この連載もそれなりの回数になってきたので、そろそろ店舗の選定が難しい。某グルメサイトで調べていくと、全て行き尽くしたエリアもちらほら出てきた。この日も、天王洲アイルの方面で打ち合わせがあったためその道中で一杯と思い立ち、付近を調べたところ京急線の立会川駅前、「立会川そば」のみが検索にヒット。自宅から8kmほど歩いて向かったのだが(筆者はウォーキング中毒)、なんと11月2日をもって閉店の張り紙が……。付近には既に他の候補もなく……と思ったのだが、いや待てよ、品川駅ホームの駅そばは未紹介ではなかったか。JR山手線ホームにある「常盤軒」のことである。

  • 品川「常盤軒」で味わう、濃い目の味付けで食べ応え満点の「品川丼」(490円)

    「品川丼」(490円)

常盤軒は品川駅ローカルの立ち食いそば店。以前は4店舗あったようだが、京浜東北線ホームの2店舗は昨年閉店したようで、現在は横須賀線ホームと、こちら山手線ホームのみになっている。別ブランドとして「吉利庵」というそば屋もあるが、こちらは連載第100回で取り上げているので参照されたい。

常に賑わう駅ホーム内の立ち食いそば

ホームの外れではなく比較的中央付近に位置。さらに山手線なので、どの時間でもたいてい客が入っている印象だ。戸のない入口の脇には交通系ICカードの利用できる食券機がある。そばうどんの取り揃えは海老天がある以外は比較的ベーシックかと思う。それよりもここで気になるのは「品川丼」(490円)の存在だ。外には大々的にプリントが貼られていて、そばよりずっと目立っているので以前より気になっていた。しかも鶏白湯スープがつくらしい。こんな事情のため、今回はそばでなくこちらを注文させて頂きたい。ご了承ください。

濃い目な味つけでボリュームも満点な「品川丼」

店内は小さな立ち食いカウンターが両翼にあり、7~8人は入れないだろう。そばうどんは左側、ごはんものは右側に注文口があったが、実質は2名の店員さんが食券を見ながら口頭でやり取りされており、さほど意味はない。11時過ぎ、ランチも近づき、先客は4名。 品川丼、ほかより多少オペレーションが複雑なのか、駅そばにしてはやや待つ。と言っても2分くらい。お盆には品川丼とスープ、漬物。正直なところ「映えない」系のご当地グルメだ。これではなかなか拡散してもらえないだろうが、そんなことは立ちそば界では問題ではない。品川丼とは、つまるところ、ゲソと野菜をミックスしたかき揚げ丼だ。これに甘辛いタレがたっぷり。味はかなり濃い目、お米の量も他店の大盛レベルで食べごたえは十分だ。ジャンクだが、がっつりエネルギー補充したい時にはぴったり。さて、鶏白湯スープ。丼の味が濃いので、こちらはあっさりした味わい。インスタントだと思われるが、バランス良し。ありがたい。

  • 品川駅の山手線ホームにある「常盤軒」

これだけしっかり胃袋に入れたので、直後から急激な眠気が襲ってきて、直後の打ち合わせが大変だった。半・品川丼があればそばと組み合わせられるのだが、今のところないようだ。常盤軒さん、ぜひ一度ご検討ください。

著者:高山洋介

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作