今朝も冷たい雨が降る。この日の朝食はそばと決めていたので、子どもを保育園に送り出した後、早々と都バスに乗り込む。向かったのは新橋駅だ。「かめや 銀座店」は銀座駅より新橋駅からの方が近い。徒歩3分程の場所にある、早朝から営業するそば屋である。

  • 新橋「かめや 銀座店」の「温かいまかないそば」(570円)(写真:マイナビニュース)

    「温かいまかないそば」(570円)

「かめや」といえば、新宿店を第14回に取り上げており、思い出横丁のその店舗は、佇む景色と相まって有名だ。場所柄もあってか、いつ行っても行列ができている。正直なところ、立ち食いそば(「かめや」は新宿店も銀座店も立ち食いではないが)に並ぶという行為には疑問を感じるが、それだけ愛されているという証か。

銀座店に着いたのは9時半。幸いこちらには行列はなく、先客すらいなかった。というのも店先の看板が「準備中」。奥の店主に声をかけると、ひっくり返すのを忘れていたとのこと。何はともあれ、無事入店。

店舗の限定メニューを注文

店内は両脇に着席カウンター。正面に厨房と返却口、冷水機。バットに天ぷら類。BGMとしてFMが流れている。カウンターにはアルミ製の灰皿が。劇団の演出家が投げつけるタイプのアレだ。10時から14時のランチタイムは禁煙、と書かれていたのでそれ以外は喫煙可なのだろう。銀座のど真ん中にありながら珍しい。

「かめや」といえば名物はかき揚げに温玉をのせた「天玉そば」だ。銀座店も同様で、壁には人気ナンバーワンとして「Ten-Tama Soba」の文字が写真とともにあった。日本のソウルフードを求める外国人も多いのかもしれない。だがこちらは以前新宿店で紹介済み。同じそばも芸がないなと他を見やると「冷やしまかないそば」の文字。なぎら健壱氏のキャプチャ画面付きで紹介されているので裏メニューという程ではないが、当店ならではの限定メニューらしい。幸い温かいのでもできるということなので、口頭で「温かいまかないそば」(570円)を頼む。

名脇役たちが勢ぞろいの豪華な具材

上にのった具材は、とろろ・揚げ玉・温泉玉子・わかめ。それにたっぷり刻みのりが振りかけられている。それぞれは目立たない脇役だが、こう勢揃いすると豪華だ。食感も味わいも風味もごちゃまぜにしてハーモニーを愉しみたい。やさしくほっとするあっさりしたツユと、もっちりした中太麺はかめやの味。お酒の後や、こんなふうに朝食にするのにピッタリ。とろろや温玉が冷たいので、ツユが早めに冷めてしまうのがやや難点だが、これが早く食せる「まかないそば」の意味なのかもしれない。

  • 新橋駅から徒歩3分の「かめや 銀座店」

ちなみにかけそばは300円。かけだとさすがに物足りないかもしれないが、銀座でワンコインランチの選択肢は貴重だろう。ぜひ覚えておきたい店舗のひとつだ。

著者:高山洋介

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作