11月1日に34歳の誕生日を迎えた俳優・白洲迅。30歳を目前にした2022年のインタビューでは、これからの俳優人生について「役者として変化していける大きなきっかけになると思います」と期待を語っていた。
それから4年。初の大河ドラマ出演や話題作での難役、実生活でも父親となった経験を生かした役柄など、着実にキャリアを重ねてきた。一方、共演者からは周囲を思いやる優しい人柄もたびたび明かされている。
マイナビニュース・エンタメチャンネルのお試し企画「日曜トライアル」。今回は白洲の誕生日にあわせ、過去のインタビューやイベント取材から、俳優としての挑戦と共演者が明かした素顔を振り返る。
30歳目前に語った俳優としての転機「すごく楽しみな第1歩」
1992年11月1日生まれの白洲迅。2011年に舞台『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』でデビューし、TBS系ドラマ『ごめんね青春!』、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、テレビ朝日系『刑事7人』シリーズなど、様々な作品で経験を積んできた。
30歳を迎える直前には、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『個人差あります』についてインタビュー(2022年8月12日掲載)に応じ、俳優としての変化への期待を語っていた。
同作では、ある日突然、女性の体になってしまうサラリーマン・磯森晶を夏菜と2人1役で演じた。自身と役柄の共通点を聞かれた白洲は、晶の順応力の高さに驚きつつ、男性として共感できる部分もあると説明。「ある意味、男代表として共感を得られるように演じています(笑)」と役作りへの思いを明かした。
また、30代を目前にした心境については、年齢による変化を強く感じているわけではないとしながらも、夫婦役など、これまでとは異なる役柄を任される機会が増えてきたことに言及。
今後は出演する作品の傾向も変わっていくことを期待し、「そういう意味ではすごく楽しみな第1歩ですね」と前向きに語った。そして、俳優としての将来について「役者として変化していける大きなきっかけになると思います」と期待を寄せていた。
30代の始まりを新たな可能性として捉えていた白洲。その後の出演作を振り返ると、このとき語っていた思いが少しずつ形になっていったことがうかがえる。
『大病院占拠』の大反響、初大河『どうする家康』への喜び
30代に突入した白洲は、2023年にも印象的な役柄を次々と演じた。
同年放送の日本テレビ系ドラマ『大病院占拠』では、神奈川県警の捜査員でありながら、実は敵対する「紫鬼」だった相模俊介役を担当。視聴者の間で正体をめぐる考察が盛り上がった作品について、同年4月のインタビューで振り返っている。
白洲は、自身も物語の先行きが楽しみだったと明かし、「台本をいただくたびに毎回ワクワクする役どころでした」と回顧。さらに、SNSでの考察など、盛り上がりが伝わっているか問われると「もちろんです!」と即答した。撮影が続いている間に放送が始まり、視聴者の反応を受け取りながら演じられることに、連続ドラマならではの面白さを感じたという。
一方、テレビ朝日系ドラマ『帰ってきたぞよ! コタローは1人暮らし』では、コタローから“母上ゆーわく男”と呼ばれる謎めいた人物・宇田桃葉を演じた。人気作の続編から参加することに緊張もあったというが、初日から現場の温かさを感じ、不安は解消されたそう。横山裕から冷凍アップルマンゴーを勧められたというエピソードも披露していた。
役作りについては、原作の宇田が漫画ならではの表情を見せる人物だったため、実写でどう表現するか悩んだと告白。監督と相談を重ね、個性豊かな登場人物の中でも埋もれない存在感を意識したという。宇田の複雑な事情が明らかになる展開についても、視聴者が人物の内面を理解し、感情移入できることを期待していた。
さらに、NHK大河ドラマ『どうする家康』では奥平信昌役で初の大河出演を果たした。
出演が決まったときについては「大河に出演できることが純粋にうれしかったです」と喜びを告白。岡崎体育演じる鳥居強右衛門とのエピソードに強く心を動かされ、熱量を持って演じられたと手応えを語った。
ミステリー、ホームドラマ、時代劇と、異なる世界観の作品に立て続けに参加。30歳を目前に抱いていた、俳優として変化していきたいという思いを体現するような1年となった。
初対面の記者の血液型も的中 共演者を驚かせた特技
俳優としての真剣な姿だけでなく、イベントではユーモラスな一面ものぞかせている。
日本テレビ系ドラマ『恋は闇』の制作発表会見(2025年4月7日掲載)では、作品のテーマにちなんで出演者がそれぞれの“何かを見抜く目”を披露した。そこで白洲が自信を見せたのが、相手の血液型を当てる特技だった。
「血液型を当てられます」と宣言した白洲。前日には岸井ゆきのの血液型を的中させていたそうで、初対面の相手にも発揮できる能力だという。
田中哲司についてはB型と予想し、「空気で分かるんです」と自信を見せたものの、実際はA型で不正解。しかし、その後は森田望智の血液型をO型、15年以上の仲だという志尊淳の血液型をA型と立て続けに的中させた。
さらに、志尊から「一人だけ、記者さんも当ててもらっていい?」と提案されると、初対面の記者の血液型にも挑戦。こちらもA型と予想して見事に正解し、会見場はどよめきと拍手に包まれた。
演技では様々な人物の内面を表現する白洲だが、この日は独自の感覚で相手を見抜く特技を披露し、共演者や報道陣を驚かせていた。
松島聡が明かした“父親としての素顔”「こういうパパがいい」
2025年10月には、テレビ朝日系ドラマ『パパと親父のウチご飯』で、timeleszの松島聡とともにシングルファーザー役に挑戦した。
前年に第1子、2025年4月に第2子の誕生を報告していた白洲。実生活でも2児の父となったタイミングで、初めて父親役を演じることになった。
同作の囲み取材(2025年10月3日掲載)では、息子役の子役・櫻と手をつないで登場。櫻が取材陣の質問に答える際には、優しく耳を傾け、話し終わるとハイタッチを交わすなど、本当の親子を思わせる姿を見せていた。
さらに、初めて父親役を演じる松島は、白洲の自宅を訪問し、実際の子育ての様子を役作りの参考にしたことを告白。その姿について「めっちゃかっこいいです!」と絶賛し、理想の父親像だと感じたことを明かした。
一方で、松島は白洲の父親としての別の顔にも言及。普段は優しくおおらかな白洲が、子どもの教育となると雰囲気を変えることに驚いたという。
思いがけずプライベートの姿を紹介された白洲は「恥ずかしいな(笑)」と照れた様子。自身にとっても初めてとなる父親役については、親になった経験が役柄への理解を深めていると説明。「このタイミングでこういった役が来たのは巡り合わせだと思うので大事にしたい」と、自身と重なる役柄への思いを語っていた。
かつて30代で演じる役柄の変化を楽しみにしていた白洲。実生活での経験が、俳優としての表現にもつながっていく様子が伝わるエピソードだった。
松村沙友理の天然発言を優しくフォロー 夫婦役さながらのコンビネーション
同じく2025年10月には、松村沙友理と夫婦役を演じたLeminoのドラマ『今日もふたり、スキップで』が配信された。
平凡ながらも幸せな結婚生活を描いた同作。配信を記念して行われた上映会イベント(2025年10月6日掲載)では、松村の天真らん漫な発言を白洲が優しくフォローする場面が相次ぎ、劇中の夫婦を思わせるコンビネーションを見せた。
撮影中に思わず笑ってしまった場面を聞かれた松村は、白洲について「(白洲が)すごいタヌキを愛でるところがあるんです。皆さんが想像するより100倍ぐらい愛でてるんですよ」と告白。
白洲が「信楽焼のあれです」と補足すると、松村は「死んでるタヌキ。死んでへんか、命が灯ってないタヌキ。そんなん言うたらあれか、信楽焼の職人さんは魂を込めて作ってるから魂はこもってるけど……」と一人混乱。そこに白洲は「作り物のタヌキです(笑)」と、さらに優しく補足した。
また、白洲は松村が撮影本番中に本当に眠ってしまったエピソードも披露。「起きる芝居で、スタートがかかってもいっこうに起きてこなくて、みんなでクスクス笑ってました(笑)」と振り返った。
松村が「私、本番ですごい寝ちゃうんですよ。みんなに見られながらすやすや寝てしまって……」と反省すると、白洲は「みんな微笑ましい顔で、寝顔を見てましたよ」とフォロー。撮影現場の温かな雰囲気を伝えていた。さらに、「人のために料理を作ってあげるという感情がなくて」と話す松村に、白洲が「経験がないんじゃなくて、感情がないんだ……」と反応する場面も。
そんな2人のやり取りに、司会の安東弘樹アナウンサーが「話してる時の2人の目がキラキラで!」と感嘆すると、松村は「キラキラキラキラーン! 宝石みたいですか?」と大喜び。白洲は「松村さんのおかげです」と謙そんし、共演者を立てる姿勢を見せた。
一方、白洲自身が撮影で特に印象に残っていると明かしたのが、「ロックマンのトレーナー」を夫婦で取り合うシーンだった。
「僕のトレーナーを妻(松村)が着ていて、家の中で本気で追いかけ回して脱がせに行くんです。女性が着ている服を本気で引っぺがそうとする経験は初めてでした」と振り返り、会場の笑いを誘った。
劇中では穏やかな夫を演じ、イベントでは松村の自由奔放な発言を受け止めるなど、役柄と本人の人柄が重なるような一面をのぞかせていた。
余命宣告、妻の不倫、遺産問題…過酷な“サレ夫”役への挑戦
そして2026年4月、白洲はテレビ朝日系ドラマ『余命3ヶ月のサレ夫』で、さらなる難役に挑んだ。
演じたのは、幸せな家庭を築いていたものの、突然がんによる余命3カ月を宣告され、さらに妻の不倫が発覚する高坂葵。妻と不倫相手から遺産まで狙われるという、過酷な状況に追い込まれる人物だ。
放送直前の会見(2026年4月24日掲載)で白洲は、次々と不幸に見舞われる主人公について、作品で用いられる「悲劇の多重奏」という表現に触れ、「そんな重ねて奏でないでほしい!」と、役を演じた感想をユーモアを交えて語った。
重い題材を扱う作品ながら、撮影現場は明るい雰囲気だったそうで、白洲は「キャストもスタッフさん含めて、空気が読めないくらい明るい(笑)」と説明。「楽しく撮影しています」と笑顔を見せた。
一方で、作品の見どころについては、主人公がどん底の状況に置かれながらも、周囲の人々に支えられ、守るべき子どものために必死にもがき続ける姿を挙げていた。白洲は、主人公が置かれた状況を「どん底なのかもしれません」としながらも、助けてくれる人や子どもの存在に触れ、その中でどのように戦っていくのかを見てほしいと呼びかけた。
2022年のインタビューでは、夫婦関係や性別のあり方を描く『個人差あります』に出演していた白洲。それから約4年。2026年には、余命宣告や裏切り、親としての責任といった複雑な感情を抱える主人公を演じた。
作品ごとに異なる難しさを持つ役柄に挑み続ける姿からは、30歳を目前に語っていた、俳優として変化していきたいという思いの延長線が見えてくる。
イモトアヤコが明かした白洲迅の気配り 撮影現場で見せた優しさ
34歳の誕生日を目前にした2026年10月には、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『再生のウズメ』に出演。連続ドラマ初主演となるイモトアヤコと共演し、撮影現場での互いの印象を明かした。
同作は、28歳の時にある出来事をきっかけに役者を辞め、12年間引きこもっていた40歳の女性・田村ウズメ(イモト)が、便利屋「救ちゃん」の代表・興梠侑誠(白洲)との出会いによって、止まっていた人生を再び動かしていく物語だ。
10月3日に行われた秋ドラマ合同イベント(2026年10月3日掲載)では、白洲がイモトについて「本当に心動かされるお芝居をしてくださっています」と絶賛。初主演に真剣に向き合う姿勢を高く評価した。
撮影現場での様子についても、イモトが普段からメモ帳を持ち歩いていることや、「隙あらば精神統一していた」と明かした。さらに、ロケ先に神棚があった際には、イモトが背筋を伸ばして向き合っていたことを紹介。撮影の合間にも役柄や作品に向き合う共演者の姿が、強く印象に残っていたようだ。
一方、イモトも白洲について「本当に原作から飛び出してきたような、本当に興梠そのまま」と称賛。自身は初主演で「結構いっぱいいっぱい」だというが、白洲がキャストだけでなくスタッフにも目を配っていることを明かし、スタッフが蚊に刺されているのを見つけると、すぐに薬を差し出したというエピソードを披露した。
松島聡が語った父親としての優しさ、松村沙友理とのイベントで見せた自然なフォロー。そして今回、イモトが明かした撮影現場での気配り。異なる共演者の言葉からも、白洲の周囲への接し方がうかがえる。
30歳を目前に「すごく楽しみな第1歩」と語ってから4年。白洲は、ミステリー作品での反響、初めての大河ドラマ、父親役、そして過酷な運命を背負う主人公まで、様々な役柄に挑んできた。その一方で、共演者からは優しくおおらかな父親としての素顔が語られ、イベントでは特技を披露して会場を沸かせるなど、俳優としての姿とはまた違う魅力ものぞかせている。
34歳を迎えた白洲迅。30代の始まりに抱いていた期待を胸に、俳優として新たな役柄に挑み続ける一方、共演者からは周囲を思いやる人柄がたびたび語られてきた。これからどのような作品で新たな一面を見せてくれるのか。今後の活躍にも注目したい。
■プロフィール
1992年11月1日生まれ、東京都出身。2011年にミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンでデビュー。『ごめんね青春!』『とと姉ちゃん』『刑事7人』『個人差あります』『大病院占拠』『どうする家康』『パパと親父のウチご飯』『余命3ヶ月のサレ夫』『再生のウズメ』『豊臣兄弟!』など数々のドラマに出演している。






