救命医たちの葛藤と成長を描くテレビ朝日系ドラマ『クロスロード』(毎週火曜21:00~)で共演する今田美桜と磯村勇斗。これまで幾度も共演を重ねてきた2人は、初対面こそ「兄妹役」として緊張していたというが、8年の時を経て息の合った掛け合いを見せる存在に。
「いつも現場に笑いを届ける」と言われるほど周囲を盛り上げる磯村と、「変わらず笑顔を絶やさない」座長として皆を引っ張る今田。互いを称え合う姿からは、長年築いてきた信頼関係がうかがえる。
今回のインタビューでは、和気あいあいとした撮影現場の裏側に加え、役作りで大切にしていることや、俳優としてぶつかった壁、理想と現実のギャップとの向き合い方についても語ってもらった。作品同様、真摯に仕事と向き合う2人の言葉には、多くの人の背中を押すヒントが詰まっている。
初共演は8年前――初対面の印象は“兄妹”?
――これまで多くの作品で共演してきたお二人ですが、お互い初対面のときのことは覚えていますか?
今田:覚えてない……(笑)。
磯村:そうだよね(笑)。間違いなく他局のドラマなんですけど、現場かな……?
今田:でも緊張していました! それは覚えています。
磯村:僕もです。役柄が兄妹だったので、「これが妹だ」と(笑)。
今田:私も役柄で「兄貴」と呼んでいたので、「兄貴だ!」と(笑)。
――それぞれお会いする前にはどんな印象を持っていましたか?
磯村:とんでもなく目がくりっとしているなというのは、お会いする前から思っていましたが、お会いしても「本当に目がクリクリだな!」と思っていたかも。
今田:(笑)。
磯村:でもあの頃、自分が何をしていたのかも覚えていないです……歳を取ったなぁ……(笑)。
今田:あの時、私も20~21歳くらいだったので、大人になりました(笑)。
今田美桜の変わらない姿勢 磯村勇斗「全く芯がぶれていない」
――共演を重ねたことで見えてきたお互いの一面はありますか?
今田:何度か共演させていただく中でも、今回は特に私と磯村さん、寛一郎さん、泉澤(祐希)さんの4人のシーンが多かったんです。同世代の皆さんといる姿って意外と見てこなかったんですが、本当にムードメーカーなんだなと強く感じました。お茶目な方なのは知っていたんですが、いつも現場に笑いを届けてくださっています。
磯村:笑いのサンタクロースみたいなところはあるかもしれない……。
今田:(笑)。
磯村:今田さんは、8年前にお会いしたときから現場で常に笑顔を絶やさない姿はずっと変わっていないなと思いました。擦れていってもいいほどの働き方をされているのに、全く芯がぶれていないで、変わらずいらっしゃるので素敵だなと思いました。
今回の共演が今までで一番絡みが多く、セリフも芝居の場が今までやってきた作品の中で一番多いと思います。
――現場でのコミュニケーションも今まで以上に多かったんでしょうか?
今田:待っている間とかも本当にたわいもない話をしたりとかしてましたね。
磯村:大体たわいもない話しかしてないです(笑)。ここに寛一郎くんと泉澤祐希がいて、本当にどうでもいい話しかしてないね……会話の内容が出てこないです(笑)。
――4人で集まったときのムードメーカーは磯村さんだったと。
今田:みんなムードメーカーだったかもしれません!
磯村:僕は逆に今田さんが心配だったんです。うるさくないかなって(笑)。男子の小学生みたいな、にぎわいに巻き込んじゃっていたのかなと……今だから聞きたい(笑)。
今田:私は近所のお兄ちゃんたちに会っている感覚でした。そのくらい楽しくお話しさせてもらっていました。
磯村:近所のお兄ちゃん、いい表現ですね(笑)!
“決めすぎない”役作り 作ってきたものを“現場では捨てる”スタンス
――確かにピッタリな表現ですね。また、今回お二人は救命医役。現場で臨機応変な対応を求められるという点では、俳優も同じなのかなと思うのですが、普段から臨機応変に対応するために心がけていることはありますか?
今田:確かに臨機応変さは結構必要になってくる職業でもあるなと思うので大事ですよね。私は、「決めすぎていかない」です。現場でしか見えないことや、行って初めてわかることもたくさんあるので、想像しすぎても実際に行ったら全然違うということもあるんです。現場でやり取りしていくうちに、どんどん生まれる空気を大事にしたいなと思っています。
磯村:僕も一緒です。柔軟さは、臨機応変に対応するために必要な要素だと思いますし、1人で作っているわけではないので、みんなの意見によって、新しいものが生まれたりもする。その瞬間を大事にすることを心がけています。
――役作りの面でも、自分で固めるより、現場で作っていくことが多いですか?
今田:そうですね! それが楽しかったりもするので、それを楽しめる余裕は持っていたいです。ただ、職業となると、所作など練習する必要があるので、そこはやりつつですが、キャラクターの面は現場に入ってみて、皆さんと会話を重ねる中で見えてくることが大きいです。
磯村:僕は、役や作品によって、アプローチの仕方は変わりますが、作ってきたとしても“現場では捨てる”というようなスタンスでいます。
俳優という職業でぶつかった壁とは……
――なるほど。今作では主人公・遥が理想を持ちながら、厳しい現実にぶち当たり、葛藤していく姿が描かれていますが、お二人がこの仕事を始めた当初に、ぶつかった壁や現実を教えてください。
磯村:最初の頃、バラエティ番組に出演した際に勝手がわからなくて、コメント1つにしても、欲しがっちゃったりして、結果全部スベっていくという……そういう経験もしているんです(笑)。そのときに自分はどういう立ち位置で、バラエティ番組に臨んだらいいんだろうと悩んだ時期はありました。
お笑い芸人さんがいらっしゃるので、そこに張り合う必要もないのですが、でも楽しみたいというところで、「自分はどうコメントしたらいいのかな」と考えてしまって、そういう壁はありました。
今田:私は去年、『世界陸上』のアンバサダーや、NHK『紅白歌合戦』の司会をやらせていただき、今までにはない大きな経験をさせてもらって、本当に慣れないことや知らないことがたくさんありました。もともと緊張しいではあるんですけど、ドラマや映画だと生放送はないので、また違う緊張感があって、それをどう乗り越えたらいいのかと悩んだことはありました。
――その緊張はどうやって乗り越えたんでしょうか?
今田:始まったら、もうやるしかない (笑)! ただ、どうせだったら楽しくやり切りたいという思いがあったので、『世界陸上』では事前に選手の勉強など、自分で前もってできる準備はできる限りしていました。
――ありがとうございます。お二人も壁にぶつかった経験があるように、どの職業においても、理想と現実のギャップはあると思うのですが、そのギャップに悩んでいる方にアドバイスなどはありますか?
磯村:現実を乗り越えるから、理想が待っているということだと思うんです。僕は、現実での苦労や目の前にあるタスクをクリアしていくからこそ、自分が思い描く理想があると思っていて、この過程は外からだと見えない。
芸能界もキラキラしていて、有名になれるんだと思うけれど、実際に入ってみたらそこまでの過程がとても長かったり、怒られたりすることもある。ですが、そこをがんばるからこそ理想が手に入る。だから理想は絶対手に入ると僕は思っています。
今田:磯村さん以上の答えが出ません(笑)! 理想がこうだったけど、現実をがんばっていると違う発見もあったりするので、自分が思い描く理想だけが全てではないなとも思います。ただ、あくまでも一生懸命に向き合うことが一番大事だと思います。そこで理想に近づくこともあるし、また新たな広がりをすることもあると思うので、諦めずに向き合い続けることが大切だと思います。
■今田美桜
1997年3月5日生まれ。福岡県出身。TBSドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』(18)で注目を集め、映画『東京リベンジャーズ』(21)にて第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。近年はNHK連続テレビ小説『あんぱん』(25)でヒロインを演じ、『世界陸上』アンバサダーやNHK『紅白歌合戦』司会も務めるなど、多方面で活躍している。W主演を務める映画『白鳥とコウモリ』が9月4日に全国公開予定。
■磯村勇斗
1992年9月11日生まれ。静岡県出身。2014年に俳優デビュー。テレビ朝日系『仮面ライダーゴースト』(15~16)への出演で注目を集める。主な出演作は、映画『月』(23)、『正欲』(23)、テレビ東京『きのう何食べた?』(19~23)、TBS『不適切にもほどがある!』(24)、TBS『クジャクのダンス、誰が見た?』(25)、第47回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞するなど、映画・ドラマを中心に幅広く活躍している。
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