30日夜、『ザ・イロモネア』のスピンオフ特番『ザ・マネモネア』(TBS系)が放送される。本家『ザ・イロモネア』は2005年スタートの人気特番ではあるが、「モノマネ一本に絞る」という思い切った企画に驚く人もいるのではないか。
とはいえ、テレビ業界におけるモノマネの重要性はここ数年来、右肩上がりの状態が続いている。
フジテレビの『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦』、日本テレビの『モノマネMONSTER』という2大特番に加えて、日曜ゴールデン2時間枠の『千鳥の鬼レンチャン』(フジ系)でモノマネタレントが大活躍。松浦航大が初の“鬼ハードモード”制覇者となったほか、他のモノマネタレントも重用され、千鳥とかまいたちのイジリもあって新たな魅力が引き出されている。
また、今春にスタートしたばかりの『プロフェッショナルランキング』(TBS系)でさっそく「今絶対見るべきものまねランキングBEST20」が特集されたほか、4月には深夜帯とはいえテレビ東京がモノマネ特番を4週連続で放送した。
明らかにモノマネをめぐる状況の変化を感じさせられるが、その背景には何があるのか。業界内で見聞きしたことを踏まえつつテレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。
『なりきりモネア』を17年前に放送
まず『ザ・マネモネア』にふれると、実は「まったく初めての特番」というわけではなく、2009~2010年に『なりきりモネア』というモノマネに近い企画が放送されていた。
ただ、キャスティングを見ると、有吉弘行がデーモン小暮、バナナマン・日村勇紀が志村けん、アンガールズ・田中卓志が江頭2:50、オードリー・春日俊彰が美空ひばり、狩野英孝が出川哲朗になり切ったようにバラエティの人気者が集結。
純粋なモノマネ芸人の出演はごくわずかだったが、今回の『ザ・マネモネア』は、原口あきまさ、キンタロー。、Mr.シャチホコ、ジョニー志村、たむたむらモノマネタレントと、ハナコ、モグライダー、タイムマシーン3号らネタ巧者をミックスした30組45人が出演する。
これは「17年前はモノマネタレントがゴールデンタイムの出演者としては信頼を得ていなかった」が、「時を経てバラエティの人気者に混じって出演できるほど地位が上がった」ということではないか。
次に5月11日に放送された『プロフェッショナルランキング』の「今絶対見るべきものまねランキングBEST20」では新星が次々に登場。モノマネのプロ103人が選んだランキングだけに「“新星の見本市”というイメージで見ていた業界関係者も多い」と聞いた。
驚かされたのが、テレビ東京の4週連続モノマネ特番。瞬間的な芸で競う『明るくなったら秒で笑える!明転ものまねGP』と、禁断のガチンコ歌唱バトル『歌手VSものまね THE刺さり歌』というまったく異なる企画を2週ずつ放送した。
さらに1月31日放送の『モノマネMONSTER』を振り返ると、話題を集めたのは審査員の顔ぶれ。
これまで出場者側だったベテランの栗田貫一、神奈月、原口あきまさ、ホリが名を連ねた。「コンテストでベテランが若手・中堅を審査する」という図式は『M-1グランプリ』をはじめとするお笑い賞レースと同様であり、層の厚さがあってこそできるものだろう。加えてAI審査も導入するなど、時代の変化を感じさせられた。
