キッコーマンが5月1日に発売する新商品「玄米でつくったライスミルク」。“第三の牛乳”と呼ばれ、昨年あたりから健康志向の消費者の間で注目を集めている、お米を原料にしたミルク風飲料“ライスミルク”を国産大手メーカーとして初めて商品化した。

キッコーマンの「玄米でつくったライスミルク」

ライスミルクとは、もともと牛乳の代替品として、豆乳やアーモンドミルクなどと同様に、ベジタリアンや牛乳アレルギー患者のために欧米を中心に注目され始めた飲料。しかし、このたび同社の提供するライスミルクは「原材料は国産玄米のみ」、「砂糖や甘味料は一切添加しない」とし、お米が本来持つ甘みや香ばしさを大切に入念に開発されてたものとなる。

発売前から想定を超える反響が!

同製品の発売は、発売の2カ月前の3月に発表されたが、その反響はかなりのものだという。商品の企画・開発担当者である、キッコーマン飲料プロダクト・マネジャー室の亀井淳一氏は次のように明かす。

キッコーマン飲料プロダクト・マネジャー室の亀井淳一氏

「反響はかなり大きく、流通・小売業者の方たちからは既に想定していた5倍以上の注文を受けており、緊急増産をかけています。それでも製造が間に合わない状態で、出荷調整をしなければならず、大変ご迷惑をおかけしております」

このように発売前から大きな注目を集めている新製品だが、消費者の間からは「国産のものを待っていた」という声が非常に多く寄せられているという。

「食のトレンドに敏感な方を中心に、ライスミルクに既に注目していて飲んでいるという方が多くいらっしゃるのですが、やはり現状は輸入品が中心。どれもミルクの味に似せてつくっており、味を調整するために砂糖や食塩など、いろんなものが入っているんです。でも当社の商品の原材料は玄米だけ。実際に飲んでいただいた方からも『甘すぎず、お米本来の甘みが感じられておいしい』と好評です」と亀井氏。

本製品は、玄米のみを使用し、キッコーマンが本みりんの醸造で培った“糖化”という技術を応用し、玄米が持つ甘みを引き出すことにこだわっているのが特徴。ちなみに、糖化とは「デンプンなどの多糖類が分解されてオリゴ糖やブドウ糖などになる化学反応。こうした糖が生まれるため、ほんのりとやさしい甘さが出るんです。本製品では、細かくした玄米を水と混合し、酵素により、液状にしています」とのこと。

“飲む食べ物カンパニー”キッコーマン飲料

一方、商品の開発にはかなりの年月を要したという。亀井氏は「一番初期の段階から言えば5年以上は経っています。お米の飲料を作るという構想は昔からありましたが、プロジェクトが立ち上がったのは5年前になります。2009年に、キッコーマンの飲料事業が独立して新たにキッコーマン飲料という会社ができました。立ち上げ時に将来のビジョンを描くなかで、“飲む食べ物カンパニー”としてお客様に価値のある商品を作り続けることを決意しました。というのも、そもそも弊社は豆乳やトマトジュース、野菜ジュース、果汁飲料などを展開してきました。いずれも食べ物を飲み物にすることで、良い素材を気軽に摂れることを実現してきました。食べ物を飲み物にすることで、新たな価値を提供したいというのが基本精神でもあるんです」と振り返った。

さらに、実際の開発課程においては「お米の甘さを引き出すというのが簡単なようで大変でした。みりんの醸造の糖化の技術を応用しているのですが、酵素の力を十分に働かせるというのが難しかったです」と苦労を語る。

また、今回“お米の飲料”に辿り着いた経緯としては、やはりお米が日本人の主食であることに他ならない。「キッコーマンは和食の会社ですので、米をなんとかドリンクにすれば新しいエネルギー源になるのでは? と考えました」と亀井氏。

同製品の1本あたり(190グラム)に含まれるエネルギーは130kcal。これはおよそ玄米ごはんの茶碗半分弱ぐらいに匹敵するとのことだ。同製品の栄養素的価値として亀井氏は次のように説明した。

「玄米の栄養がそのまま取れるというイメージを持っていただいて大丈夫です。玄米由来のエネルギーと、それに加えてビタミンEとか食物繊維とか玄米に含まれる栄養成分が含まれています。健康食品のように、劇的に栄養素が多いというわけではありませんが、携帯できて気軽に食べることのできる玄米と考えていただければ。玄米が健康にいいことをご存知の方は多いですが、なかなか日常生活で食べるのはハードルが高くて、一般に浸透していかないところがありますが、それを気軽に摂れるというのがメリットだと思います。玄米由来のブトウ糖が含まれており、これは脳のエネルギー源ともいわれています。さぁこれから頑張るぞという朝や、夕方もうひと頑張りしなければならないという時にお菓子などで栄養補給をするのもひとつですが、その代わりにライスミルクというのも選択肢だと思います。賞味期限が18カ月と長いので、防災食としてストックしておくというのにも向いていると思います」

ライスミルクハイもおすすめ!

さらに、“第三の牛乳”とも呼ばれるだけに、アレンジも豊富だ。最後にプラスαのオススメの飲み方を教えてもらった。

「一番簡単な方法は、コーンフレークなどのシリアルにかける使い方です。特に、オールブランとかの糖がコーティングされていないプレーンなシリアルと相性がよいです。自然な甘さがあるので、とても食べやすくなります。そのほか、グリーンスムージーや温めて生姜を入れたり、アルコールと合わせても。焼酎と1:4ぐらいで割った“ライスミルクハイ”も良いですが、特にオススメは日本酒と1:5で割った"サムライスミルク(仮)"です! 日本酒もライスミルクも原材料は同じお米なので、相性も良く、焼酎割りよりアルコール度数が低めになります。ホットケーキ、パンケーキに牛乳代わりに入れても、甘さが隠し味になって食味ももっちりして美味しくなりますよ」

国産玄米だけを使用し、お米本来の味覚を引き出すことにこだわって日本の食品メーカーが生み出した“ライスミルク”。お米が主食の日本人だからこそ、納得できる商品と言えるはずだ。

撮影:伊藤圭