今回の主役はうどんだ。場所は五反田駅前、立ち食いうどんの名店「おにやんま」。JR「五反田」駅西口を出てすぐ、ちょうどガード下のあたりにある。直線距離は短いが、横断歩道が少し離れたところにしかないので、ややもどかしい。営業時間は朝から晩まで。特に昼から夕方まで、サラリーマンを中心に長い列をつくることもある大人気店だ。

ごろっとしたとり天が3個も入った「冷しとり天ぶっかけ 大盛」(税込520円)

コシのある麺はつるりとのどを通る

入り口は左右ふたつ。左側の入り口隣に券売機があり、こちらで食券を購入した後は道路側で並んで待つ。店内は厨房を囲んでコの字型になっており、人がすれ違うのも大変なスペースなので、混んでいる時は店員さんが指示してくれるまで入らない方がいい。キャパシティーは7~8人だろうか。ただ、回転は早いので長時間待つことはないだろう。今回注文したのは、「冷しとり天ぶっかけ 大盛」(税込520円)。

厨房は戦場だ。常時2人で、麺をゆでたり洗ったり、天ぷらを揚げたり盛り付けたり。時折、天井からハシゴを引き出して2階にいるスタッフに指示を飛ばしたりしている。食券のオーダーは自動的に厨房に送られているらしく、店内に入った後は、特にアピールせずとも丼が運ばれてくる。この間、1分かかるかどうかくらいである。

冷たくしめられた太い麺に豪快に振りかけられたネギと、ごろっとした「とり天」3個でボリューム満点。とり天は唐揚げほどクドくなく、鶏肉のコクがあっさりしたダシにちょうどいい。麺はガッシリ存在感のあるコシで、なおかつツルツル。おにやんまを「東京で味わえる本格派讃岐うどん」と評する人もいるほどだが、店自身はあえてブランドを掲げることはしていない。ここでしか味わえない一杯への自信が感じられる。

「おにやんま」へは五反田駅から歩いて約3分

朝・昼・夜と時間を選ばない万能食として、また、忙しいスキマ時間のおやつ代わりにもぴったりの一食だ。

※記事中の情報は2016年7月取材時のもの

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。