20~30代の人は転職を考えることが最も多い世代といわれています。しかし、転職をしたいと考えたとき「何がしたいかわからない」「自分を活かせる適職がわからない」と悩む人も多いのではないでしょうか。
このような状態で転職先を決めてしまうと、自分が本当にやりたい仕事やキャリアの形成、かなえたいプライベートなことが実現できず、転職したことを後悔したり、再び転職活動をしなければならなくなってしまいます。
本記事は、やりたい仕事がわからない20代~30代の転職希望者に向けて、適職の探し方を紹介します。
あわせて、なぜ転職で何がしたいかわからないのか原因を探る方法や、おすすめの資格、相談先などについても解説します。ぜひ参考にしていただき、自分の適職の探し方を知ったうえで、理想の転職を成功させましょう。
何がしたいかわからない状態での転職はNG?
結論からいうと、何がしたいかわからない状態での転職はおすすめできません。なぜなら以下のような問題が出る恐れがあるためです。
- 転職活動の際の目的が定まらない
- 転職で妥協してしまう
- 転職活動が難航してしまう
- 転職をしてみたら職場が合わなかった
以下でどのような問題か生じるか解説します。
転職活動の際の目的が定まらない
転職して何がしたいかわからない状態だと、転職活動で最も大切な目的が定まらないまま、転職活動を始めることになってしまいます。
「とりあえずこの会社に転職できればいい」といった考えで転職を決めてしまい、転職後に後悔する可能性が高くなるといえるでしょう。
転職活動の目的とは、例えば「定時で帰って自身の時間をしっかり持ちたい」「ゲーム会社で働きたい」「今の職場より年収UPさせたい」といった内容です。このような具体的な目的がないと、何を優先してどのような業種・職種で働きたいかが決められません。
転職活動が難航してしまう
自分が何がしたいかわからない状態であると、転職活動に時間がかかかる恐れがあります。
これは、狙うべき業種や身に着けるべきスキルがわからず、業種や会社を絞り込むことができないためです。膨大な転職先候補をひとつひとつ検討して転職活動をしないといけなくなるため、時間が無駄にかかってしまうでしょう。
転職活動が長引くと、前職とのブランクがキャリアに影響したり、収入面でも懸念が出る恐れがあります。
転職をしてみたら職場が合わなかった
何がしたいかわからないまま安易に転職を決めてしまうと、職場が合わなかったと後悔することになりかねません。自分に合わない職場で働き続けるのはつらいものです。また転職を繰り返してしまう可能性も高まります。
さまざまな職種や職場で、広い知識や経験を積みたいという目的を持って転職を重ねている人もいますが、よく考えずに勢いで転職を繰り返すことはおすすめできません。
理由が明確ではない転職はキャリアにも悪影響を与えるばかりでなく、面接の際も転職理由を説明しづらくなるなど、転職活動自体が不利な状況に陥ってしまうでしょう。
転職で何がしたいかわからない人の原因
転職における希望や目的がわからない人は、以下のような原因が潜在的に隠れていることが多いです。一度自問自答して原因を明確にしましょう。
- 自己分析が足りていない
- 転職そのものが目的となっている
- 転職での失敗に慎重になり過ぎている
それぞれの原因を以下で詳しく解説していきます。
自己分析が足りていない
そもそも何がしたいかわからないということは、自己分析が足りてないのが原因である場合が多いです。自分の強みや、大事にしたいことを客観的に把握できていないと、このような状態に陥りがちです。
「なんとなく今の仕事が合わない」「うまく言えないが上司との相性がよくない」などと感じてしまうときは、その理由が何なのか自分に問いかける時間をとったほうがよいでしょう。
転職そのものが目的となっている
転職で何がしたいかわからないという人のなかには「とにかく転職したい」「転職をすれば成功できる、変われる」などと、転職すること自体を目的化している人も少なくありません。
特に現職で苦労をした人は、転職願望だけが膨らんでしまっている状態になりがちです。転職=ゴールではなく、「このようになりたいから転職したいする」のように発想を転換しましょう。
とにかく現職を辞めたいと考えている人は、次の記事も参考にしてください。

転職での失敗に慎重になり過ぎている
不安から何がしたいかわからない状態になっていることもあります。「自分は活躍できる人材ではない」「転職に失敗したらどうなるのだろう」など、不安や焦りが大きいため、前向きな目的にフォーカスできないのです。
このようなときは、転職エージェントのキャリアアドバイザーなどに相談するのがおすすめです。
心配ごとや正直な気持ちを打ち明け、客観的・専門的な視点からのアドバイスを聞くことによって、気持ちが落ち着き、自分の将来像を描くことができるようになるでしょう。
おすすめの転職エージェントを紹介したこちらの記事もあわせてご覧ください。

転職したいときに考えるべきポイント
転職で何がしたいかわからないときはまず、落ち着いて自己分析をすることが大切になってきます。その際に考えるべきなのは、以下の4つのポイントです。
- なぜ転職したいのかを自問自答する
- 自分の「やりたいこと」と「やりたくないこと」を知る
- 転職してどのように働きたいか考える
- 将来的に何をしていたいか考える
以下で各ポイントを詳しく解説します。
なぜ転職したいのかを自問自答する
まずは原点に戻り、なぜ転職したいという思いに至ったのかを振り返ってみましょう。
例えば「現職では自分のスキルを評価してもらえない」という不満があるとします。これが理由とすると、転職先に求めるものは、能力重視で評価してもらえる職場であるということになります。
また、「何となく仕事が合わない、つまらないから転職をしたい」と思っている人もいるでしょう。
その場合はどうしてそう思ったのか「なぜ?」を5回繰り返して考えてみます。具体的に何がつまらないのか、やりがいを感じることは具体的に何なのかを探ってみることで、転職の軸が明確になるでしょう。
このように転職したい理由が転職先に求める条件につながることも多くあります。
自分の「やりたいこと」と「やりたくないこと」を知る
自分が仕事をするうえで「やりたいこと」と「やりたくないこと」も知っておくことが必要です。自分の好き嫌いや得意・不得意のなかに希望条件のヒントが隠れています。
現職で日々何の業務をしていてやりがいを感じるか、やりがいを感じなくとも苦労を感じることなくできる業務は何なのかなどを、下記のようにメモやノートに書き出すとよいでしょう。
自分のやりたいこと・できることを分析する
まず紙を用意し、自分がやりたいことを書き出します。具体的にやりたいことがわからない人は、楽しかったことを書き出しても構いません。
- やりたいこと……「エンジニア職につきたい」「年収○○○円を目指したい」など
次に希望ではなく、自分が他の業務と比べて苦労せずにできることを書き出します。現職で自分がスムーズにできると思う業務、得意とする事柄です。
- できること……「チーム作業や進行が得意」「黙々とデータ入力するのは苦にならない」など
自分がやりたくないこと・できないことを分析する
続いて、自分がやりたくないこと・できないことを書き出します。
- やりたくないこと……「デザイナーはやりたくない」「営業職はやりたくない」など
- できないこと……「外部対応がある仕事はできない」「細かい数字をチェックするのがどうしても苦手」など
自分がやりたくないことや、できないことを言語化することで、それらを転職条件の候補から除外できるようになります。
転職してどのように働きたいか考える
転職をしたらどのような就労環境で働きたいでしょうか。自分はどのように働きたいか、長く続けていけると感じる働き方についてイメージしながら、働き方について望むものも洗い出してみましょう。例えば、次のようなことがあげられます。
- オフィスで集中して働きたい
- テレワークで場所を選ばず働きたい
- フレックスタイム制で自由に働きたい
- 出勤時間を短くして時間を有効活用したい
- 海外赴任・外資系で語学を活用したい
増えている働き方の選択肢
近年では働き方改革の影響もあり、多様な働き方ができるようになりました。なかでも、自宅からリモートワークやフレックスタイムを活用して、よりプライベートを大切にできる働き方に注目が集まっています。今まで仕事に時間を取られて、プライベートが損なわれていると感じていた人にはおすすめの働き方といえるでしょう。
一方、自宅外で働くほうが集中できる、仕事がやりやすいと思う人もいます。そのような場合は、オフィスで働くことはもちろん、カフェや作業スペースでのモバイルワークをしたり、サテライトオフィスで仕事がしたい、ということを希望条件にあげておくとよいでしょう。
将来的に何をしていたいか考える
同じ場所で長く働き続けるためには、現在だけではなく将来のことも考えることが重要です。将来転職先で自分はどのような仕事をしているか、どのような生活を送っているか、イメージを膨らませてみましょう。
仕事のビジョンが見えるということは、その仕事を続けられると確信している=自信があるということです。逆に、まったく想像できなければ、ほんとうに転職するべきか、何か引っかかる問題があるからかもしれません。
また、どのような生活を送りたいかが明確になっていれば、それを実現させるための年収や環境など、具体的な目標が見えてくるでしょう。
自分に向いている仕事がわからなくて悩んでいる人は、次の記事も参考にしてください。

いま転職をおすすめできない人の特徴
いますぐに転職すべきではない人もいます。例えば以下のような人です。
- 安定的に働きたい人
- 現職の環境がよい人
- 他の仕事に漠然とした憧れがある人
上記のような特徴に当てはまる人は、転職をするのは少し考え直したほうがいい可能性があります。以下でその理由を詳しくご紹介します。
安定的に働きたい人
転職は、仕事にもプライベートにも、大きな変化をもたらします。安定的に働きたいと考えているのなら、安易に転職をしないほうがよい場合もあります。
転職すると、現職より希望にかなった環境で働けて、その仕事を評価してもらえる可能性があります。しかし、それが必ずかなうとは限りません。むしろ現職よりも悪くなる可能性もあります。
特に、現在安定的に働けていると感じているのであれば、他に転職を急がなけければならない問題がない限り、もう少し様子を見てもよいでしょう。
現職の環境がよい人
現在の待遇や環境が安定している場合も、安易に転職をしてしまうのはおすすめできません。待遇や環境といった面が揃ってよいと感じられるということは、貴重な恵まれた就職先といえるためです。
転職してもこれらの好条件が揃うとは限らず、デメリットのほうが大きくなってしまう恐れもあります。
もし転職をしたいはっきりした理由があれば、現職で望みや悩みが解決しないか検討したり、上司や人事担当者に相談するのがおすすめです。
他の仕事に漠然とした憧れがある人
転職をしたいという人のなかには、しっかりと調査をしないままに、漠然と「○○の業界(または職種)は自分に合っていそう」「△△社は今の会社よりよさそう」という憧れを抱いている人もいます。
それ自体は悪いことではありませんが、それだけで転職を決断してしまうのは危険です。新しい仕事のメリットだけでなくデメリットも確認しないと、「想像と違った」と後悔することにつながりかねません。
例えば「裁量をもって自由に仕事を進められる」会社は魅力的に映りますが、裁量に見合う成果を強く求められることもあります。
ミスマッチが起きるリスクをできるだけ小さくするには、実際に働く人と面談を組んでもらい話を聞く、企業の内情に詳しい転職エージェントに相談するなどが有効です。
転職で何がしたいかわからない!なら資格を取るべき?
資格を持っていれば転職に有利ではないかと考える人も多いと思います。しかし、結論からいうと、むやみに資格を取得することはおすすめできません。まず転職目的を決めてから取り組むようにしてください。
資格を取得するためには、たくさんの時間やお金がかかります。しかし資格を取ったからといって、転職先の仕事で必ず活かせるとは限りません。
転職先で本当に活用できる資格を見きわめ、その資格を活かしてどのような仕事がしたいのか、しっかりとしたビジョンを持ってから学習や転職活動に臨んだほうが、資格取得も転職も成功しやすくなります。
転職で何がしたいかわからない人の相談先
転職で何がしたいかわからないときは、誰かに相談することが大切です。客観的に問題を分析してもらえたり、転職の悩みを解決してもらう方法が見つかることもあります。以下3つのおすすめの相談先を詳しく紹介します。
上司や知り合いなどに相談する
まずは、友人、親類、上司など身近で信頼できる知り合いに相談してみましょう。身近にいる人は、今まで付き合ってきて、性格や、得意・不得意なことなども、客観的に理解してくれているはずです。転職活動をなかでこのような第三者的視点は大事なものです。
ただし、上司や知り合いに守秘義務はありません。また、相談したことで不本意なことが起こらないとも限りません。誰に、どのタイミングで、どのように相談するかは慎重に判断する必要があります。
転職エージェントで相談する
専門家に相談したいということであれば、転職エージェントに登録して、担当のキャリアアドバイザーに相談するのがよいでしょう。
キャリアアドバイザーは転職活動のプロです。何がしたいかわからないといった場合でも、丁寧にヒアリングをしてくれ、その人の能力やほんとうに実現したい潜在的なニーズを顕在化してくれるでしょう。
それだけでなく、ヒアリングの結果に基づいて、自分に合った求人の紹介、書類の添削、面接の対策など、手厚いサポートをしてくれます。転職活動中のささいな疑問や悩みも相談できるので、特に転職経験が少ない20~30代の人におすすめのサービスといえます。
以下の記事では20~30代におすすめの転職エージェントを紹介しています。興味のある人はあわせてご覧ください。


おすすめの転職エージェント2選
こちらでは業界の中でも最大級の案件数をもっている、おすすめの転職エージェントを2つ紹介します。
- リクルートエージェント
- dodaエージェントサービス
リクルートエージェント
※画像出典元:リクルートエージェント公式HP
リクルートエージェントは、求人数が国内No.1の大規模な総合型転職エージェントです。公開求人の多さもさることながら、非公開求人数も豊富なので新たな出会いにも期待できます。
業界ごとに経験豊富なアドバイザーが在籍していることも魅力です。各業界、職種に精通しているため、経歴やスキルの価値を正しく評価してもらえます。
また、転職者に対するサポート体制の充実度は大手ならではなので、50代の転職にも効果的でしょう。
- 国内最大級の求人数のなかから仕事探しをしたい人
- 業界に詳しい人からアドバイスをもらいたい人
- 大手ならではの充実したサポートを受けたい人
リクルートエージェントについて、より詳しく知りたい人はこちらの記事もおすすめです。
dodaエージェントサービス
※画像出典元:dodaエージェントサービス公式HP
doda(デューダ)は、転職求人サイト・スカウトサービスなど、さまざまな転職支援サービスを提供する総合転職サイトです。各サービスは連携しており、併用することによってより効率的・効果的な転職活動ができます。
dodaエージェントサービスでは、208,278件の求人情報を持っています(2023年9月時点)。業界・職種・エリアごとに詳しいキャリアアドバイザーが在籍しているため、自身の希望に合わせたアドバイスを受けられるでしょう。
また、年収査定や合格診断など、「転職するかどうか迷っている」人に役立つツールもあります。ぜひ活用してみてください。
- 約10万件の豊富な情報から自身に適した求人を探してほしい人
- 転職サイトやスカウトサービスを併用して効率的に転職したい人
- 年収査定や合格診断といったツールを利用したい人
ハローワークで相談する
厚生労働省が運営するハローワークに相談するのもおすすめです。
ハローワークは雇用保険の手続きや求人の紹介だけでなく、就職活動に関することや、職業訓練などについても相談ができます。 20~30代の若者や女性に特化した相談窓口を設けているハローワークもあるので、気軽に相談してみましょう。
ただし、ハローワークは毎回同じ人が担当してくれるとは限らないため、同じ人に相談したいというのであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーのほうがおすすめです。
まとめ
転職で何がしたいかわからない場合の多くは、自己分析が足りていなかったり、転職活動そのものが目的化しているなど、準備不足という側面が強いです。また、失敗を必要以上に恐れてしまっていることもあります。
しっかりと自己分析をして、潜在的な不満や悩みがわかれば、そこから逆に自分が転職をして何を求めるかわかるようになるでしょう。そのためにも本記事で紹介した以下のポイントをあらためて復習してみてください。
- なぜ転職したいのかを自問自答する
- 自分の「やりたいこと」と「やりたくないこと」を知る
- 転職してどのように働きたいか考える
- 将来的に何をしていたいか考える
これらを順番に検討し、転職目的を明らかにしてから転職活動を進めていきましょう。本記事を参考にして、理想の転職先で成功するための一歩を踏み出してみてください。
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