ブームは去ったかのようにも感じる「仮想通貨」ですが、その普及は世界中で着実に進んでおり、今後もさまざまなシーンでの活用が期待されています。本連載では、「仮想通貨に興味はあるけれど、なにからどう手を付ければいいかわからない」というような方向けに、仮想通貨に関連するさまざまな話題をご紹介。仮想通貨を2014年より保有してきた筆者の経験から、なかなか人には聞きにくい仮想通貨の基礎知識や歴史、未来像などもわかりやすくお伝えします。

大きな可能性を秘めた新しいフィンテックの仕組み

「仮想通貨全体の普及に貢献するかもしれない新仮想通貨」として、本連載の第6回の記事で「NEM(ネム)」「OmiseGo(オミセゴー)」「Fusion Coin(フュージョンコイン)」を取り上げました。

今回はその中から、新興国の決済インフラとなり得るオミセゴーについて、さらに詳しくご紹介。加えて、フュージョンコインから発展し、金融業界に革命を起こす可能性を秘めているハイブリッド銀行「フュージョンバンキング」の構想と計画についてご紹介します。

ICOの成功事例としても知られるOmiseGo(オミセゴー)

「OmiseGo(オミセゴー)」
単位:OMG
総発行枚数:1億4,024万5,398枚

オミセゴーは、オミセというオンライン決済会社が開発した仮想通貨です。銀行口座を持っていない人でもスマートフォンなどで簡単に送金や決済ができるという特徴があります。

オミセ社の決済サービスは、特にタイで広く普及しており、3分の2のモバイル会社が同社のサービスを利用しているという統計もあります。タイでは、金融庁やマクドナルドのような政府機関と大企業も利用しており、その信頼性は高いようです。日本企業からは、SBIグループやSMBCグループなどがオミセ社に出資しています。

オミセゴーは、ICOによって資金調達されました。ICOについては、第14回の記事をご参考ください。

オミセゴーのICOは、2017年6月27日に行われ、7月14日には仮想通貨取引所で扱われるようになりました。調達金額は約2,500万米ドルです。ICO開始の時点では、1OMG=0.2738米ドルでしたが、7月14日の公開から約3カ月後には1OMG=10.06米ドル前後まで上昇しました。当初の価格の約36倍ですね。

またオミセ社は、タイで資産規模では5番目に大きい商業銀行であるアユタヤ銀行から非公開出資を受けています。アユタヤ銀行からオミセ社への出資には、「東南アジア及び日本にとってのストライプ社(オンライン決済処理ソフトウェアプラットフォーム)のような決済を可能にするものを目指す」という、未来の決済ネットワークにオミセゴーが含まれることを期待しての意図があるようです。

オミセ社の代表は、「OMGプラットフォームを作り上げるために新しいパートナーたちとともに資金を投機することができてとても嬉しく思っています。これによってオープン決済と他の商品と一定の比率で交換できるような未来を促進させられると思っています。さらに、我々の活動をアジア太平洋地域の他の国まで拡大させることができるようになります」と述べています。

オミセ社は、タイの携帯電話会社DTACからオンライン決済事業Paysbuyを買収した後、M&Aにも積極的に取り組んでいます。今後も、アジア圏を中心にさまざまな展開が期待されていますので、オミセ社の成長は仮想通貨全体の普及に貢献するかもしれません。