では民放他局のイベントはどうなのか。

夏のイベントといえば真っ先にフジテレビを思い出す人が多いだろう。今年は7月25日~8月23日の30日間にわたってフジテレビ本社屋で『お台場ファンライジング~楽しくアガる! 真夏のエンタメ最前線~』が予定されている。

さらに『めざましWANGANフェス~人気バラエティと夏の最強コラボ~』も8月3~9日に豊洲PIT、8月13・14日に東京ガーデンシアターで開催。どちらも開催前の段階では過去のイベントと比べて「アクシデントが起きにくく、批判があがりにくい、ほぼ屋内でのイベント」と言っていいのではないか。

次にテレビ朝日は7月18日~8月23日の37日間にわたって『テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER FES』を開催。番組・音楽・グルメという内容は変わらないものの、これまでの六本木に加えて今年開業した有明の東京ドリームパークとの2拠点開催となった。例年参加者の暑さが指摘されるイベントだが、ここまでは取り立てて対策を打ち出しておらず、多少のあやうさも感じさせられる。

音楽イベントに目を向けると、FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONIC、ROCK IN JAPAN FESTIVALなどの大型夏フェスも、お台場の風物詩となったTOKYO IDOL FESTIVALも、空調エリアや救護体制などの対応こそあるが、まだまだ個人の対策に頼るというベースは変わっていない。真夏に多くの観客を集めることに加えて近年の暑さを踏まえると、もし悲しい事件・事故が起きたら開催そのものが消滅しかねないレベルに見える。

40℃の「酷暑日」なら批判は不可避

スポーツに目を向けると、高校野球の夏の甲子園『全国高等学校野球選手権』は2024年から午前と夕方の2部制を導入。「夏の風物詩として見たい」「学校のスケジュールを変えられない」などの背景から一定の評価を得ているが、それでも「空調のあるドーム球場に変更しろ」などの批判も消えていない。

開催中のサッカーのFIFAワールドカップでは、前後半に1回ずつ3分間の飲水タイムを設けるハイドレーションブレイクが設けられ、称賛が多数派と思いきやサッカーファンを中心に否定的な声も見られる。

その他では、東京ディズニーリゾートなどのテーマパークにとって夏イベントは重要なかき入れ時だけに近年は、日除けやファンなどの設置、ミストスタッフ、涼み体験コーナー、冷水の提供などの対策を重ねてきた。暑さによる閉園(休業)はありえないだけに、対策の真剣度で言えば最も進んでいると言っていいのではないか。

暑さをめぐる今年の動きで物議を醸しそうなのが、4月に気象庁が40℃以上の日を「酷暑日」と設定したこと。これによって、空調のない屋外で、多くの人々が密集し、開催時間が長い夏のイベントは、アクシデント発生時の批判リスクが限りなく跳ね上がった。もしイベント当日が猛暑日を超えて酷暑日になったら、主催者側が一定の対策をしたところで批判は避けられないだろう。

もはや夏に命を守ることもコンプライアンスの1つであり、万が一それが損なわれたとしたら、企業として責任を問われるのかもしれない。関係者にとっては楽しみよりも不安のほうが大きいのではないか。