今回は、東京23区を出た。向かったのは「つつじヶ丘」駅。新宿駅から京王線で20分程度。住所としては調布市にあたり、世田谷区に隣接しているので都心にも近い。出発は9時過ぎ。通勤ラッシュを逆行する格好となったので、ゆったり座りながら向かった。お目当ての店は「万葉そば」だ。京王グループが経営する駅そばで、店舗はここ「つつじヶ丘店」と、西東京市・保谷駅の「エミオ保谷店」のみになる。北口を降り、バスターミナルに面した便の良い場所に位置しており、この時間でも遅めの通勤前と見られる先客が3~4名そばをすすっていた。

  • 「けんちんそば」(680円)

    「けんちんそば」(680円)

肌寒い日に恋しくなる「けんちんそば」をチョイス

店内に入る。左手に券売機、交通系ICカード利用可。立ち食いではなく、すべての席にイスがある。3列ほどカウンターがあったが、右手壁沿いはテーブルになっていた。さて、初めての店だ、ここにしかないメニューを選びたい。かき揚げそばや山菜そば、とろろ、きつね、月見などと並び「明日葉天そば」や「野菜天そば」も目をひいた。また「朝そば」として時間限定であるがお値打ちでいただけるサービスメニューもあるようだ。しかしこの日チョイスしたのは、最上段写真付きでアピール中の期間限定そば「けんちんそば」(680円)である。お値段は多少張るが、肌寒い風が吹く午前中にいただくのにはピッタリのそばではないか。そういえば先日家族で出かけたそば屋でもけんちんうどんを食べた。単純にけんちん汁が好きなだけなのかもしれない。ちなみに期間限定として「きのこと豚肉の辛味つけそば」と「カレー南蛮そば」もラインナップしていた。

正面が厨房、兼受け渡し口、兼返却口。厨房内は女性が一人、ワンオペだった。食券を渡すと引き換えに数字の書かれたプラ板をもらう。番号で呼び出しスタイルらしい。また、返却口の脇にはセルフサービスでそば湯が。かつお出汁を使っているとのことで、ポットと湯のみがたくさん置かれていたが、今回は温かいそばなのでパス。さほど客は多くなかったが、注文ごとに茹で上げるのがこだわりらしく、2~3分は待った。期間限定メニューなのでオペレーションも変則的なのかもしれない。

具材たっぷり、旨味たっぷりの一杯

想像していた通り、そしてメニュー写真通りのけんちんそばだ。鶏肉、ごぼう、あげ、しいたけ、にんじん、たまねぎ、大根に里芋。その上に刻みネギが添えられている。そこに卓上の七味を少量振りかける。これだ、これこそが日本で一番美味しいスープ、けんちん汁。野菜の甘みや、食材ごとに異なる食感が愉しい。駅そばとしてはなかなかのお値段ということもあって、具材はケチらずたっぷり入っているのも嬉しい。そばはやや色白で、もりそばを食べた時が想像できるような舌触り。良いそばだと思う。そばのダシ云々という話はなく、けんちん汁にそばが入っていますという一杯なので、その点はご理解いただきたい。

  • 「つつじヶ丘」駅北口のバスターミナルに面した場所ある「万葉そば」

これでしっかり暖を取り、身体はぽかぽか。いつまでの期間限定かは未確認だが、これから冬にむけてしばらくはいただけるのではないかと思う。新宿駅や明大前駅の方にもぜひ出店してもらいたいものだ。

著者:高山洋介

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作