるかどうかの判断基準や、転職で失敗しないために知っておきたいポイントについて解説したこちらの記事も人気です。
書類選考や面接の対策になる
転職軸を決めるということは、転職の目的や希望条件を言語化することともいえます。
つまり、エントリーシートの記入や面接の際に「なぜ転職をするのか」「転職によって何を実現したいのか」といった問いにはっきりと答えられるようになるのです。
転職希望者は自分と合う会社に転職したいと考えていますが、会社側も自社に合った人を採用したいと考えています。会社側に転職軸を明確に伝えられれば、ミスマッチが避けられ、書類選考や面接をパスし、内定を獲得できる可能性も高まるでしょう。
転職軸となる条件とは?
どのようなことが転職軸になり得るのでしょうか? この章では、転職軸の条件となる要素を9つのカテゴリー別に紹介します。
カテゴリー | 転職軸の条件となる要素 |
仕事の内容 |
|
収入 |
|
雇用形態 |
|
勤務場所 |
|
休日・労働時間 |
|
福利厚生 |
|
昇給・昇進・異動 |
|
会社組織・経営方針 |
|
職場の雰囲気 |
|
たくさん要素をあげましたが、これらはあくまでも一例で、転職軸となる条件は人ぞれぞれです。そこで、次章で紹介する自己分析を通して、自分が転職によって何を実現したいのかを探っていきましょう。
転職軸の作り方は?自己分析の5ステップを解説
転職軸を決めるときには自己分析が欠かせません。自己分析によって、これまでの仕事の経験やライフスタイルを振り返ることにより、働くうえで大切にしたいことや、自分に向いている働き方を言語化することができます。
転職軸を見つけるための自己分析のステップは次の通りです。ステップごとに詳しく見ていきましょう。
- 転職を決意した理由を書き出す
- これまでの仕事の経験などを書き出す
- キャリアプランを書き出す
- 希望条件を書き出す
- 優先順位をつける
①転職を決意した理由を書き出す
ここで大切なのは、例えば「現職(前職)に不満があったから」という理由が思いついた場合、現職(前職)の何に不満を感じているのか、具体的に洗い出してみることです。
現職の不満を解消したいという理由だけで転職をしてしまうと、転職先でも同じことを感じたときに、また転職をしたくなってしまうかもしれません。つまり転職の悪循環にはまってしまう恐れがあります。
また、現職を退職していない場合は、不満に感じていることを上司に具体的に伝えれば、改善するために動いてくれるかもしれません。現職の問題が解決されれば、転職する必要性はなくなるでしょう。
②これまでの仕事の経験などを書き出す
続いて、これまでの仕事の経験などを振り返ってみます。振り返り方が分からない人は、次の3つを書き出してみましょう。自分の仕事に対する思いをより深く見つめ直すことができるはずです。
- 日々の暮らしのなかで大切にしたいもの、大切にしているもの
- 仕事のなかで成功したこと、失敗したこと、自分が成長したと感じたことなど
- どうしてもやりたくない仕事、苦手な仕事
③キャリアプランを書き出す
キャリアプランとは、どのような仕事や働き方をしたいかを計画することです。
ポジション、収入、資格、スキルなどについて、実際に達成できるかどうかは別として、1年後、3年後、5年後、10年後ごとに目標を設定し、書き出してみましょう。
④希望条件を書き出す
前章で紹介した「転職軸の条件となる要素」を参考にしながら、希望条件を書き出します。「完全週休2日制で、土日・祝日は必ず休みたい」のように、できるだけ具体的、かつ詳細に書き出してみましょう。
⑤優先順位をつける
希望条件を書き出したら、MUST条件とWANT条件とに分類します。
- MUST条件(必要条件):必ず実現したいこと
- WANT条件(十分条件):できれば実現したいこと
分類をしたら、MUST条件とWANT条件のなかでそれぞれ優先順位をつけましょう。
実際に転職軸を使うポイントは?場面別に解説
自己分析をして決めた転職軸はどのように使えばいいのでしょうか? ここでは、転職軸を活用するポイントについて3つの場面別に紹介します。
①エントリー:MUST条件を満たしていたら積極的に応募
エントリーをするときは、MUST条件を満たしていそうな企業であれば積極的に応募してみましょう。
ポイントはMUST条件を完全に満たしている必要はないということです。エントリーの段階でそのことにこだわると、応募できる求人が限られてしまいます。
求人票には書かれていないけれど、MUST条件を満たしている企業かもしれません。「面接のときにMUST条件を満たしているか聞いてみよう」というぐらいの気持ちでエントリーするとよいでしょう。
②エントリーシートの記入・面接
「あなたの転職軸は何ですか?」と聞かれて、「私の転職軸は〇〇です」と答えるだけでは、採用担当者に転職軸を決めた理由や想いが伝わりません。そこで、エントリーシートの記入方法や面接で転職軸を聞かれた場合の答え方のポイントを紹介します。
仕事の内容についての転職軸から話し始める
仕事の内容についての条件から答えると、採用担当者に優先順位が伝わりやすくなります。
例えば「これまでの営業の経験を活かしながら、将来的には海外部門で働きたい」というように答えれば、採用担当者は「まずは営業の仕事に就くことを優先しているのだな」と理解してくれるでしょう。
根拠を付け加える
例えば「人の役に立つ仕事がしたい」のような転職軸は、多くの企業に当てはまるため、採用担当者に「わが社でなくてもいいのでは?」などと思われてしまいます。
「なぜ人の役に立ちたいのか」「どのような人の役に立ちたいのか」「どのように人の役に立つ仕事がしたいのか」といった具体的な根拠を付け加えると説得力が増します。
「SNSを用いたマーケティングに関わりたい」という転職軸であれば、「前職ではマーケティング部門に属しており、SNSについて個人的に研究もしている」などのように自分の強みやアピールポイントを付け加えてみましょう。
また「完全週休2日制で、土日・祝日は必ず休みたい」という転職軸であれば、「こどもがまだ就学前で、平日はパートナーが面倒をみているので、週末は自分が子育てをしたい」のように、エピソードや自分の考えを伝えるのもよいでしょう。
③内定:MUST条件が満たされない場合は辞退
無事に内定を獲得したとしても、MUST条件が満たされない場合は、内定を辞退したほうがよいでしょう。
「せっかく内定をくれたのだから」と無理に妥協してその企業に入社しても、「こんなはずではなかった」という気持ちになってしまい、早期に退職しなければならない事態に陥る可能性も出てきます。
MUST条件は、入社を決めるときには絶対に譲れない条件として決めておくことをおすすめします。
転職軸を取り入れた志望動機の例文
転職軸を志望理由や面接の回答に取り入れる場合、具体的にどのように取り入れるとよいでしょうか?ここでは、志望動機のサンプルを2つ紹介します。
事務職から事務職に転職したい場合の回答例
前職では、データ集計、資料作成、文書管理などを5年間担当してきました。日常的にWord、Execl、Accessなどを使用しており、Accessで在庫管理システムを作成した経験もあります。
ただ、前職は分業化が進んでおり、スキルアップが難しい状況にありました。そこでぜひ御社に転職し、より幅広い業務を経験しながらパソコンスキルを一層磨き、御社に貢献したいと考え志望しました。
事務職から営業職に転職したい場合の回答例
私はさまざまな方の話を伺ったり、お話しをさせていただくのが好きなため、営業職に転職したいと思うようになりました。前職では3年間事務を担当しておりましたが、接客や社員同士のやり取りにおいて円滑なコミュニケーションを心がけておりました。
このような経験は、御社のサービスを多くの方々に広めることに貢献できると考えております。
【Q&A】転職軸に関するよくある質問
最後に、転職軸についてよくある疑問とその答えをまとめました。転職軸について悩んでいるという人は、ぜひ参考にしてみてください。
転職軸は途中で変えてもいい?
転職軸は途中で見直しても構いません。
転職活動をしているなかでさまざまな気づきがあり、「△△△がMUST条件だと思っていたけれど、○○○のほうが優先順位が高いかもしれない」ということもあるでしょう。まずは「仮の転職軸」を決めておき、転職活動をするなかで見直していきましょう。
MUST条件については、入社を決めるまでに絶対に譲れないものとして決めておいてください。
転職軸を決めるときによく耳にする「Will Can Mustの法則」とは?
Will Can Mustの法則とは、自分に最も適した仕事は何かを見つけたり、キャリアプランを設計する際に用いられる、自己分析のフレームワークです。
- Will:やりたいこと、なりたいもの
- Can:できること
- Must:すべきこと
この3つに当たることをそれぞれを書き出して、共通している部分が自分に最も適した仕事であるという法則です。
また、厚生労働省が定めたジョブ・カードを作成するプロセスでも、自己分析を取り入れています。「キャリア・プランを作成する」のページのなかに、「在職者(転職希望)の方」向けの質問票が用意されているので、それを活用するのもおすすめです。
転職軸が定まらない場合はどうしたらいい?
一人で悩まず、誰かに相談してみましょう。専門家であるハローワークの相談員や転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するのがおすすめです。ハローワークも転職エージェントも無料で相談できます。
前職を退職したら、まずはハローワークで失業保険の手続きをしなければならないので、そのときに「転職先を決めることについて相談したい」と受付の人に伝えましょう。職業相談の相談員に取り次いでくれます。ただし、毎回同じ人に相談できるとは限りません。
なるべく同じ人に相談したい、より手厚いサポートを受けたいという人は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するとよいでしょう。
転職エージェントは相談はもちろん、求人紹介、面接対策、条件交渉、エージェントによっては面接同行や、内定後のアフターフォローなどもしてくれます。
おすすめの転職エージェント2選
こちらではエージェントを利用するなら登録しておきたいおすすめの転職エージェントを2つ紹介します。
- リクルートエージェント
- dodaエージェントサービス
リクルートエージェント
※画像出典元:リクルートエージェント公式HP
リクルートエージェントは、求人数が国内No.1の大規模な総合型転職エージェントです。公開求人の多さもさることながら、非公開求人数も豊富なので新たな出会いにも期待できます。
業界ごとに経験豊富なアドバイザーが在籍していることも魅力です。各業界、職種に精通しているため、経歴やスキルの価値を正しく評価してもらえます。
また、転職者に対するサポート体制の充実度は大手ならではなので、50代の転職にも効果的でしょう。
- 国内最大級の求人数のなかから仕事探しをしたい人
- 業界に詳しい人からアドバイスをもらいたい人
- 大手ならではの充実したサポートを受けたい人
リクルートエージェントについて、より詳しく知りたい人はこちらの記事もおすすめです。
dodaエージェントサービス
※画像出典元:dodaエージェントサービス公式HP
doda(デューダ)は、転職求人サイト・スカウトサービスなど、さまざまな転職支援サービスを提供する総合転職サイトです。各サービスは連携しており、併用することによってより効率的・効果的な転職活動ができます。
エージェントサービスでは、非公開求人を含めて約10万件の求人情報を持っています。業界・職種・エリアごとに詳しいキャリアアドバイザーが在籍しているため、自身の希望に合わせたアドバイスを受けられるでしょう。
また、年収査定や合格診断など、「転職するかどうか迷っている」人に役立つツールもあります。ぜひ活用してみてください。
- 約10万件の豊富な情報から自身に適した求人を探してほしい人
- 転職サイトやスカウトサービスを併用して効率的に転職したい人
- 年収査定や合格診断といったツールを利用したい人
他にも、おすすめの転職エージェントについては次の記事で詳しく紹介しています。気になる人はご覧ください。
まとめ
転職軸(転職の軸、転職活動の軸)とは、転職するときに譲れない条件のことです。
転職軸を決めておくと、自分に合う企業と合わない企業を見きわめられるようになり、効率的に就職活動が進められるようになります。また、転職の目的や希望条件が明確になり、書類選考や面接をパスできる可能性が高まるでしょう。
逆に転職軸を決めていないと、自分とは合わない企業に入社してしまい、辛い思いをしたり、早期に退職をしなければならなくなるかもしれません。そうならないためにも、自己分析をして転職軸を決めておく必要があるのです。
「転職軸を決めるのは難しい」と感じた人もいるかもしれません。そのような場合は、一人で悩みや疑問を抱えずに、ハローワークの相談員や転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談しましょう。ハローワークも転職エージェントも無料で利用できます。最初は「仮の転職軸」でも構いません。転職軸を決めて理想の転職先を探しましょう。