マイナビニュースのテレビ担当記者が、8月にあったテレビ界の出来事を独断と偏見でピックアップする【8月テレビ界五大ニュース】。今月は、過去の人気IPを復活させる動きに加え、配信で記録的な数字を生み出す令和の大型コンテンツも目立った。
NHK職員が番組出演者から性被害 復職対応への問題指摘
NHKは5日、職員が番組出演者から性被害を受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症して休職していた事案を公表した。職員は被害から1年数カ月後に職場へ被害を打ち明け、フラッシュバックなどで精神状態が悪化するため別の部署での復職を希望したものの、「元所属での復職が原則」などとして認められず、被害から異動まで約3年を要したという。
2025年4月に職員が労働組合を通じて改めて申し入れたことを受け、NHKは外部の専門家らによる調査検討委員会を設置。約1年にわたる調査の結果、被害が深刻だったにもかかわらず前例や原則を重視し、組織としての対応や人事的な対応が不十分だったと指摘された。フジテレビの事案で問題意識が高まっている中で、出演者と局員、制作会社スタッフらが密接に関わるテレビの現場に、改めて課題が突きつけられた。
電撃発表、藤井流星・小瀧望がWEST.脱退へ
STARTO ENTERTAINMENTは30日夜、WEST.の藤井流星と小瀧望がグループを脱退すると発表した。2014年のCDデビューから7人で歩み続けてきたグループだけに、突然の発表は大きな衝撃を与えた。
WEST.は残る5人で活動方針について協議するとしている。正式な脱退時期は、今後予定されている活動や出演について関係各所との調整が必要なため未定だというが、『リア突WEST.レボリューション』(ABCテレビ)、『ひらめけ!うんぴょこちゃんねる』(TBS)などレギュラー番組も抱えており、どのような影響が出てくるのか、行方が注目される。
『救命病棟24時』13年ぶり復活 リバイバルの動き続く
フジテレビは26日、江口洋介と松嶋菜々子がW主演を務める『救命病棟24時』の第6シリーズを、10月12日から月9枠で放送すると発表した。連続ドラマとしては2013年の第5シリーズ以来約13年ぶりで、江口演じる進藤一生と松嶋演じる小島楓がそろうのは、2010年のスペシャルドラマ以来約16年ぶり。シリーズが月9枠で放送されるのも初めてとなる。
今年は、1998年に大ヒットした反町隆史主演『GTO』が28年ぶりに連続ドラマとして復活し、7月から放送中。日本テレビでも『アメリカ横断ウルトラクイズ』を約30年ぶりに復活させるなど、過去の人気IPを単に再放送するのではなく、当時の出演者や世界観を受け継いで“新作”として再起動する動きが目立っている。
若年層を中心にリアルタイムでテレビを見る習慣が薄れる一方、かつて作品を楽しんだ世代には強い知名度があり、その子ども世代にも届く可能性がある名作IP。新たなヒット作を生み出すだけでなく、テレビ局が長年積み重ねてきた資産を現代にどうアップデートするのかも、コンテンツ戦略の重要な柱になってきた。
フジ×テレ東、ゴールデン帯視聴率で接戦
民放キー局各社の第1四半期決算資料が出そろい、4月クール(3月30日~6月28日)の平均視聴率で、テレビ東京とフジテレビが接戦となっていることが明らかになった。個人全体のゴールデン帯(19~22時)ではフジが2.9%、テレ東が2.8%とわずか0.1ポイント差でフジが上回った一方、世帯視聴率ではテレ東が4.7%、フジが4.5%となり、テレ東が逆転した。かつて視聴率トップを独走し、業界をけん引してきたフジだけに、時代の変化を実感させるトピックとなった。
一方、広告収入では、前年に一連の事案を受けて多くのスポンサーがフジへの出稿を見合わせ、他局に広告需要が流れる“フジテレビ特需”が起きたが、今年4~6月期はフジの放送収入が事案前に近い水準まで回復。日本テレビ、TBS、テレビ朝日、テレビ東京ではスポット収入がそろって前年同期比2ケタ減となった。
『VIVANT』887万再生 TVer歴代最高記録
TBS系日曜劇場『VIVANT』で7月26日に放送された第1話が、TVerの配信開始後8日間で887万再生を突破。TVerでこれまでに配信された全番組の単一エピソードとして、8日間再生数の歴代最高記録を更新したことが3日に発表された。
前項では、ゴールデン帯の個人視聴率で0.1ポイントをめぐる競争を挙げたが、配信では1話で800万を超える再生が生まれている。視聴率とTVer再生数は性質の異なる指標で単純比較はできないが、「テレビ番組を見る」行為がリアルタイム放送だけでは語れない現状が改めて鮮明となった。
