ブームは去ったかのようにも感じる「仮想通貨」ですが、その普及は世界中で着実に進んでおり、今後もさまざまなシーンでの活用が期待されています。本稿では、「仮想通貨に興味はあるけれど、なにからどう手を付ければいいかわからない」というような方向けに、仮想通貨に関連するさまざまな話題をご紹介。仮想通貨を2014年より保有してきた筆者の経験から、なかなか人には聞きにくい仮想通貨の基礎知識や歴史、未来像などもわかりやすくお伝えします。

ブロックチェーンエンジニアの仕事内容と必要なスキルは?

ブロックチェーンエンジニアの定義はまだ曖昧なところがありますが、「仮想通貨取引所の開発や運営」「独自の仮想通貨開発を行うスタートアップ企業での開発業務」「ブロックチェーンを活用した新規事業での業務」などの業界・業種が考えられます。

必要なスキルは職種によりますが、ビットコイン関連のシステムであれば「C++」や「C#」、スマートコントラクトを活用する業種は「Solidity」、産業用ブロックチェーンの構築であれば「Go言語」「Java」などのプログラミング言語が求められるでしょう。

令和に給与が上がりそうな職種第4位にランクイン

大和ネクスト銀行が行ったアンケート調査の結果、「令和時代に給与が上がりそうな職種ランキング」の3位にはYouTuberが、4位にはブロックチェーンエンジニアが選ばれました(アンケート調査は、2019年3月11日~3月12日の2日間、全国20歳~69歳の男女を対象に実施し、1000名の有効サンプルを集計)。

ブロックチェーンやその技術を活用した仮想通貨はまだまだ新興技術ですから、そもそも開発ができるエンジニアの絶対数が少なく、不足しています。まだネガティブなイメージの強い仮想通貨ですが、法整備は進みつつあり、メガバンクや大手企業などの仮想通貨業界参入も予想されます。

また、既存の事業で仮想通貨やブロックチェーンを活用することも増えるでしょう。普及は着実に進んでいますので、導入案件は今後も増加する可能性が高いです。専門知識や実務経験を持った人材の給与が高騰するのは自然なことですよね。

アメリカの求人トレンドでは圏外から1位に

ビジネス特化型SNSとして知られるLinkedIn(リンクトイン)は、「The Emerging Jobs Report」というレポートで、2018年度のアメリカで著しく求人が伸びている分野をランキング形式で発表しています。

2018年度の結果では、2017年度にランキング圏外だったブロックチェーンエンジニアが第1位となりました。また、アメリカのリクルート会社・Hiredによると、ブロックチェーンエンジニアの平均年収は約16万ドル(約1,790万円)であると言われています。

日本のブロックチェーンエンジニアの平均年収はわかりませんが、エンジニアの求人情報を見ますと年収500~800万円ほどが多いように感じます。アメリカと日本の平均年収の差を見ると、悲しい気持ちになりますね。

ハイブリッドな人材が重宝される

これはアメリカだけではなく、日本でも他国でも同じことが言えるかもしれませんが、複数のスキルを掛け合わせたハイブリッドな人材がブロックチェーン業界で必要とされているようです。「コーディング×マーケティング」「コーディング×デザイン」「コーディング×事業戦略」など、領域をまたいだスキルを磨くと、高い年収を得ることができるかもしれませんね。

仮想通貨の場合、コミュニティマネージャーという職種もあります。独自の仮想通貨の経済圏を作ったり、仮想通貨取引所をコミュニティ化したりするなど、仮想通貨の普及にはコミュニティマネージャーの存在が重要になるかもしれません。

次回は、「金融革命としての仮想通貨」についてご紹介します。

執筆者プロフィール : 中島 宏明(なかじま ひろあき)

1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。
現在は、SAKURA United Solutions Group(ベンチャー企業や中小企業の支援家・士業集団)、しごとのプロ出版株式会社で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
オフィシャルブログも運営中。