カイガラムシとはどのような害虫?

カイガラムシはセミやカメムシの仲間で、体長2ミリ〜10ミリの小さな昆虫です。草花、庭木、果樹など幅広い植物に寄生し、植物の樹液を吸って、生命力を奪います。被害を受けたまま放置していると、植物が枯れてしまうこともあります。

対策としては、植物について繁殖する前に、早め早めの駆除や予防をすることが重要です。カイガラムシは、白くベタベタした排せつ物を出すので、見つけたら要注意。成虫になると駆除が大変なので、幼虫のうちに取り除けるように、日ごろからよく観察しましょう。

カイガラムシとはどのような害虫?

カイガラムシはセミやカメムシの仲間で、体長2ミリ〜10ミリの小さな昆虫です。草花、庭木、果樹など幅広い植物に寄生し、植物の樹液を吸って、生命力を奪います。被害を受けたまま放置していると、植物が枯れてしまうこともあります。

対策としては、植物について繁殖する前に、早め早めの駆除や予防をすることが重要です。カイガラムシは、白くベタベタした排せつ物を出すので、見つけたら要注意。成虫になると駆除が大変なので、幼虫のうちに取り除けるように、日ごろからよく観察しましょう。

カイガラムシの幼虫

カイガラムシはいつ・どこから発生する?

カイガラムシは風や人の衣服を通じて植物に付着し、室内の観葉植物などには、換気によって侵入します。これらの害虫が発生するのを防ぐためには、日ごろからよく観察し、あたりを清潔にしておくと良いでしょう。特に新しく植物を導入する際や、屋外から室内へ植物を移動させる時は、カイガラムシの付着がないか念入りにチェックしましょう。

駆除せず放置していると大量発生しやすい

カイガラムシは、特に5月から7月にかけて発生する傾向があります。屋外の場合、冬は冬眠しますが、暖かい室内では年中見られ、特に風通しの悪く暗い場所を好みます。カイガラムシは非常に小さく、特に幼虫は1ミリ程度で見つけにくいです。発生初期の場合は見逃しやすいので、注意しましょう。また、メスだけで単独で卵を産んで、素早く繁殖するので、見つけたら早めの対策が必要です。植物を定期的にチェックして、カイガラムシを見つけたらすぐに取り除くことが大切です。

人体への影響はないので安心

カイガラムシを触っても、基本的に人体に影響はありません。ただ念のために、カイガラムシを取り除く際は軍手やグローブの使用をおすすめします。
また、特に肌が敏感な方は、ルビーロウカイガラムシという種類のねばねばした体液は、触れるとアレルギー反応を示すことがあります。カイガラムシに触れてしまった場合は、石けんで手を洗いましょう。

カイガラムシの卵、幼虫、成虫ごとの駆除方法

カイガラムシを駆除する方法を、卵・幼虫・成虫の三段階にわけて解説していきます。
成長の段階によって、有効な方法や必要な道具が異なりますので、合った方法を選びましょう。

卵の駆除

カイガラムシの卵を発見したら、卵がついた葉や枝を切り取るか、手でこそぎ取りましょう。ハケを使うと一気に卵をこそぎ落とせるので、より効率的に駆除できます。
また卵は小さいため見つけにくいので、無理に卵のうちから駆除せず、幼虫になってから駆除してもよいでしょう。

幼虫の駆除

カイガラムシの幼虫を駆除するタイミングは、卵からかえってすぐの頃。カイガラムシは5月から7月にかけて多く発生するので、発生時期は月3回程度、殺虫剤を散布しましょう。散布する際は、葉の裏表両面にしっかりと薬剤がつくようにしましょう。
ホームセンターや園芸品店では、カイガラムシ用の殺虫剤を売っています。後ほどおすすめの薬剤や効果的な使い方を解説します。

成虫の駆除

カイガラムシの成虫は殻が硬かったり、ロウ状の分泌液を身にまとっているため、農薬が効きづらく、物理的に駆除する方が効果的です。

手で取り除いてもよいですが、硬めの歯ブラシやヘラで成虫をこすって落としましょう。被害の大きい葉や枝は取り除き、駆除したカイガラムシは圃場や鉢植えの近くに放置せず、ゴミに出したり、土に埋めるなどしてしっかり処分してください。

殺虫剤や農薬を使わずにカイガラムシを駆除する方法

カイガラムシを駆除する際、殺虫剤や農薬を使わない方法について解説します。

牛乳を使用する

木酢液を使用する

こまめに水を与える

以上三つの方法をそれぞれ詳しく説明しますので、参考にしてください。

牛乳を使用してカイガラムシを駆除する方法

やり方は簡単で、牛乳をスプレー型ボトルに入れ、直接カイガラムシに吹き付けるだけです。

カイガラムシに付着した牛乳が乾燥すると膜を作り、カイガラムシを窒息死させます。
ただし、牛乳の匂いが残るため、匂いを嫌う人や屋内での使用は、良く考えて行いましょう。また、乾く前に雨や水やりで牛乳が洗い流されないよう注意が必要です。

木酢液を使用する

木酢液は、木材を炭にする過程で出る蒸気を冷やして作る液体です。これが強力な殺虫や殺菌作用を持ち、カイガラムシなどの害虫駆除に役立ちます。ただし、そのままだと強すぎて植物に害を及ぼす可能性があるため、使用する際は水で100倍以上に薄める必要があります。

使う際は、薄めた木酢液をスプレーボトルに入れ、カイガラムシがいる部分に直接スプレーしましょう。この方法でカイガラムシを効果的に駆除できますが、植物に悪い影響を与えないよう様子を見ながら慎重に行うことが大切です。

こまめに水を与える

こまめに植物に水を与えて、葉の健康を保つことで、カイガラムシがつくことを予防しましょう。

おすすめの殺虫剤・農薬

カイガラムシを駆除する際に使える殺虫剤や農薬は多くありますが、ここでは家庭でも使いやすいものを紹介します。
それぞれどのような薬剤なのか、わかりやすく解説していきます。

カイガラムシエアゾール

カイガラムシエアゾールは、クロチアニジンとフェンプロパトリンという2種類の有効成分で庭木やバラにつくカイガラムシを退治します。これらの成分が枝に浸透し、約1カ月間にわたって殺虫効果を発揮するので、散布後に発生する害虫も駆除できます。夏の幼虫だけでなく、越冬中の成虫にも効果があります。また、スプレー缶のジェット噴射により、高所の枝葉やカイガラムシにも吹き付けやすい商品です。

オルチオン乳剤

オルチオン乳剤は、オルトランとスミチオンの成分を組み合わせた殺虫剤で、ガーデニングでもよく使用されます。予防効果もあり、長期間にわたる殺虫効果が特徴です。使用する際は水で薄めてスプレーボトルなどに入れて吹きかけましょう。オルチオン乳剤単体だと、すぐに垂れてきてしまうので、展着剤を混ぜて使うとより効果的です。

家庭園芸用GFオルトラン水和剤

家庭園芸用GFオルトラン水和剤は、散布すると葉や茎から吸収され植物全体に行き渡る浸透移行性殺虫剤です。広範囲の害虫に対し長期間効果を持続し、散布後に発生する害虫や飛来する害虫にも有効です。散布が難しい場所にいる害虫にも効くため、薬剤を使うのに慣れていない人にも使いやすい薬剤です。こちらも展着剤を混ぜて使うとより効果的です。

MY PLANTS 虫からやさしく守るミスト

MY PLANTS虫からやさしく守るミストは、植物の葉、枝、茎に発生する害虫を退治するためのスプレー式殺虫剤です。この製品には、クロチアニジンとフェンプロパトリンという、異なる作用を持つ2種類の殺虫成分が含まれています。速効性があり、葉をベタつかせる原因となるカイガラムシを迅速に退治します。また、スプレーボトルに入っており、自分で調合をすることなく使用できるため、手軽に害虫防除が行えます。

ベニカXファインスプレー

ベニカXファインスプレーは、さまざまな植物に使える殺虫殺菌剤です。このスプレーには、害虫をすぐに退治して長く効果が続く成分(クロチアニジンとフェンプロパトリン)と、植物を病気から守る成分(メパニピリム)が含まれています。
花き類に使う際は、薬液が花弁に直接つくと、シミができてしまうことがあるので、花にかからないようにしましょう。

カイガラムシの駆除は、幼虫のうちに行うのがポイント

カイガラムシは成虫になると農薬が効きづらくなってしまいます。そのため、物理的にこそぎ落としやすく、農薬も効きやすい幼虫の間に駆除するのが大切です。駆除する際も、手で直接取り除く方法や、農薬や殺虫剤を使う方法、オーガニックな道具や薬剤を使う方法など、さまざまなやり方を複合的に組み合わせることで、より効果的に駆除を行うことができるでしょう。

カイガラムシに限りませんが、害虫による被害を抑えたいのであれば、日頃から植物をよく観察することや、風通しや日当たりを良くし、害虫の発生を予防すること、害虫が発生したらなるべく早く駆除することが大切です。慣れないうちは、覚えることが多く大変ですが、ぜひ本記事を参考にしてカイガラムシの駆除を行ってみてください。