『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』 火曜23時~ カンテレ・フジ系
出演者:齊藤京子、水野美紀、新川優愛ほか
寸評:娘を殺された母親の復讐、謎の天才外科医による全身整形、しかも55歳が25歳に変身するという設定は漫画ならではであり、実写化はハイリスク。齊藤と水野をどう同一人物に見せるのか演出の難しさが随所に漂う。カンテレ23時は「イケメン枠」からの脱皮をはかるのか。キャストは若いだけに定番のリベンジモノとの相性に不安が残る。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】
『ESCAPE それは誘拐のはずだった』 水曜22時~ 日テレ系
出演者:桜田ひより、佐野勇斗、北村一輝ほか
寸評:誘拐がテーマだが、捕まるかどうかハラハラドキドキのサスペンスより、ロードムービー的なヒューマン作というコンセプト。全体のプロットはよく練られていて、出会ったばかりの2人がともに逃げ続けることへの違和感はなく、飽きさせないための工夫が散りばめられている。桜田と佐野のかけ合いは若手俳優とは思えぬ達者さで、誘拐やネグレクトなど週替わりテーマの重さを軽減。質の高い作品だけに、サイコメトラーのような特殊能力は必要なのか疑問が残る。混乱を招いた初回のバラエティとの抱き合わせ放送はやめるべきだろう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』 水曜22時~ フジ系
出演者:菅田将暉、二階堂ふみ、神木隆之介ほか
寸評:設定やセリフに三谷幸喜の思いがたっぷり。序盤はそれをどう受け取ればいいのかわからない視聴者が戸惑っていた。しかし、回を追うごとに登場人物への愛着が増え、心地よい小さな奇跡が起き、続きをどんどん見たくなる……という三谷ドラマらしい魅力がアップ。『王様のレストラン』のように放送時よりも終了後にジワジワと支持を集めそうなムードが漂いはじめてきた。それだけに早くシェイクスピアから離れて、共感しやすい演目を選んだほうがいいように見える。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】
『小さい頃は、神様がいて』 木曜22時~ フジ系
出演者:北村有起哉、小野花梨、仲間由紀恵ほか
寸評:「子どもが20歳になったら離婚」という入口はキャッチーかつリアル。ただ令和の人々は「あまり踏み込まれたくない」「一定の距離感を保ちたい」のがリアルであり、世代の異なる住民たちが何度も顔を合わせ、干渉し合う物語は好き嫌いが分かれるだろう。同じ岡田惠和脚本の『最後から二番目』と比べても現実の厳しさや切実さは描かれず共感度も今一歩か。一方、酒井麻衣監督の映像は美しくも温かく、特に光や音へのこだわりを感じられる。フジは月9が高齢向けにシフトしつつあるだけに木10はもう少し若い層を狙ってほしいところ。
採点:【脚本☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】
『推しの殺人』 木曜23時59分~ 読テレ・日テレ系
出演者:田辺桃子、横田真悠、林芽亜里ほか
寸評:トリプル主演の3人は、経歴、演技、ビジュアルのバランスがよく、アイドルとしての説得力もある。ただ前作『恋愛禁止』も主人公の殺人、前々作の『私の知らない私』も主人公に「人殺し」の疑惑があり、同じ女性3人の『彼女たちの犯罪』もあり、さすがに同じ枠で設定を重ねすぎか。アイドルとしての華やかなステージや成功をもっと描いたほうが罪や破滅のコントラストが鮮明になったのではないか。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『コーチ』 金曜21時~ テレ東系
出演者:唐沢寿明、倉科カナ、木村多江ほか
寸評:フィクサーやプライベートバンカーなど、最近はあやしい人物を演じることの多い唐沢が今作でもそつのない役作り。強烈なビジュアルで引きつけつつ、時折放たれる的確なコーチングは説得力で満ちている。事件よりも育成重視の刑事ドラマは『風間公親 教場0』を思わせるが、当作のほうがコーチングの相手も内容も多彩。全編を通して見たとき、コーチの総合的な意図が何かあるのか、終盤が楽しみ。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『フェイクマミー』 金曜22時~ TBS系
出演者:波瑠、川栄李奈、田中みな実ほか
寸評:フェイクマミーの選択に至る脚本はナチュラルでテンポも上々。スムーズにまとめられている一方で、徐々にフェイクマミーの醍醐味が感じられなくなっている。母親2人がいい人だけに「本当に2人も必要なのか?」「あの学校に通わせる必然性は?」がブレ気味か。制作サイドが描きたいことは母子関係なのか。子育てのリアルな問題か。バレるかどうかのドキドキなのか。視聴者に伝わっていない感がある。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】






