そして視聴率と配信再生の両取りを狙う上で欠かせないのがPR戦略。幅広い層にアピールするのはもちろん、「いかに期待感を高めてリアルタイム視聴やリピート再生につなげるか」という観点からさまざまな策が講じられている。

その最たるところは、第2シーズン開始直前の7月26日20時から放送した『VIVANT直前生放送 堺×阿部×二宮が集結! 今からでも間に合うSPダイジェスト』だろう。豪華キャストを集結させた生放送で第1シーズンの物語をおさらいしつつ、第2シーズンの予告につなげて期待感を高めた。

3年前の第1シーズンでも最終話前の第9話直前にゴールデン特番を生放送したが、第2シーズンでは最初に編成したところに意気込みが見て取れる。好評の声を受けて、今後も1~2回は日曜20時台の生放送特番を編成するのではないか。

さらに11話、12話の終了直後に放送された『日曜日の初耳学』(MBS・TBS系)で堺雅人のインタビュー企画を前後編に分けて特集。阿部寛やスタッフらの声を交えて堺に「34ページ、20分もの長ゼリフがある」「半野生のラクダを3分で乗りこなした」ことなどを明かして興味を誘った。

それ以外でも、第12話のキーマンだったアリを演じる山中崇が翌朝生放送の『ラヴィット!』に出演。X(Twitter)などでも情報発信し続けるほか、各メディアに記事化を狙ったリリースを送り、キャストがバラエティに番宣出演するなど、「放送のない月曜から土曜も『VIVANT』の話題があがる」という関心を途切れさせない状態を作っている。

ちなみに『VIVANT』のホームページを開くと、トップ画面に案内役のハヤトBOTが登場。最新情報、続編の詳細、前作のおさらい、「ハヤトって誰?」というボタンが用意され、ここでも「ファンから未視聴の人まで幅広くカバーしよう」という姿勢が見られる。

心をつかむファンサービスを実行

PR戦略をもう一段掘り下げると、放送前から「やれることはすべてやる」という妥協なきスタンスが見られた。

バラエティや情報番組での番宣以外の主なものをあげると、関東地区での前シリーズ再放送、計536ページにわたるシナリオ本の発売(8月20日にも第1シーズンの公式ガイドブックなどを発売)、サンリオキャラクターとのコラボと期間限定POP-UP SHOP開催などがあげられる。

さらに第2シリーズ開始前日の7月25日にも東京国際フォーラム ホールAで『日曜劇場「VIVANT」第1シーズンスペシャルエディション上映会』を開催。ダイジェストを大スクリーンで上映し、出演者やスタッフのトークショーを行った。

今後も8月23日に国立代々木競技場 第一体育館での『日曜劇場「VIVANT」PREMIUM SUMMER PARTY』(ファンミーティング)、9月以降に「体験型イベント」を予定。また、『「VIVANT」キャラバン ドラムに会いに行こう!』というドラムが全国の商業施設をめぐり、視聴者と交流するイベントも開催している。

これ以外でも、前例のない質量のオリジナルグッズや企業コラボがあり、アゼルバイジャンやタイのロケ地をめぐるツアーを販売中。さまざまな点でのファンサービスが見られ、局をあげて「視聴率も配信再生も絶対に取る」という強い意志を感じさせられる。

TBSは9月19日から10月4日に開催される『アジア大会 愛知・名古屋』の中継を予定しているため、『VIVANT』の放送中断は不可避だろう。しかし、スタッフの仕事ぶりと現在の勢いを見る限り、この程度の試練は軽くクリアしてしまうのではないか。